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カワエビとも呼ばれるテナガエビ。
テナガエビも、霞ヶ浦・北浦の特産の一つです
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写真は、行方市麻生地区付近の霞ヶ浦(2022年8月撮影)。
この辺りは昔ながらの沿岸の風景が残ります。
都心からも近い霞ヶ浦。従って
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霞ヶ浦や北浦のテナガエビ(川エビ)も、
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【筑波山南麓 飯名神社の初巳祭にて~昔からの風景】
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2月初旬の頃に行われる、筑波山南麓の飯名神社の初巳祭。
参道に屋台や出店が並びます。
その中で行方市の方から、釜茹でのテナガエビを売りに来られる業者さんがおられます。
テナガエビは、つくばの辺りではほとんどが甘く煮たものや佃煮として売られていることがほとんどです。
しかしシンプルな塩茹でのテナガエビは、特に最近、あまり見かけません。
土浦や行方の方まで行くと手に入るのですが
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そういった訳で、つくば/筑波山麓でシンプルな塩茹でテナガエビが購入できる貴重な場なのが、神社の縁日です
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しかも嬉しいことに、生産者直売のためか、お安い♪
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というわけで、毎年テナガエビの購入を楽しみにしている人も多いそうで、出店に数人の人が集まって購入している姿を見かけます。
(写真は2018年2月撮影)
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私も、2月の飯名神社の初巳祭に行ける時は、必ずこちらで釜茹で(塩茹で)のテナガエビをたっぷり買います。
食べきれないときは冷凍保存可能なのも嬉しい
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売り手の方から、おすすめの料理方法も教えて頂いたりと、そういうやりとりも楽しいです
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そして、霞ヶ浦の名産が、筑波山麓で神社のお祭りの時に売られているというのは、食や食材の文化 そして、昔ながらの流通や人の行き来が感じられて、感慨深い風景です。
さてそのテナガエビ、その卵は「えびまこ」と呼ばれ、これまた更に貴重な霞ヶ浦の食材。
えびまこを使ったお雑煮は、当ブログでも以前、記事にしましたので、ご参照ください。
→ 霞ケ浦の「えびまこ」のお雑煮
この「えびまこ」、最近はなかなか採れないそうで、2年前、霞ケ浦の『煮うなぎ』(※)を買いに行ったお店で、『これは7年ぶりに今年やっと採れたえびまこ』ということで、売られていたえびまこをラッキーにも購入出来ました。
お店の方によると、『これは 冷凍しておけばいくらでも持つ』とのことで、冷凍保存して、少しずつ大事に頂いています。
※ 霞ケ浦の郷土食『煮うなぎ』についても、以前、記事しましたので、こちらもご参照下さい。
→ 煮うなぎ (うなぎの大和煮・うなぎの佃煮)
【テナガエビ漁の変遷】
現在はトロール漁で行われるテナガエビ漁(詳細:参考サイト1)。
昔(昭和の中頃までか?)は、『エビダル』という真竹と棕櫚で作った深い篭や、竹簾のような『オダ』、藁をしずめた『ボッチ』、藁と木の枝を鎮めた『草オダ』と呼ばれるものを使って取ったそうです(詳細:参考文献1)。
昔は小舟で『エビダル』を沢山乗せて霞ヶ浦の沖まで行って、それを沈めて仕掛けておくと、エビダルいっぱいにテナガエビが採れたそうです。
また、『エビダル』を作る職人さんは、土浦や阿見町におられたそうです。
後述する参考文献1に当時の様子が詳しく聞き書きで記録されていますので、ご興味ある方は是非お読みください。
そうやって採られたテナガエビが茹でられて、店に卸す他に、例えば筑波山麓の神社のお祭りなどの屋台で売られ、
霞ヶ浦から離れた土地の人々はそれを買える貴重な機会だった・・・そういった日本の昔の風景が浮かぶようです。
【都内の料亭や高級レストランでも!霞ヶ浦のテナガエビ】
さて、塩ゆでにされたテナガエビの料理方法
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この記事冒頭で紹介した、飯名神社の例大祭でテナガエビを売っておられた女性(生産者さん)によると、
『小さいものは、茹でたものをそのままでも食べられる。大きいものは身も大きいくて美味しいけれど、エビの足や口のとんがりが口の中で当たって食べにくい。だから大きいものは、フライパンでさっと焼くか油いためすると、それが気にならなくなるのでそれをおすすめします!』
とのこと。
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なので、美味しく頂けるテナガエビの料理法としては、まずポピュラーなのは、天ぷらか唐揚げでしょう。
小さなものはかき揚げで、大きめのものは一匹ずつ揚げたりしたり。
ちなみに写真中央奥は小さめのテナガエビのかき揚げ、左は大きいテナガエビ1匹の天ぷら(中央の緑の天ぷらはピーマンの天ぷら)。
サクサクとエビの旨味が口に広がって、美味しい
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天ぷらにしなくても、フライパンで炒めるだけで、殻も香ばしく、足や口のとんがりも脆くなってこれまた香ばしくなり、美味しいです
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さらに、その生産者の女性によると、
『キャベツと一緒に炒めて、パスタと和えるのが、家庭料理ではおすすめ』とのこと。
実際、こちらのテナガエビを使っている東京のお店で、そのようにテナガエビを使ったパスタを出すお店があるそうです。
新鮮なテナガエビは、東京から近い茨城県・霞ヶ浦で捕れたものだからこそ!
ですね(^^)
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(写真は2021年2月撮影)
昔ながらの長閑な雰囲気の、筑波山麓の神社の縁日の屋台。
大消費地 東京の料亭・レストラン。
霞ヶ浦のテナガエビから、昔から現代まで連綿と続く人々の営みと食文化、そして食材の流通が見えてきます。
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参考サイト
1.「茨城をたべよう いばらき食と農のポータルサイト」> 「万能食材 テナガエビ」
https://www.ibaraki-shokusai.net/season/fish/ebi/
参考文献
1.『風と波に生きた人々 霞ヶ浦風土記 新装版』 佐賀純一・文 佐賀進・絵 常陽新聞社
p.186-196 『第七話 波と星とエビダル』
p.197-206 『第八話 半農半漁の村』
(市川)