忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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映画「ノー・ウェイ・ホーム」前に復習したい、トム・ホランド版「スパイダーマン」のこれまで

2022年01月04日 | 瓦版


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▼映画「ノー・ウェイ・ホーム」前に復習したい、トム・ホランド版「スパイダーマン」のこれまで


01月07日公開■洋画:スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールドに続く
3代目ピーター・パーカーに抜擢されたトム・ホランド版「スパイダーマン」の第3弾
「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」がいよいよ7日より公開。
ミステリオとの闘いによってスパイダーマンの正体がピーターだと世間に知られてしまい
普通の生活ができなくなってしまったピーターは、ドクター・ストレンジの力を借りて
人々から自分の記憶を消してもらおうよう依頼するが、呪文の弊害でマルチバースに繋がってしまい
ドック・オク、グリーン・ゴブリン、エレクトロといったヴィラン達が一斉にこの世界に出現してしまう。
ピーターとストレンジは手を組み事態の収拾を図るが・・・というお話。
先行公開された北米では記録的なヒットを叩き出し、日本でも大ヒットは確実。

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7日午前0時からは、コロナ前には大作公開時に行われていた最速上映会も実施。
本日から(一部劇場で)前売りチケットが販売開始中。
大阪はTOHOシネマズなんば、梅田ブルク7などで上映。
TOHOシネマズ系列はシネマイレージ会員の先行発売がありどこもほぼ完売だが
ブルクはまだ発売前なので狙い目。
イベントが開催される全国53の劇場一覧はこちらでご確認を。



さて、それでは気分を盛り上げるためにトム・ホランド版のこれまでを振り返っておきたい。


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アメコミらしい葛藤や悲哀を背負ったストーリーのトビー・マグワイア版、
学園モノかと思うほど(良い意味で)軽めの味付けでティーンのファン層開拓に貢献した
アンドリュー・ガーフィールド版に続く3人目のピーター・パーカーは、何と15歳の高校生。
本作からMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に属する作品として
「アベンジャーズ」にガッツリと組み込まれているのが特徴で、
本作では「アイアンマン」からロバート・ダウニー・Jrが出演している。
トニー・スタークの運転手役で、今作ではピーターのお目付け役も兼任する
ハッピー・ホーガン(ジョン・ファヴロー)がちゃんと出演しているのも嬉しい。

特殊能力を身につけたきっかけや哀しい別れといった序盤のエピソードを豪快に省き、
憧れの「アベンジャーズ」に加入させてもらうために
勝手に自警団を気取って街の悪者を退治しているという驚きの展開。
ここに「アベンジャーズ」の闘いで荒れ果てた街の残骸処理を請け負っていた
会社の経営者・エイドリアン・トゥームス(バルチャー)が絡んでくる。
バルチャーを演じているのが、かつて「バットマン」として正義の味方を演じ、
オスカーの作品賞を受賞した「バードマン」では
落ちぶれた元ヒーローを演じていたマイケル・キートンというのが面白い。

スケールが桁違いに大きくなったのは事実だが、トビー・マグワイア版が最高と思うファンはいるだろうし
私のようにアンドリュー・ガーフィールド版も捨て難いファンもいるはず。
それでも、仕切り直しとしては上々の出来。


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トム・ホランドがピーター・パーカーを演じる新生「スパイダーマン」シリーズの第2弾。
育ての親であるトニー・スタークを失ったピーターが、
強大な敵の出現を前にして失意の中から再び立ち上がる姿を描く。

MCUの時間軸としては「アベンジャーズ/エンドゲーム」の直後で
原作でも人気のミステリオをMCU初参戦となるジェイク・ギレンホールが演じる。
共演はサミュエル・L・ジャクソン、ジョン・ファヴロー、マリサ・トメイ。
監督は前作「ホームカミング」のジョン・ワッツが続投。

本作をもってMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の第3フェーズが終了するわけだが、
観終えると何故「アベンジャーズ/エンドゲーム」ではなくピーター・パーカーの単独主演作が
フェーズの大トリに設定されたのかが良く分かる。
「アイアンマン」から始まったマーベルの歴史が「エンドゲーム」で大きな転換期を迎え、
新しい時代を託されたのは、トニーの寵愛を受けていたピーターだった。
大きな喪失感を抱いたままフェーズを終わらせるのではなく、バトンを受け取ったピーターが、
トニーの庇護なしにやっていけると見事に証明して見せることが重要なのだ。
いつまでもアベンジャーズの末っ子ではいられないのだと自覚し
ヒーローに課せられた使命と責任の重さに目覚めるピーターの勇姿こそが
第4フェーズへの大きな橋渡し(期待)になっている。
本作を次世代MCUの屋台骨に育てていこうとする製作陣の気合いを感じる。

オープニングからエンディングまで、至るところに「トニー・スタークなき世界」が溢れている。
街角のモニターに、ちょっとした会話の中で、ミステリオの過去にまでも関わってくる
トニーの面影が、居なくなったアイアンマンの存在をより大きくする。
「そうか、彼はもういないのか」と何度も何度も気付かされ、
そこから立ち上がろうとするピーターにいつしか感情移入していた。
お目付役としての任務を全うする一方で、いつの間にかメイおばさんとの仲も進展している
ハッピーの軽妙なキャラクターが寂しさを絶妙に中和していて良いアクセントになっている。

ジェイク・ギレンホールがこれまたハマり役で、硬軟を自在に演じ分ける彼だからこそ、
敵か味方かがなかなか見極められないミステリオという人物がさらに魅力的になっている。
出始めはドクター・ストレンジと区別がつかないじゃないかと思いながら観ていたのだが
そうか、そういうことだったのか。
「エンドゲーム」で終わらずに本当に良かった。ピーターの次の活躍が早く観たい。


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トム・ホランド主演の三代目スパイダーアンとは別に
劇場用アニメーションとして製作されたのが「スパイダーマン:スパイダーバース」。
製作・脚本は私の大好きな「ブリグズビー・ベア」のフィル・ロード&クリストファー・ミラー。
ヒーローだったピーター・パーカーを失い落胆する世界を舞台に
2代目スパイダーマンとなった少年マイルス・モラレスが
違う次元からやってきたスパイダーマン達と協力して巨悪に立ち向かう爽快アクション。

”革新的”というフレーズが乱発されて久しい現代ではあるが
真に革新的という言葉が相応しい作品とは、本作のようなものを指すのだと思う。
アメイジング世代やアベンジャーズに組み込まれたトム・ホランドが気に入らないわけじゃない。
ただ俺達は初代のサム・ライミ版(トビー・マグワイア主演版)が
大好きなんだとのメッセージがビシビシ伝わってくる。
ここにアベンジャーズともチームバトルを展開できそうなバリエーション豊かな
スパイダーマン・ファミリーが加わり、さらにはアメコミ特有の動きやコマ割り、吹き出しまで
製作陣が幼い頃から慣れ親しんだであろうコミックの魅力を
最新技術を駆使して隅々までアニメ化せんとするアメリカンなオタク魂に痺れる。

未熟な少年に「ヒーローとは何か」を問う成長物語を軸に
「ベイマックス」の温かみと「アベンジャーズ」の共闘の楽しさを掛け合わせ、
思いつくアイディアを全てぶち込んだような117分間が楽しくないわけがない。
スタン・リーへの泣けるメッセージまで盛り込んで
見事に着地させる脚本と演出の上手さはケチのつけようがない。

アニメーションでしか表現出来ない映像表現を追及し、
可能性を見出すだけで終わらずに一気に完成形まで持っていった大傑作。
最新作「ノー・ウェイ・ホーム」のストーリーにもマルチバースを導入しており
実写版だけを追っている「スパイダーマン」ファンもチェックしておきたい。



【関連記事】「スパイダーマン」よどこへ行く…ソニーとディズニーの交渉決裂でMCUから離脱か(2019年08月21日)

本日、衝撃のニュースが世界を駆け巡った。
今後のスパイダーマン映画(スパイダー・バースなど関連作を含む)は
全てディズニーとソニーの50:50の共同出資によって製作し、
収益も折半とするディズニー側の主張をソニーが断固として拒否し、
話し合いが暗礁に乗り上げてしまったというのだ。

複雑化していた権利をひとまとめにして、全員参加でファミリーを形成したい
ディズニーの思惑と、虎の子のスパイダーマンをどうしても手放したくないソニー。
「まだ交渉の余地はある」との報道もあれば「交渉決裂によりスパイダーマンがMCUから離脱へ」と
大見出しを打つメディアもあり、噂に対してまだ両社ともコメントをしていないため混沌としている。

マーベルファンのひとりとしては、トム・ホランド版は継続して欲しいものの、
あれほど世話になったアイアンマンを始めとしたアベンジャーズ界隈の話を
一切使わずにシリーズを重ねるのはどうしても違和感がある。
かと言って、不振でもない現在のシリーズをまた仕切り直して
新たに4代目を立てるのも反対。うーむ、どうしたものか。


【関連記事】「スパイダーマン」がMCUに電撃復帰、最高の環境で新作製作も決定(2019年09月28日)

人気キャラクターの続編製作を巡って意見の対立していたソニーとディズニー。
一時はソニー側から「交渉の扉は閉じた」との発言が出るなど
関係修復は絶望的かと思われたが、27日になり急転直下で合意を取り付け
次回作の「スパイダーマン」も無事MCUの枠内で製作されることとなった。

交渉決裂の最大の原因となった、ディズニーの主張する50/50の共同出資は
やはり話がまとまらず、ソニー・ディズニーの両社が少しずつ妥協して、
ディズニーが製作費の25%を出資、25%の利益を受け取る条件で落ち着いた。
また今回の契約には、スパイダーマンを主役に据えたクロスオーバー作品を
2作以上製作するとの条項も盛り込まれているとか。
また、新章のスタートする「アベンジャーズ」にヴェノムがヴィランとして登場することも決定。

関係修復により、マーベル作品に登場するほぼ全キャラクターが
MCUの中で生き続けることが確定し、アメコミ映画好きとしては何よりも嬉しい着地。
一時は「ソニーはソニーでやっていけばいいさ」と思っていたが
戻るとなれば話は別。絶対にその方が楽しいに決まっている。


紆余曲折を経て2022年1月7日に公開日を迎える「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」。
トム・ホランドは本作での勇退の意志を示しつつも製作陣は新たな三部作をトム・ホランド主演で
予定しているとぶち上げたり、まだまだ今後も話題を提供してくれそうだ。
ソニー・ピクチャーズとマーベル(ディズニー)の間を取り持つ鎹(かすがい)として、
そしてMCUの次世代エースとして、いくつもの重責を担うピーター・パーカーのこれからに期待したい。



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