「前置詞の基本的な意味は理解しているが、本来の意味がイマイチ分からない」と思うのは私だけでしょうか?
私たちは、句動詞などをまるまる暗記しているので、前置詞そのものの本来の意味をあまり深く考えたことがありません。
しかし、暗記しなくても前置詞の本来の意味を理解することで、例えば、call という動詞に at、for、on、to を付けた句動詞の意味を推察できたらいいですね。
そこでデイビッド・セイン先生の「 ネイティブはこう使う!マンガでわかる前置詞」から代表的な前置詞の本来の意味の解説や使い方をいくつか取り上げてこの本の紹介とします。
「マンガでわかる前置詞」本
ネイティブはこう使う!マンガでわかる前置詞
- デイビッド・セイン著
- 223ページ
- 一通り読むのに1.5時間+-
- 中古本なら500円程
目次
- Part 1 「時間」を表す前置詞
- Part 2 「場所」を表す前置詞
- Part 3 「動作」を表す前置詞(基本編)
- Part 4 「動作」を表す前置詞(応用編)
特徴
30以上の前置詞のコアイメージを図解で掲載していますが、前置詞の使い方を理解する上で非常に参考になる。更に、句動詞を100以上解説。
ネイティブはこう使う!マンガでわかる前置詞 [ ディビッド・セイン ]
「時間」を表す前置詞
1.in~(~の中に、~の中で)と on~(~の上に、~の上で)
in は「周りを取り囲まれた場所・空間の中」を表し「入れ物の中」というコアイメージ。抽象的な空間も含む。
on は「何かの上に乗っている・面や線に接触している」イメージ。「上に乗っていることから「依存・支え」なども表す。
例1
arrive in time 時間に間に合う
「約束の時間」という入れ物、その時間内に到着する。
arrive on time 定刻に着く/時間通りに着く
例2
meet in August 8月に会う
「入れ物の中」という幅広いイメージ。
meet on August 20 8月20日に会う
(onは時の流れの中の「特定の日」)
まとめ
- at 時刻
- on 日付、曜日
- in 週、月、年、世紀、季節
クイズ
( ) the afternoon 午後に
( ) Saturday morning 土曜の朝に
( ) New Year’s Eve 大みそかに
解答
順に in, on, on
2.in と within(うちに、~以内に)
in は「入れ物の中に」が基本的な概念だが、外壁(境界線)をも含む。
within はその外壁が非常に明確でその範囲内に収まることを意味する。場所や時間の範囲と共に抽象的なものの内側も表す。
例
Let’s leave in an hour.
じゃあ一時間経ったら出発しましょう。
Let’s leave within an hour.
一時間以内に出よう!
3.from~(~から)と since~(~から、~以来)
from は動作や状態が始まる起点から離れて出て行くイメージ。終わる時点は明確でない。抽象的な起点として「出身・材料・原因」なども表す。
since は動作や状態が過去のある時点」から現在まで継続している時間の幅を表す。主に現在完了形や過去完了形の「継続」で使われる。「~以来(ずっと)」と考えれば分かりやすい。
例
I started this from 2:00.
2時からやっているんだ。
I’ve been doing this since 2:00 yesterday.
昨日の2時からだよ。
クイズ
It has been raining ( ) yesterday.
My sister will study art science ( ) next year.
解答
順にsince, from
4.during~ と for~
during は「特定の時間内」を表し、「~の間中、~の間に」。
for はもともと「ある目的に向かって進んで行く方向」を表し、時間では「流れていく時間の長さ」を表す。数字を伴うことが多い。
例
during the meeting. 会議の間
for four hours 4時間(の間)
クイズ
( ) 20 minutes 20分間
( ) office hours 営業時間の間
( ) the 8-hour-session 8時間の会議の間
解答
順に for, during, during
(8-hour-sessionという特定された名詞なのでduringが適切)
「場所」を表す前置詞
1.at~ と in~
at the station も in the station も意味は「駅に/駅で」だが、atの場合、駅の入口、駅構内、駅の駐車場でもいい。
一方、in の場合、「入れ物の中」として捉える時間と同じで「駅構内」。
例
Let’s meet in the station tomorrow.
明日は駅(構内)で待ち合わせるぞ。
2.on~ と over~
on はある物が「~の上に」接触して乗っているイメージ。
over は「~の上に」であっても接触していない場合。
例
There’s a yacht on the lake.
ヨットが湖に浮かんでいる。
There is a paraglider flying over the lake.
パラグライダーが湖の上を飛んでいる。
3.under~ と below~
under は「~の真下に」がコアイメージ。
below は「何かの基準やほかの物より低い位置にある」イメージ。
例
The cat is sleeping under the table.
その猫はテーブルの下で眠っている。
The sun goes down below the horizon.
太陽が地平線の下に沈む。
4.to~ と for~
to は「ある対象/目的に向けて進み、最終的には辿り着く」イメージなので到着地点を含む。
for は「ある対象/目的に向って」という「方向」を表すに過ぎない。
例
She headed for the garden.
庭の方へ行ったよ。
She headed to the living room.
リビングへ行ったよ。
「動作」を表す前置詞 speak 編
1.speak against ~
~に反対意見を述べる/批判する
against「~に反抗して/逆らって」
例
Many people are speaking against the new law.
多くの人が新法について批判している。
2.speak for ~
~を擁護する/~の代理で話す
for「~のために」「~に代わって/~の代理で」
例
He always speaks for John.
彼はいつもジョンをかばう。
3.speak to ~
~に話しかける/講演する/演説する
to「ある対象/目的に向き合いながらたどりつく」
例
I spoke to him for the first time.
私は初めて彼に向き合って話した。
4.speak from ~
~に基づいて話をする
from「起点/出発点」「起源/出どころ」
例
He spoke from his experience.
彼は経験から話した。
Quiz
適切な前置詞は?
彼はデイビッドを擁護した。
He spoke ( ) David.
彼は記憶に基づいて話した。
He spoke ( ) his memory.
彼はその提案を批判した。
He spoke ( ) the proposal.
彼はデイビッドに話しかけた。
He spoke ( ) David.
解答
順に for, from, against, to
おわりに
セイン先生は ”「 ネイティブはこう使う!マンガでわかる前置詞」を読めばフレーズの中で前置詞がどのように使われかを無理なく理解できます” と言っています。
別な言い方をすれば、 ”全ての熟語を覚えようとしても難しい、そこで役立つのが前置詞の本来の意味。これを理解すれば、知らない熟語でもその意味が推察できる" という事と思います。
因みに、
call at は「場所などの地点」を表す at を伴って「訪問する」、人の場合は「ピッタリ乗っている」on を伴って「訪問する」。
前置詞を深く理解すれば言葉の意味が推察できる、この点が本書の最大のメリットではないでしょうか? いかがでしたか? 少しでもお役に立てたなら幸いです。
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