本日は最近、日本銀行の金融政策「YCC」(イールドカーブ・コントロール)で俄かに注目されている金融商品「債券」について解説させていただきます。
実は小生、早期退職前、2社の金融機関で20年程債券関係の仕事に就いておりました。極力、分かり易くご説明させていただきます。
1.「債券」とは何?
「債券」は国や企業等が投資家から資金を借り入れるために発行する有価証券です。最も代表的な債券は国が発行する「国債」です。
また、あまり知られていませんが、債券も株(株式)と同じく市場で取引(売買)されています。
2.「債券」の特徴(メリット)2つ
①発行する時に決められた利子(利息)を定期的に受け取ることができます。
②途中で売ることもできますが、満期まで持つと額面金額(≒元本)が戻ることが約束されています。
つまり、債券は最終的に投資家が当初投資した額面金額(≒)と利子の両方を得ることができる金融商品なのです。
3.「株」(株式)との違い3つ
①資金の返済義務
債券 : 発行者は投資家に対して満期に資金の返済義務があります。
株式 : 資金の返済義務はありません。
②利子と配当金
債券 : 予め確定した利子(利息)を受け取ることができます。
株式 : 配当金は企業の利益に応じて変動していて確定していません。企業の業績によっては配当金が出ない場合もあります。
③価格の値動き
一般的ですが
債券 : 価格の値動きは比較的小さく、安定性があると言われます。
株式 : 価格が大きく値動きします。ただ、その分、上手くいけば収益性は高くなります。
つまり、債券が比較的安全・安定した金融商品なのに対し、株はハイリスクハイリターンの金融商品なのです。
4.取引(売買)市場と市場参加者(投資家)
株式 : 「東京証券取引所」が代表的な市場です。主な市場参加者(投資家)は個人や証券会社です。
債券 : 主な市場参加者は証券会社や銀行、保険会社で、それら金融機関向けの取引市場機能が日本には実は3社程あります。
5.「YCC」と「個人向け国債」について
①「YCC」
「イールドカーブ・コントロール」の略称です。「イールドカーブ」とは満期1年の短い期間の金利や満期10年の長い期間の金利等をグラフに表した線(カーブ)です。
この長短の金利を景気の安定化や刺激を促すために日本銀行が調整し、その施策が「イールドカーブ・コントロール」です。
②「個人向け国債」
債券の主な投資家は従来、銀行や保険会社等に偏っていたため、政府が資産を多く持つ個人に対しても発行して買ってもらい、債券の需要を高めるため新たに売り出した金融商品が「個人向け国債」です。
(イールドカーブのイメージ)
利回り=利子(利息)で残存期間が満期までの期間です。
(出典)「ピムコジャパンリミテッド」さんサイトより引用
「債券」は実は安全性と収益性のバランスがとれた金融商品です。これまでは超低金利時代でその魅力が薄れていましたが今後の金利動向によっては魅力的な商品です。
なお、よく間違えられる「債券」と「債権」は全く異なりますのでご注意下さい。
金利は官製相場・・・・
国民が支払うこのツケは、後々でかいことになりそうですな。
お詳しいですね。これからが日銀の腕の見せどころです。