今日はある住宅雑誌の取材を受けた
特集でコミュニティ形成をテーマとした事例の紹介をするという
さくらガーデンの企画から竣工後の運営までをお話しした
ここで振り返ってみたい
きっかけ
新宿にあるリビングデザインセンターで私の主宰している「人間性豊かな集住体」研究会が、いろいろな集合住宅を調査研究していた
月島と多摩のコミュニティの比較検討などしていた
コミュニティを形成する手法としてコーポラティブハウスのワークショップ等をしていたが、実際につくりたいねと話をしていた
そのとき、H会員の義理の父上の畑にアパートを作る話があるという
メンバーの何人かが集まり検討が始まった
企画段階
はじめのころの計画は一棟の集合住宅の中に賃貸部分と分譲部分があり、売れなかったら全部賃貸でもという話をしていた
いろいろ事業収支をシュミレーションしたりしながら計画を進めてゆくうちに、定期借地権方式でやりたいということになった
そこで分譲部分と賃貸部分で敷地を分けることになり、測量して分筆した
これで地主側は純粋な賃貸住宅事業となり、分譲側は定期借地権方式のコーポラティブハウスとなった
コーポラティブハウスのコンセプトとして畑を生かした「農ある暮らし」を掲げ参加者を募集することになった
参加者募集へ
参加者の募集といっても、完全に孤立無援の組織だから広報手段もないし、お金もないので頭を使うしかなかった
メンバーにいろいろな分野の人間がいて、マスコミに取材してもらうことにしたり、リストラで廃止するという社宅でビラ配りをしたりした
参加者説明会は、はじめは150名くらい集まった
ここでは、コンセプトの「農ある暮らし」をテーマとしたコミュニティ形成、資金調達、定期借地契約、自由設計などについて説明、希望ヒアリングなどを行った
出入りはあったが、結局4家族が決まった
偶然だが研究会で話し合っていた「多世代が集まるコミュニティ」ができた
見積もりの苦労
見積もりでは施工会社の方々にずいぶんとご苦労をおかけした
募集の段階で分譲価格が不明では説明できないということで、概略設計をして数社に概算見積もりをお願いした
ここで、建築工事費のアウトラインを把握し、土地価格とあわせて分譲価格を設定した
次に概算見積もりで安くて工事内容にも定評のある会社を3社選定して、標準設計の見積もりをお願いした
そこで一番安かったM社に施工をお願いすることとした
参加者の方々はこれを基準に工事費を予定し、各自の希望を入れた詳細設計で再見積もりをしてもらい差額を精算する方式とした
この段階での見積もりは、スケルトンとインフィルに分類、さらに共用部分と専有部分、外構などに仕分けして数量を整理していただいた
これは、定期借地契約が建物譲渡特約付きでさらにコーポラティブハウスだからだ
詳しい説明は省くが、本当に大変だった
やっと工事着手
工事契約後は時間との闘いだった
そして、融資先の交渉
これは定期借地権のため市中銀行は融資してくれないことによる
困って大学のM先輩に相談したところ、コープ協議会のメンバーを紹介してくれ、その方が住宅金融公庫の調査役の方を紹介してくれて、その方のお知恵を拝借してコーポラティブ融資(15戸以上が条件だった)でなく一般のファミリー融資の重ね建てということで、融資のめどがついた
このとき、実ははじめて事業の見通しがついたのだった
工事開始
工事が始まっても、コーポラティブハウスの内装設計が決まっておらず、何度も参加者の方々のお宅に通ったり、4家族で集まっていただいたり
それでも、それぞれの方にインテリア設計担当が付き、全体像が固まってきた
この時点で、前に書いた変更見積もりをしてもらった
また、建築確認の申請上は軽微な変更ということで、出し直しはしなかった
横浜市の担当者の方にもいろいろご理解、ご協力をいただき感謝している
耐震偽造事件後の今だったらこんなスケジュールでは不可能だ!
竣工へ
賃貸棟との外観デザイン擦り合わせに、コーディネーターのフィーの一部を供出して材料の差額に当てたりしてなんとか格好がついてきた
コーポなので外観は不揃いだが、満足いただいた結果なのでよしとしたい
竣工パーティーは地主のご家族、賃貸の方々、近隣の方々もおいでいただき盛大にやった
われわれ、コーディネータ、設計者も感無量だった
自主管理へ
うれしい誤算は、完成後の環境の変化だ
コーポラティブハウスの参加者4家族だけでなく、賃貸棟の方々、地域の方々も巻き込んだコミュニティ形成が進められている
コーポラティブハウスの成功は「コンセプトの勝利」と喜んだが、それ以上にうれしい誤算だった
コーポの長老格のHさんや地主の方々のおかげと感謝している
今は地主の方がコーポの畑部分の隣に賃貸の方も使える畑を提供してくれていて、コーポと賃貸の方が参加するクラブを作っている
こんな展開になるとは誰が予想しただろう
一生懸命やったかいがあった
感謝感謝!
特集でコミュニティ形成をテーマとした事例の紹介をするという
さくらガーデンの企画から竣工後の運営までをお話しした
ここで振り返ってみたい
きっかけ
新宿にあるリビングデザインセンターで私の主宰している「人間性豊かな集住体」研究会が、いろいろな集合住宅を調査研究していた
月島と多摩のコミュニティの比較検討などしていた
コミュニティを形成する手法としてコーポラティブハウスのワークショップ等をしていたが、実際につくりたいねと話をしていた
そのとき、H会員の義理の父上の畑にアパートを作る話があるという
メンバーの何人かが集まり検討が始まった
企画段階
はじめのころの計画は一棟の集合住宅の中に賃貸部分と分譲部分があり、売れなかったら全部賃貸でもという話をしていた
いろいろ事業収支をシュミレーションしたりしながら計画を進めてゆくうちに、定期借地権方式でやりたいということになった
そこで分譲部分と賃貸部分で敷地を分けることになり、測量して分筆した
これで地主側は純粋な賃貸住宅事業となり、分譲側は定期借地権方式のコーポラティブハウスとなった
コーポラティブハウスのコンセプトとして畑を生かした「農ある暮らし」を掲げ参加者を募集することになった
参加者募集へ
参加者の募集といっても、完全に孤立無援の組織だから広報手段もないし、お金もないので頭を使うしかなかった
メンバーにいろいろな分野の人間がいて、マスコミに取材してもらうことにしたり、リストラで廃止するという社宅でビラ配りをしたりした
参加者説明会は、はじめは150名くらい集まった
ここでは、コンセプトの「農ある暮らし」をテーマとしたコミュニティ形成、資金調達、定期借地契約、自由設計などについて説明、希望ヒアリングなどを行った
出入りはあったが、結局4家族が決まった
偶然だが研究会で話し合っていた「多世代が集まるコミュニティ」ができた
見積もりの苦労
見積もりでは施工会社の方々にずいぶんとご苦労をおかけした
募集の段階で分譲価格が不明では説明できないということで、概略設計をして数社に概算見積もりをお願いした
ここで、建築工事費のアウトラインを把握し、土地価格とあわせて分譲価格を設定した
次に概算見積もりで安くて工事内容にも定評のある会社を3社選定して、標準設計の見積もりをお願いした
そこで一番安かったM社に施工をお願いすることとした
参加者の方々はこれを基準に工事費を予定し、各自の希望を入れた詳細設計で再見積もりをしてもらい差額を精算する方式とした
この段階での見積もりは、スケルトンとインフィルに分類、さらに共用部分と専有部分、外構などに仕分けして数量を整理していただいた
これは、定期借地契約が建物譲渡特約付きでさらにコーポラティブハウスだからだ
詳しい説明は省くが、本当に大変だった
やっと工事着手
工事契約後は時間との闘いだった
そして、融資先の交渉
これは定期借地権のため市中銀行は融資してくれないことによる
困って大学のM先輩に相談したところ、コープ協議会のメンバーを紹介してくれ、その方が住宅金融公庫の調査役の方を紹介してくれて、その方のお知恵を拝借してコーポラティブ融資(15戸以上が条件だった)でなく一般のファミリー融資の重ね建てということで、融資のめどがついた
このとき、実ははじめて事業の見通しがついたのだった
工事開始
工事が始まっても、コーポラティブハウスの内装設計が決まっておらず、何度も参加者の方々のお宅に通ったり、4家族で集まっていただいたり
それでも、それぞれの方にインテリア設計担当が付き、全体像が固まってきた
この時点で、前に書いた変更見積もりをしてもらった
また、建築確認の申請上は軽微な変更ということで、出し直しはしなかった
横浜市の担当者の方にもいろいろご理解、ご協力をいただき感謝している
耐震偽造事件後の今だったらこんなスケジュールでは不可能だ!
竣工へ
賃貸棟との外観デザイン擦り合わせに、コーディネーターのフィーの一部を供出して材料の差額に当てたりしてなんとか格好がついてきた
コーポなので外観は不揃いだが、満足いただいた結果なのでよしとしたい
竣工パーティーは地主のご家族、賃貸の方々、近隣の方々もおいでいただき盛大にやった
われわれ、コーディネータ、設計者も感無量だった
自主管理へ
うれしい誤算は、完成後の環境の変化だ
コーポラティブハウスの参加者4家族だけでなく、賃貸棟の方々、地域の方々も巻き込んだコミュニティ形成が進められている
コーポラティブハウスの成功は「コンセプトの勝利」と喜んだが、それ以上にうれしい誤算だった
コーポの長老格のHさんや地主の方々のおかげと感謝している
今は地主の方がコーポの畑部分の隣に賃貸の方も使える畑を提供してくれていて、コーポと賃貸の方が参加するクラブを作っている
こんな展開になるとは誰が予想しただろう
一生懸命やったかいがあった
感謝感謝!
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