白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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少年少女囲碁大会決勝

2016年08月03日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日は少年少女囲碁大会の決勝戦が行われました。
小学生の部の優勝は三浦太郎さん、中学生の部の優勝は森田拳さんでした。
それでは早速振り返って行きましょう。



小学生の部決勝、徐文燕さん(黒)対三浦太郎さんです。
右下一帯の黒模様が大きいので、どこから入ろうかという場面です。
白△と堅い黒にツケて行ったのは良い感覚でした。





隅の黒の動きに乗じ、白4まで軽快に模様を消す事が出来ました。





右辺の戦いが一段落し、今度は黒が1と仕掛けて行きました。
周囲の黒が強いので、ここは白Aとおとなしく受けておけば安全でした。





白1と上からハネましたが、黒2から実戦的に下辺を抉っては黒がポイントを挙げました。
地を荒らしただけではなく、白を攻める形になっています。





黒はさらに1以下仕掛けましたが、これはちょっと性急でした。
AやBで白の大石を睨んで打ちたかったですね。





結果、左辺の白地を削りましたが弱い石が出来てしまいました。
そして白1以下が決め手です。
上辺の黒へのモタレ攻めがきつく、最終的に黒5子を取り込む事になっては白の勝ちが決まりました。

それにしても最近の小学生は強いですね。
21年前は私も同じ舞台に立っていましたが、2子近く違いそうです。





さて、次は中学生の部決勝、森田拳さん(黒)対王欣鴻さんです。
白1、3と目一杯に押さえ込みに行き、黒も4と反撃して激しくなりました。
やや白苦しそうですが・・・





コウ含みの戦いの結果、先手を取っては白がサバキました。
そこで白△とは意欲的な着想ですね。
左辺の黒の弱石を大きく睨み、白優勢です。





そこで黒1とは頑張った手です。
白も厳しく反撃して、ここでも激しい戦いが始まりました。
周囲には白石が多いので、黒苦しそうに見えました。





しかしここは黒が踏ん張りました。
大きな振り替わりになり、黒1と右辺を構えて勝負はこれからです。
白2と打ち込んで再び戦いが始まりました。





白はこの石のサバキに失敗してしまいました。
黒△と打たれて苦しい状況です。
黒の包囲網を破るべく、必死に反撃しますが・・・





1子を抜かず、黒1が読みの入った手でした。
白2と逃げられましたが・・・





黒1、3を用意していました。
白Aと逃げても黒B、白C、黒Dで取られてしまいます。
結果白△を取り込む事になり、黒の勝ちが決まりました。
大熱戦を制し、森田さんは団体戦に引き続いての優勝となりました。


小中学生の戦いは素晴らしいものでした。
彼らの今後の活躍に期待しましょう!