密教の修行と、外界との断絶・・・
現代のように、在家仏教と言う形になった日本仏教界も、 僧侶になる修行はあり、「加行(けぎょう)」と言うらしい。
日蓮宗・禅宗・真言宗・浄土宗・天台宗と、 加行があり修行して僧侶となる。
禅宗では加行と言う言葉を使うのかはわからない。
うちの菩提寺(高野山真言宗)に教えてもらった。
真言宗の加行は、四度加行(しどけぎょう)と言い、 加行に入った百日間は、
携帯も取り上げられ、テレビもラジオも新聞もなく、 加行が満行するまでは、たとえ、親兄弟親族に不幸があっても、一切、外界からの連絡・情報は入って来ない・・・らしい。
3日に1回?、奥之院に生徒たちは参拝し、お勤めする時に?、 街並みの景色が拝めるのだとか。
百日間、完全出家状態となり、精進料理ばかりで、 肉魚は食べられないし、酒も飲めないとか。
高野山の専修学院は百日間で、高野山大学の密教科から加行に入る者は、50日・50日で区切ることもできるらしい。(結局は百日)
専修学院と高野山大学の密教科の生徒は、 加行に入る時期がズレているため、 奥之院で鉢合わせになることは無いと言う話。
が、少しだけ時期がかぶることもあるとかないとか。
全寮制で、寮監が監督としていて、結構厳しいと言っていた。
ただ、上には上があるもので、本で読みかじっただけだが、 曹洞宗や臨済宗など禅宗の修行は、さらに過酷で、
「よくこれで足が腐って落ちないな」と感心するほど、坐禅する。 いや、坐禅以外も、気は緩められない。
テレビで観た日蓮宗の修行は、これまた過酷そのものだった。
高野山真言宗の加行は、うちの菩提寺以外にも、 他の寺院でも聞いたことあるが、
「男ばかりの世界での修行なので、 満行した時の記念撮影をした写真では、私自身も、< 目がとんがって>いました」と笑い話で言っていた。
高野山真言宗の場合、はれて僧侶になって、自坊に戻る者、 高野山内の有縁の宿坊で役僧を数年間勤める者、資格は取っても、 普通のサラリーマンになる者、様々だと聞いた。
役僧を数年間勤めて、人格が認められれば、 地方寺院の空き寺の住職に奉職する者も、 まれにはいるみたいである。お寺に娘さんしかいなくて、 婿養子になる者もいるみたいである。
真言宗御室派 (おむろは) の坊さんから昔聞いた話では、僧侶の資格取って、卒業式?か何かで、管長が話をするらしいのだが・・・「6時間正座で」話を聞くと言っていた。
「6時間正座していたら、足が腐るだろう」と言うと、
「足のシビレをごまかすテクニックがあるんですよ」と言っていたが・・・
私なら、正座6時間なんて・・・そんな拷問みたいなのは・・・無理・・・である。
苛烈な修行では、禅宗や日蓮宗の方が厳しそうだが、密教は、真言宗でも天台宗でも、「覚える作法」が無数にあるので、そういう意味では、やはり厳しい世界だと思われる。
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