▼【訃報】小坂忠、73歳
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シンガー・ソングライターの小坂忠が全身癌による肝不全で昨日亡くなった。
昭和44年に小坂氏と「エイプリル・フール」を結成した作詞家の松本隆氏を始め、
多くのミュージシャンが偉大なシンガーの死を悼んでいる。
昨年末には松本隆の音楽イベント「風街オデッセイ」でステージに立ったばかりだったので
ステージ上の元気な姿しか知らなかった方は意外に思ったかも知れないが
小坂氏はもう長い間癌と闘っておられたので、日記も読んでいた私は訃報を聞いて
最初に浮かんできた言葉が「お疲れ様でした」だった。
小坂氏には、世間の誰もが知る大ヒット作品というものが存在しない。
そのため過小評価されがちなのだが、氏が日本の音楽シーンに与えた影響は絶大なものがある。
1966年にロックグループ「ザ・フローラル」を結成し68年にデビュー。
翌69年には「はっぴいえんど」の前身とも言える「エイプリル・フール」を
YMO結成前の細野晴臣、松本隆らと結成。
バンド解散後の71年に初のソロアルバム「ありがとう」をリリース。
72年には林立夫、後藤次利、松任谷正隆らと共に「小坂忠とフォージョーハーフ」を結成。
細野晴臣、鈴木茂、松任谷正隆、佐藤博、林立夫で73年に「ティン・パン・アレー」が誕生し
この超豪華メンバーによる演奏と松本隆の作詞+山下達郎・吉田美奈子・大貫妙子・矢野誠・矢野顕子らのサポートで
75年に生まれたのが、伝説の名盤「ほうろう」である。
めまぐるしく編成が変わっては新たなバンドが誕生するこの頃のことを、
松本隆氏は「いつも細野さんが壊しちゃうんだよね」と笑いながら話していた。
(*梅田のジュンク堂で開催された「冬の旅」のリリース記念トークショー&サイン会にて)
名盤誕生に沸いた同じ時期の76年に愛娘が重度の火傷を負い
奇跡的に回復したことをきっかけにクリスチャンに転向、
78年には日本初のゴスペル専門レーベル「ミクタムレコード」を設立し
クリスチャン音楽家のCDリリースやコンサート企画などをこなす。
2017年、急性胆のう炎、胃癌、大腸癌が同時に見つかり10時間にも及ぶ大手術を行う。
50日間の入院生活の後に音楽活動を再開。
その時点の検査で肺への転移が見つかっていたが
「ボクにとっては歌うことが治療であり、免疫力を上げてくれるもの。
体力や免疫力が落ちてしまう抗がん剤治療はしない。」との決断を下し、癌との共生を選択。
(*後に癌が進行し手術と抗癌治療を選択する)
昨年11月開催の「風街オデッセイ」の際には、医師の協力を得て手術の予定を前倒しし
公演1週間前に退院、力強いパフォーマンスを披露した。
あれからわずか5ヶ月で訃報を聞くことになろうとは。
小坂氏は愛妻家、愛娘家、愛孫家であり、SNSは常に家族への愛と感謝に溢れていた。
自身の体調が優れない間にも孫娘が希少癌を発症するなど、この5年は試練の連続だったと思う。
病が襲ってきた時、どの選択が正しいのかは分からない。
私自身、癌化の確率が高い持病を抱えながら生きているので
頭の片隅で気にはしているが、いざ目の前にやってきたらどの選択をするだろう。
鈴木茂とのユニット茂忠で2020年に発表した書き下ろし新曲のタイトルは「まだ夢の途中」。
停滞や後退を考えず、前だけを向いて55年の音楽人生を駆け抜けた小坂氏は私の憧れだ。
ご冥福をお祈りいたします。
▼小坂氏関連の過去ログを振り返る
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小坂忠の「ほうろう」は、私が生涯で最も聴いたアルバムトップ20に入る作品。
ソロに転向した小坂が1975年にリリースしたもので
細野晴臣、鈴木茂、林立夫、松任谷正隆らティン・パン・アレーの
全面バックアップを受けて制作された。
ポップスの黎明期とは思えないほど完成されたアルバムで
メロディもアレンジも未だに新鮮さを失わない、時空を超えた名盤である。
私ぐらい歳をとってくると、すぐに「未だに色褪せない」を多用してしまうのだが
心の底では、それらの多くが身贔屓であることに気付いている。
聴く度に自分が多感だった頃の記憶が蘇り、そのスイッチとして作品を愛しているのだと。
しかし、本作やシュガーベイブの「SONGS」は間違いなく古びない。
時代を反映させ過ぎない、メッセージ性を強くし過ぎないことが作品の劣化を防ぐのだと
山下達郎も語っていたが、ここには(歌詞に出て来るアイテムを除けば)普遍的な恋の歌があり、
現代にも通用する粋がある。
40周年エディションは、1975年版と全く同じ曲目で再録音された
2010年版を2枚セットにしてBlu-Spec CD化したもの。
それで3,500円なのだから、ポップス好きなら避けては通ってはいけない。
未だに一度も聴いたことがない方は、是非この機会に聴いてみて欲しい。
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記念すべき1枚目には小坂忠の「ほうろう」を選んだのだが
1kmほど流して上がるつもりが、ちょうどそのぐらいで
「ゆうがたラブ」が流れてきてしまい、勢いづいてもう1km泳いでしまった。
ちなみに小坂忠を知らない若きR&B好きは是非聴いておきなさい、いいね。
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イモ欽トリオやC-C-Bの再結成も懐かしいが
小坂忠や寺尾聦や南佳孝が同じ舞台で顔を揃えるだけでも夢のよう。
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荒井由実の楽曲の多くがスタンダードとして
若いリスナーに親しまれていることからも分かる通り、
アルファミュージックの「っぽさ」は、流行り廃りに流されず
時代の移り変わりを生き残る芯の強さを持っている。
ティン・パン・アレーが関わった小坂忠の「ほうろう」、
いしだあゆみの「アワー・コネクション」、雪村いずみの「スーパー・ジェネレイション」は
これまで何千回聴いたか分からないほどだが、3作とも未だにiPhone6に入れて時々聴いている。
想い出補正が入っていることを差し引いても、
現在の日本でこれほど高品質なアルバムはそうそう出て来ない。
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吉田美奈子、矢野顕子、尾崎亜美、金子マリ、佐野元春、曽我部恵一、
中納良恵(EGO-WRAPPIN')、松たか子、鈴木茂、小原礼、林立夫らを迎えた
超豪華デビュー50周年記念ライブの開催を目前に控える小坂忠のカバーアルバム。
プロデュースは小原礼、参加ミュージシャンは
鈴木茂、小原礼、佐橋佳幸、Dr.kyOn、屋敷豪太、Asiah、小林香織。
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アメリカのクリスチャン・バンド“MercyMe”が発表し、
大ヒットした楽曲「アイ・キャン・オンリー・イマジン」の誕生秘話を描いた実話ドラマ。
日本版のイメージソングには海外在住のDedachiKentaを抜擢し、
細野晴臣と並ぶジャパニーズポップスの曽祖父的存在であり
ゴルペルシンガー、牧師としての顔も持つ小坂忠をフィーチャリングゲストに招いて
「アイ・キャン・オンリー・イマジン feat.小坂忠」をリリースしている。
小坂氏が相変わらずカッコ良いので曲だけでも是非とも聴いていただきたい。
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二日目は初日にも増してバラエティ豊かな顔ぶれ。
50年来の付き合いのある小坂忠、名付け親でもあるシンガーのクミコ、
「星間飛行」の中島愛、アルバムをプロデュースしてもらった縁のある藤井隆、
NHK「COVERS」で多くの松本隆の作詞曲を歌ってきた星屑スキャット、
さらに細野晴臣もソロ名義でのクレジットあり。
*以下は2018年11月にアップした当BLOGの過去記事
「SONGS & FRIENDS 小坂忠「ほうろう」東京国際フォーラム 2018.11.26.」を一部抜粋し再掲したものです。
「人生でたくさん聴いたアルバムのベスト10を教えて下さい」と聴かれたら
すぐに10作は思いつかないにしても絶対に入れるアルバムが何枚かある。
その中の1枚が、小坂忠の「ほうろう」。
思春期に出会い、社会人になってからも聴き続けて
気がつけば1975年のオリジナル版発売から43年が経過した今も私のiPhoneに入っている。
ジャパニーズR&Bの原点にして日本が誇る名盤である。
2018年11月26日、東京国際フォーラムで開催された本公演のプロデュースは武部聡志。
時代を超えて愛される名盤を再現するコンサート「SONGS & FRIENDS」の
記念すべき2回目で、初回は荒井由実の「ひこうき雲」だった。
総合演出は松任谷正隆。
ゲスト出演者は、荒井由実(松任谷由実)、Asiah(小坂の娘)、尾崎亜美、、矢野顕子、
高橋幸宏、Char、田島貴男(ORIGINAL LOVE)、さかいゆう、BEGIN、槇原敬之。
演奏&コーラスとしての参加は細野晴臣、松任谷正隆、後藤次利、駒沢裕城、
鈴木茂、林立夫、小原礼、小倉博和、根岸孝旨、屋敷豪太、武部聡志、吉田美奈子。
さかいゆう、田島貴男、槇原敬之ら前半に出演したアーティスト達が口を揃えて
「すごいところに来てしまった」「森羅万象の神が勢揃いしているような空間」と
言っていたが、それが決して大袈裟でないことはメンバーを見れば明らか。
荒井由実と矢野顕子と吉田美奈子が三人並んでステージに立っている光景など、
もう私が生きている間には見られないかも知れない。
ステージは、まずは「ほうろう」に影響を受けたアーティスト達が
それぞれの持ち味を活かしたカバーを披露し、
後半は小坂本人が縁のアーティストと共に歌う二部構成。
休憩なしで約3時間ぶっ通しだったにも関わらず
瞬きするのも惜しくなるほど名シーンが目白押しだった。
松本隆の作詞家活動45周年を記念して開催された「風街レジェンド」は
出演者の豪華さ、歌唱曲のヒット指数の高さがメインであり
パフォーマンス面に関しては、いわゆる想い出補正をかけなければ
厳しいと感じる箇所も少なくなかった。
しかし今回の「ほうろう」ライブは、最初から最後まで圧倒的なクオリティ。
若手アーティストにハッパをかけるように、レジェンドアーティストの熟練の技が
グイグイ引っ張っていく力強さにジジィファンは何度も目頭が熱くなった。
いつになく優しく繊細だった矢野顕子のピアノ、
サポート役に徹しながらその声の存在感は圧倒的だった吉田美奈子、
「風街レジェンド」でも頭ひとつ抜けていたこの二人が
やはり昨日もずば抜けていたが、同世代の矢野・吉田と比較して
自身に秀でるものが無かったと吐露したユーミンの冷静な自己分析や
意外なほど相性の良かったBEGINとのアコースティック編成など新たな発見も多かった。
小坂がMCで「僕らには目指すものも手本になるものもなかった」というようなことを言っていた。
音楽と言えば歌謡曲、演歌、フォークしかなかった70年代に
ロックやポップスの種を撒いたのは間違いなく細野や小坂だった。
彼らが日本の音楽史にポップスの礎を築いてくれたからこそ
続くユーミンや山下達郎が黄金期を作り出し、Jポップが花開いたのだ。
地図を持たないまま初めて海に漕ぎ出した先人と同じ勇気を
小坂や細野が持って進んでくれたからこそ、今の日本の音楽シーンが存在する。
昨年大病を患い、一時は復帰は絶望かとも言われた小坂が
こうして国際フォーラムの大舞台で高らかに歌い上げる姿を見て
どうしようもなく泣けたし、終演後もしばらく身体の震えが止まらなかった。
この様子は来春、WOWOWで放送されるらしいが
出来るならばBlu-rayなど形に残るメディアでもリリースして欲しい。
最後の最後に。
小坂の歌唱があまりにも素晴らしいからこそ、
生きてきた証を刻み込もうとしているように見えて不安が拭えなかった。
身を削るようにして歌う姿を見ていると、生前葬のつもりでこのプロジェクトを
立ち上げたのではと勘繰ってしまうのだ。
どうか、この思いが杞憂で終わってくれますように。
『SONGS & FRIENDS 小坂忠「ほうろう」』セットリスト
M01. You Are So Beautiful(ゴスペルクワイア)
M02. Unforgettable(Asiah+武部聡志)
M03. もっともっと(小坂忠とフォージョーハーフ)
M04. どろんこまつり(小坂忠とフォージョーハーフ)
M05. からす(小坂忠とフォージョーハーフ+高橋幸宏)
M06. 氷雨月のスケッチ(さかいゆう)
M07. 流星都市(田島貴男+さかいゆう)
M08. ふうらい坊(槇原敬之)
M09. 機関車(槇原敬之)
M10. Hot or cold(Char)
M11. People Get Ready(田島貴男+さかいゆう+槇原敬之+Char)
M12. みちくさ(荒井由実+小坂忠)
M13. ボンボヤージ波止場(BEGIN+西海孝+小坂忠)
M14. ありがとう(BEGIN+西海孝+高橋幸宏+小坂忠)
M15. つるべ糸(矢野顕子+小坂忠)
M16. I Believe In You(矢野顕子+小坂忠)
M17. 流星都市(小坂忠)
M18. 氷雨月のスケッチ(小坂忠)
M19. しらけちまうぜ(吉田美奈子+小坂忠)
M20. 機関車(尾崎亜美+吉田美奈子+小坂忠)
M21. ふうらい坊(吉田美奈子+細野晴臣+小坂忠)
M22. ほうろう(吉田美奈子+細野晴臣+小坂忠)
M23. Jesus Loves Me~Amazing Grace(小坂忠+ゴスペルクワイア)
M23. ゆうがたラブ(全員)
M24. You Are So Beautiful(小坂忠+武部聡志)
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大型連休前はどのメーカーも多めに本体を出荷するのが常。
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30日15時の段階ではビックカメラ.comにて
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