郊外戸建て住宅地の課題を調べている科研費の調査で東京大田区の田園調布に行った。大正時代に田園都市会社(東急系か)により開発された戦前の有名な住宅地の一つだ。新幹線で新横浜まで行き、横浜線に乗換え、一駅行った菊名で降りて、東急東横線に乗換え、渋谷方面に10数分乗ると田園調布である。駅前左手に古い駅舎があり、そこを抜けると「田園調布三丁目」で、有名なロータリーがある。ここから放射状に大通りが伸び、その中心三つ位の通りは銀杏並木が立派になっている。幹線道路が放射状になっているのは、パリのエトワール広場の凱旋門からの放射道路からの発想と言う。また東急の渋沢秀雄がイギリスも視察して田園都市、田園郊外に感心して、そのコンセプトを取り入れたのだ。一つは並木道、もう一つは生垣だ。並木は大きく育っているが、生垣は結構多いことは多いが、大分、そうでない所が出来、町並み景観が崩れてきているという印象だ。今日訪ねた(社)田園調布会(田園調布三丁目+四丁目、二丁目の一部対象の1100戸の自治会)の理事の皆さんも、良い環境保持に努力しておられるのは良く分る。当日も太田区役所の人と会長さん(女性、ここに住んだ小糸源太郎画伯のお嬢さんと言う、と言っても年配の方)が問題の現場にかけつけたりしておられた。代替わりの敷地細分化も問題のようだ。相続税が払えなくて敷地の一部を売って払うため段々敷地が狭くなるのだ。高齢化が進んで、田園調布居住の二代目が高齢化しているが、三代目にどう引き継ぐか、なかなか大変のようだった。(写真は、田園調布の銀杏並木)