白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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楊鼎新ー柁嘉熹

2020年12月14日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
名人戦リーグの芝野虎丸王座(21)-許家元八段(22)戦は大熱戦でした。
プロの碁は解説が無いと意味が分からないという方も多いですが、この碁は私も解説が欲しくなります。
と思ったら、なんとYoutubeの日本棋院囲碁チャンネルで鶴山淳志八段が解説しているではありませんか!
驚きの大サービスです。



皆様こんばんは。
本日は甲級リーグから、楊鼎新九段(22)ー柁嘉熹九段(29)戦をご紹介します。

1図(実戦)
楊九段の黒番です。
白1では白2、黒A、白Bと打てば右辺白を生きられますが、あえて中央を押して頑張りました。
しかし、実戦は黒2と眼を奪われ、黒×との攻め合いにも勝てません。
一体白はどうするつもりなのでしょうか?



2図(実戦)
白1の棒ツギが先手です。
そして白5の頭ツケから、白9のカケ!
ボロボロの包囲網のようですが、これでなんと黒が捕まっているようです
恐ろしいものですね。



3図(実戦)
もっとも、攻め合いは1手差で黒が勝っています。
白×を取ることはできました。
しかし・・・。



4図(実戦)
白×に打つ手が全部利くため、白は大変な鉄壁です。
これによって上辺は自動的に白地になり、さらに白1、5の連続打ち込みも強烈になっています。
白7の後は黒Aとつなぐぐらいですが、白Bと渡って地でも石の強弱でも白が圧倒しています。
ここで黒が投了したのはやむを得ないでしょう。
柁九段の鮮やかな捨て石が決まった一局でした。



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