真言宗智山派大本山「川崎大師」の、「川崎大師だより」より。
加持 (かじ) ・・・よく、真言宗寺院では、法要の前に、「お加持をしますので、合掌してください」と、「洒水加持」を参拝者にする、その「加持」。
加持・・・「原始仏典以来、多くの経典の使用例から見れば、「仏または菩薩が衆生を守護し、教化する目的で、慈悲心から超自然的な現象を生ぜしめること」であり、神々や人々も時にはその能力を持つことができる・・・云々」
「また加持は、その対象となる人あるいは物に対して、超自然的な能力を用いて、強力な影響を与えて変化を引き起こすこともあります。また、一般の衆生だけではなく、修行が進んで高い境地に達している菩薩も仏の加持を受けなければ活動できず、仏法を聴き、修行をするのも加持によります。」
「①如来の「加持」により、如来の本質が加持の対象となるものに入り込み、その対象に作用を及ぼす。②如来の「加持」が及んだ対象は、それまでとは別の状態あるいは性質を有するようになる。
③如来の「加持」が及ぶ対象は、人間だけでなく、物も対象となりうる。
④密教僧 (真言僧) は、手に結ぶ印や口に唱える真言により、この「加持」を操作することが可能である。
「金剛頂経」は、このアーヴェーシャ (仏の智慧の憑依した状態) により、もたらされる功徳を、「神的な智が生じる~」と様々な功徳の説明が続き、
「護摩法要における、護摩札加持」の説明では、
「導師の加持の所作により、仏が護摩札を「加持」し、それにより、仏の本質が護摩札に「宿る」ことになります」
成田山や、真言宗智山派の寺院の護摩札の説明書きには、
「このお護摩札は、ご本尊・不動明王の御分身・御分霊であります」とあるのは、上記の説明と合致するものです。
真言宗の御護摩は、成田山はじめ、新義真言宗智山派寺院が有名ですが、古義真言宗でも、だいたい同じ所作でお勤めしています。
密教作法は、流派によって多少の違いがあるかも知れませんが、お護摩のクライマックスで、護摩札を、お護摩の聖火で「あぶり」、中には丁寧に「お加持」したりしています。
関西圏しかわかりませんが、真言宗では、「成田山 (大阪別院) 」「瀧谷不動尊」「高野山南院」「生駒山 宝山寺」「根来寺」「七宝瀧寺」の不動護摩は「強いエネルギー」を感じます。関東では、「成田山新勝寺」「高幡不動尊」「川崎大師」「高尾山薬王院」が有名です。
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