5月22日に厚生労働省から平成25年3月末の国民年金納付率が発表されました。
東京の納付率は54.5%、大阪は48.4%、
最低は沖縄37.7%
最高の島根でも70.7%です。
納付していないだけでなく、免除や猶予の申請もしていない人がたくさんいる、
ということですが、本当に払わなくて大丈夫?と言いたいです。
制度を良く知らないから支払わない、というケースもありますが
実は制度を良く知っているから陥る落とし穴もある、ということに先日ぶち当たりました。
今月初め68歳男性の方の年金相談を承りました。
30年以上何にも払ってないよ、とのことで定期便はもちろん年金手帳すらありませんから
基礎年金番号からしてわかりません。
渋るご本人にしつこくしつこくインタビューして、職歴や引っ越し歴を聞き
名前と生年月日から4つの記録を探し出してもらいました。
で、出てきたのが
厚生年金3か所で合計2年11か月
国民年金1か所で3年
合計5年11カ月でした。
現在の法律では25年の納付期間がないと受給できませんが
27年10月からは納付期間10年で受給できるようになります。
そして27年9月までは10年間さかのぼって未納分を納付することができます。
くだんの男性は5月生まれで68歳になったばかり、
10年さかのぼれば58歳のお誕生月5月~60歳前の4月分までぴったり2年分納付できます。
受給権がないので、5月中に手続きすれば68歳お誕生月5月から70歳前の4月までぴったり2年分任意加入できます。
両方合わせてぴったり4年間(48か月)納付できるのですが、
しかし既にある記録は・・・・・5年11カ月。
頑張って足しても9年11か月にしかならないのです
たった1か月・・・足りないだけで・・・もう受給権まったくなしなんです。
ああ、せめてもう1、2カ月早く相談できていれば・・・・。
実はこの方、15年くらい前に一度引っ越し先の国民年金窓口で納付の手続きをしようとしたそうですが、
窓口担当者に
「あ~、この月数じゃどうせもらえないですよ、納付しても無駄になっちゃう」
と言われ、それを聞いてからは「もう納めなくていいや」と思ってきたそうです。
その当時の法律では、確かに25年納付は無理だったのかもしれません。
窓口担当者は親切なつもりで言ってくれたのかもしれません。
でも法律は将来変わる可能性があります、
将来もしかしたら障害を負うことだってあったかもしれません、
担当者や相談を受ける人は、ちょっと知識があったとしても、あらゆる可能性を考慮したら
「ムダだからやらなくていい」「こっちのほうが得」だなんて絶対絶対言ってはいけませんね。
だから
どうせもらえないから、と未納している方々は、本当にもらえないかどうか確認してください
お金がないから払わないと思っている方々、免除にも何種類もあるんですよ
ただ未納にしておくのと免除・猶予申請をしているのとは雲泥の差なんです。
どうか将来の自分の権利を簡単に放棄しないで下さいね。