聞き違い
~お天気
血で血を洗う 地デジを笑う
おっとどっこい 夫どこへ
歯槽膿漏 思想朦朧
お天気お姉さん おできを治さん
(終)
聞き違い
~お天気
血で血を洗う 地デジを笑う
おっとどっこい 夫どこへ
歯槽膿漏 思想朦朧
お天気お姉さん おできを治さん
(終)
『夏目漱石を読むという虚栄』目次
はじめに~文豪伝説の終わりのために
第一章 イタ過ぎる「傷ましい先生」
第一節 文豪伝説
1 正直な感想から始めよう
〈意味〉の意味/SとKと静とPを紹介しよう/Sはスネ夫のS
2 読むと貧弱になる『こころ』
超短編の羅列/アララな人/『こころ』批判も意味不明
3 わかったつもり
浅い理由と深い理由/「明治の精神」は時代精神ではない/痩せ我慢
4 恣意的な読み込み
文豪伝説の主題/ありすぎる主題/間違いだらけの翻訳のよう
5 「恐ろしい影」
もう一人の自分/さもしき玩具/「自分の頭がどうかしたのではなかろうか」
第二節 語り手は嘘をつく
1 夏目語
「意味は、普通のとは少し違います」/「みんなは云えないのよ」/自分語と個人語
2 理解について
「私を理解してくれる貴方」/「解釈」と「理解」/『やまなし』
3 作者と作品と語り手
読者に擬態/鶏と卵/作品と異本
4 怪しい語り手たち
「奥さんは今でもそれを知らずに」/「誤魔化(ごまか)されて」/「解釈は頭のある貴方に任せる」
5 自己完結的
二重思考/丸投げ/「殉死」の「意義」
第三節 あらすじすらすらすらと読めない
1 「上 先生と私」のあらすじ
解けない謎はない/「恋に上(のぼ)る階段」/仮面夫婦
2 「中 両親と私」のあらすじ
「本当の父」/「立場」/看取りと読み取り
3 「下 先生と遺書」のあらすじ
自殺の動機は不明/詐取は被害妄想/三角関係はなかった
4 異本のあらすじ
「これが先生であった」/常識としての美談/「自叙伝」の真相
5 不図系
「思い出した序(ついで)に」/複数の〈自分の物語〉/「不図(ふと)した機会(はずみ)」
第四節 ありもしない「意味」を捧げて
1 支離滅裂
統合失調症あるいは精神分裂病/二種の隠喩/「矛盾な人間」
2 作家ファーストで何四天王
何四天王を紹介しよう/太宰治/芥川龍之介/宮沢賢治
3 慢語三兄弟
小林秀雄/江藤淳/吉本隆明
4 忖度ごっこ
昭和のいる/野口さん/井戸茶碗
5 夏目宗徒
読めない「人間の心」/読めない『Kの手記』/読めない聖典
第五節 さもしい「淋(さび)しい人間」
1 尻切れ蜻蛉
自殺の美化/小説のような夢/『壷坂霊験記』
2 Sの「死因」
主人公はK/「寂寞(せきばく)」/「失恋」と「死因」
3 隠者ハッタリ君
窮状の露呈/中途半端な人/逆さまの隠者
4 「覚悟」とか「主義」とか「人生観」とか
「私の眼に映ずる先生」/「強い事実」/「人世(じんせい)観(かん)とか何とか」
5 淋しい夏目語
「貴方も淋しい人間じゃないですか」/「淋しい笑い方」/パニック障害
第二章 不純な「矛盾な人間」
第一節 冒頭から意味不明
1 「私(わたくし)はその人を常に先生と呼んでいた」
「私(わたくし)」は意味不明/「その人」と「常に」/「呼んで」は二股
2 「先生」は意味不明
「先生先生と呼び掛けるので」/「若々しい書生」/「先生先生というのは一体誰の事だい」
3 夏目宗
若者宿/「見付出したのである」/最上級の尊称
4 「此所(ここ)」はどこ?
「ただ先生と書くだけで」/「受け入れる事」/「自分で自分の心臓を破って」
5 「本名は打ち明けない」
「先生」はあだ名/「名もない人」/P的人間
第二節 不自然な「自然」
1 第一段落を読む
「世間を憚(はば)かる遠慮」/「筆を執っても同じ事」/「呼び起すごとに」
2 不確かな「記憶」
「記憶のうちから抽(ひ)き抜いて」/夢のような「記憶」/「ところがその晩に」
3 「良心」
「私の自然を損なったのか」/「良心の命令」/「自然」と混乱
4 「私の自然」
「平生」と「自然」/意志系/自然派と写生文
5 「記憶して下さい」
複数の「その人の記憶」/「こんな風に生きて来たのです」/見捨てられそう
第三節 「恋は罪悪ですよ」
1 姦通罪
『厭世詩家と女性』/不義はご法度/『みだれ髪』
2 「先生の罪悪という意味は朦朧として」
「冷評(ひやかし)」/「恋の満足」/「黒い長い髪で縛られた時の心持」
3 「恋」
「たとい慾を離れた恋そのものでも」/『ロミオとジュリエット』/『男組』
4 被愛願望
女性崇拝/『罪と罰』/被愛妄想的気分
5 「本当の愛」
「罪悪」かつ「神聖」/『近代の戀愛觀』/「信仰に近い愛」
第四節 「精神的に向上心がないものは馬鹿だ」
1 「精神的に向上心がないものは馬鹿だ」
「向上心が」「精神的に」「ない」/立身出世/「精神的に」しか「向上心のないもの」
2 「馬鹿」の含意
「さも軽薄もののように」/「恋の行く手」/「単なる利己心の発現」
3 「馬鹿」と「軽薄」
「人間のどうする事も出来ない持って生れた軽薄を」/死刑宣告/文豪は「馬鹿」だった
4 「ぐるぐる」
不合理な二者択一/ドラマティック・アイロニー/「子供扱い」
5 継子いじめ
『弱法師』/母性喪失症候群/『摂州合邦辻』
第五節 明示できない精神
1 謎めいた『こころ』
「自由と独立と己れ」と「明治の精神」/「家庭の事情」と「オタンチン、パレオロガス」/ 『ペ』
2 明治はまだ終わっていない
「天皇に始まり天皇に終わったような気」/死ねば? /ボッチの夢
3 和魂洋才
言文二途/分裂病的/造語
4 「継続中」の「精神」
「どうかこうか生きている」/「外発的」/「不安」
5 「主人(あるじ)」
「父」と「叔父」とK/倭文子と静子と静/ナオミズム
第三章 窮屈な「貧弱な思想家」
第一節 死に後れ
1 『だくだく』
『粗忽長屋』/『千早振』/神経病
2 自己嫌悪
『金明竹』/「アカチバラチー」/『昭和維新試論』
3 「直感」とか「直覚」とか
「近づき難(がた)い不思議」/「馬鹿気ている」/論より証拠
4 窮屈な思想家
「貧窮問答歌」/空っぽの「思想問題」/「世間に向って働らき掛ける資格のない男」
5 いんちきな「思想家」
『貧困の哲学』と『哲学の貧困』/『国家制度とアナーキー』/自分の影
第二節 「近づく程の価値のないもの」
1 「一種の失望」
「何処かで見た事のある顔の様」/「相手も私と同じ様な感じを持って」/認知的不協和
2 正体不明の「先生」
Dの代役/「先生の顔が浮いて出た」/「一人の西洋人を伴(つ)れて」
3 『運命論者』
額縁であるべきP文書/「運命の恐ろしさ」/みゆき現象
4 「その妻を一所に連れて行く勇気」
「代表者」/『みれん』/教訓の色眼鏡
5 隠蔽体質
パシリ・メロス/「教育相当の良心」/「トチメンボー」
第三節 明示しない精神
1 逆説的勧善懲悪主義
『文芸と道徳』/『坊っちゃん』の誤読/ゲゼルシャフトとゲマインシャフト
2 スタイル
「奇々怪々の妖魔文章」/「よいどれ語」/スキゾフレニア
3 受動‐攻撃性格
「いや考えたんじゃない」/言外の意味/素読の弊害
4 「覚悟」宣言の前後
『転失気』/「現代一般の誰彼(だれかれ)」/『茶の湯』
5 「覚悟」宣言
暗流の「その人」/『猫の皿』/「金魚売らしい声」
第四節 「自由と独立と己れ」の交錯する「現代」
1 「自由」について
自由・平等・博愛/人間は自由か/「自他の区別を忘れて」
2 「独立」について
「インデペンデント」/傲慢/「オリヂナル」
3 「己れ」について
『プライドと偏見』/利己主義と利他主義/許容使役
4 「自分を呪(のろ)うより外に仕方がないのです」
現代病/『イロニーの精神』/「二人の間にどんな用事が起ったのか」
5 『山月記』
「我が臆病な自尊心と、尊大な虚栄心と」/人虎伝ブーム/カニバリズム
第五節 日本近代知識人のエゴイズム
1 いけない「イゴイスト」
つるしあげ/エリート/エゴチスト
2 日本近代個人主義思想の限界その他
個人主義と利己主義/エゴイズムと私情/空き巣狙いの個人主義
3 個々人の主義
「撲殺し合う」/民本主義論争/ポピュリズム
4 「現代」は意味不明
現代あるいは近代/近代精神/「母のない男」
5 「義務」と「権利」
「個人主義の淋しさ」/「追窮する勇気」/『権利のための闘争』
第二部 恐ろしく恐ろしげな「意味」
第四章 『吾輩は猫である』から『三四郎』の前まで
第一節 笑えない『吾輩は猫である』
1 「吾輩は猫である」は意味不明
五つの意味/「吾輩」は意味不明/モザイク
2 「名前はまだ無い」
猫かわいがり/「文学者」は僭称/「どこで生まれたか」
3 「書生」はダミー
泣き真似/「ニャーニャー」/「家族的生活」と父権
4 「吾輩は死ぬ」
「有名」/「理性」がない/口封じ
5 「太平」を求めて
喫茶去/「大和魂」/「ヴァイオリン」
第二節 本当は怖い『坊っちゃん』
1 「親譲りの無鉄砲」は意味不明
「弱虫」の武勇伝/「親譲り」の「親」は誰か/「ろくなものにならない」
2 養子妄想
「駄目(だめ)だ駄目だ」/「おれを製造して」/「御婆(おばあ)さん」と「御母(おっか)さん」
3 複数の物語を跳び回る
「あんまりないが」から「今考へても」/妄想的な語り手/映像化に不向き
4 俳文のようなもの
狂気と自虐/鏡像としてのD/聞き手不在
5 「うらなりとはなんのことか」
「しろうるり」/「うらなり」は自分語/自分語の共有演
第三節 臭い『草枕』
1 ばらける知情意
「智(ち)に働けば角(かど)が立つ」/「情(じょう)に棹(さお)させば流される」/「意地を通(とお)せ ば窮屈(きゅうくつ)だ」
2 ウケ狙いの名文もどき
「屁をいくつひった」/「探偵(たんてい)」はいない/「屁」のような「罪」
3 「非人情」は非自然か
漂流する思考/「神経が過敏なのかも」/「芝居」と「技巧」
4 「着想」のみ
「どこへ越しても住みにくい」/「詩人という天職」/「胸中の画面」
5 夢のような伏線
俳句は意味不明/「出(しゅっ)世間的(せけんてき)」/直訳的語法
第四節 『二百十日』など
1 会話の基本
『ボッコちゃん』/「私を愛してくれるものと」/イヤミの同類
2 脳内会議
デーモンたち/「迷信の塊」/『ホームレス中学生』
3 こじらせタイプ
『ダイナマイト節』/「深い原因」/「単純でいい女」
4 寛容と横暴
「思想とか意見とかいうもの」/「意見」について/「同じ孤独の境界」
5 『虞美人草』
「病気」の甲野/「恐ろしい悲劇」は妄想/「真面目」は意味不明
第五節 ボッチは恥
1 「還元的一致」
「意識の連続」は意味不明/仲良しごっこ/「一を聞いて十を感ずる人」
2 「失恋」は恥の「象徴」
英文学者か/象徴と暗示/「赤い本」
3 真善美荘
独特の手法か/「荘厳に対する理想」/生半可
4 何様?
コノテーション/愛の定義/『大衆の反逆』
5 恐れ系
「断られるのが恐ろしいから」/恐れなど/「何らの理由なくても感ぜられる恐怖など」
第五章 一も二もない『三四郎』
第一節 「母」と「あの女」
1 「新しい女」
あこがれの近代的自我/塩原事件/陰険な専横
2 「現実世界だとすると」
「大変な動き方」/「三四郎の自信」/「自分の世界」
3 物語のない「世界」
「異性の味方」/「母」と「花」/エクソシスト広田
4 「囚(とら)われちゃ駄目だ」
「ベーコンの二十三頁(ページ)」/「別の世界の事」/「亡びるね」
5 「偉大なる暗闇」
「のっぺらぼう」/教養主義/セクトごっこ
第二節 三四郎の「世界」
1 「三つの世界」
「母」の墓/「立退(たちの)き場(ば)のようなもの」/冬彦さん
2 「第二の世界」
「現世を知らないから」/広田式「翻訳」/「婦人席」
3 「第一の世界」
「囚われちゃいけませんよ」/「主人公であるべき資格」/白抜きの「主人公」
4 綯い交ぜ
「世界を掻き混ぜて」/『ゴドーを待ちながら』/「彼女の夫たるべき唯一の資格」
5 「ピチーズ アキン ツー ラッブ」
『オルノーコ』/「失われたる人の子」/「露悪家」
第三節 BLっぽいのが好き
1 男色文化
「友愛の敵」/『人を恋ふる歌』/男らしさの証明
2 男組
東西のゲイ/男性恐怖/『ヰタ・セクスアリ』
3 硬派と稚児
ゲイ・バー/『稚児之草子』/『幸せのポートレート』
4 潜在意識の共有
副次的自我/「あッ悟った」/『エンジェル・ウォーズ』
5 隠れ軟派
「羽二重(はぶたえ)の胴着(どうぎ)」/「何でも話し合える中」/「個性の一致」は観察不能
第四節 「ストレイ シープ」
1 「迷える(ストレイ)子(シープ)――解って?」
和製英語や学生言葉/「一種の屈辱」/「解らないようでもある」
2 どっちもどっち
「我が罪は我が前にあり」/「迷(ストレイ)羊(シープ)」/『東京ラブストーリー』
3 「迷える(ストレイ)羊(シープ)」と「迷(ストレイ)羊(シープ)」
「森の女」/蒟蒻問答/野狐禅
4 小生意気な女
天探女と天邪女/女菩薩と女夜叉/「ポアンカレの説によると」
5 原典『眼医者の女』
井上メイサ/被愛願望と自惚れ/メイサと再会
第五節 「偉大なる心の自由」
1 「表面にあらわれ易い事実」
「昔の事」/「政治の自由」/リバタリアン
2 「麦酒と珈琲」
「自由」の価値/「囚われたる心」/第四の世界
3 「自由行動」
「無分別に」/気ままとわがまま/「たいへんなまちがい」
4 個人の主義
「自我とか自覚とか」/入我我入/空想的個人主義
5 「現実よりたしかな夢」
積極的自由と消極的自由/『不如帰』/「他(ひと)本位」対「自己本位」
第六章 『それから』から『道草』まで
第一節 『それから』の「減らず口」
1 『君たちはどう生きるか』
『私たちの望むものは』/日馬富士と貴ノ岩/八紘一宇
2 アンパンチ!
詭弁/バベルの塔/『向上心』と『人はなんで生きるか』
3 「国家社会のために」
『正義派』/「頭の中の世界と、頭の外の世界」/社会のような家族
4 スローガン
ヒステリック/おんぶに抱っこ/『ドイツの悲劇』あるいは『茶の湯』/威張って使う代用品
5 恋愛と友情
「議論はいやよ」/「愛の炎を見出(みいだ)さない事はなかった」/『泣いた赤おに』
第二節 門外漢の『門』
1 必要な罪悪感
空っぽの物語/「厭世(えんせい)的の影」/『真景累ケ淵』
2 落花狼藉
コキュあるいは神/「尋常の言葉」/困難な—恋愛小説
3 相互監視
不倫は文化/『テレーズ・ラカン』/「天罰」
4 『門』と『道草』
破れ鍋に綴じ蓋/『道草』の原型/『現代人は愛しうるか』
5 「父母(ふぼ)未生(みしょう)以前(いぜん)本来(ほんらい)の面目(めんもく)」
「少しばかり学問をしたもの」/『兵法家伝書』/「チーン」
第三節 僻み過ぎたまでの『彼岸過迄』
1 「意地の強い男で、また意地の弱い男」
自意識/自意識過剰/「母が僕を生んでくれた事」
2 長すぎる春
須永市蔵の物語/「必死の緊張の下に」/「自分らしいもの」
3 〈嫉妬〉の二つの意味
「私よりは優勢に」/意味不明の「嫉妬(しっと)」/「血属」
4 「技巧なら戦争だ」
「僻み根性」/コケットリー/惚れたら負け
5 「黒い長い髪で縛られた時の心持」
正体不明の「叔父」/髪のパワー/「奥さん」と「母」
第四節 どこへも行けない『行人』
1 呪術的あるいは超心理学的
嫉妬妄想/「夫に責任の大半を譲(ゆず)るつもりか」/『趣味の遺伝』
2 「看護婦」たち
「興味」/「わがままと嫉妬(しっと)」/略奪婚
3 「露骨に云う事」
「義侠(ぎきょう)心(しん)」/「色情狂」/「物を偸(ぬす)まない巾着(きんちゃく)切(きり)」
4 パオロとラーンスロット
「自然の法則」/フランチェスカは語る/エレーナとグネヴィア
5 被愛感情
『狂気の愛』/妄想ではない被愛感情/『エディプスの恋人』/勘違い野郎
第五節 近道の『道草』
1 毒親
「何だかちっともわかりゃしないわね」/「鷹揚」と「寛大」/「心得のある人」
2 「行きづまり」
蘇る虐待の記憶/「自分の生命を両断しよう」/「家というものの経験と理解」
3 「独(ひと)り怖(こわ)がった」
「緋鯉(ひごい)」/「焼け出された裸(はだか)馬(うま)」/「すかしておいて」
4 「他人の生活に似た自分の昔」
テニス・ボール/「愛想(あいそ)を尽かされて」/「自分の事とは思えない」
5 男の「理窟」と女の「発作」
「忌(い)み嫌う念」/「同じ道」/「緩和剤」
第三部 「明治の精神」あるいは「影像(イメジ)」の「精進」
第四部 検閲より校閲
(以上)