みなさま、こんにちは。
先日、副町長さんと地元の町会議員さんが、クリニックにお見えになりました。
それは、以前、院長がお墓参りに行った帰り、線路踏切の手前で地面に座り込んでいる高齢女性を見かけた時のこと。
人気がない田舎の踏切そばに、一人で座り込んでいるなんて尋常ではない、とすぐに車を停めて駆け寄りました。
聞くと、町の健康センターに行く巡回バスを待っているのだが、なかなか来ないから、
いつも待っている場所から離れ、踏切を渡ろうとしたところ、足がよたよたして…と。
健康センターに連絡すると、バスが遅れているわけではなく、高齢者は早目に行動するため、勘違いだったよう。
家は近くなのだけど、ご家族は誰も家にいないとか。
そこで、院長は、その方がバスに無事に乗るまでを見届けましたが…。
バスが停車する場所と待つ場所には少し距離があり、しかもその間には踏切があって、
「バスが到着した」と、高齢者が急いで行くと危ない状況です。
しかも、待っている場所には、朽ちたスチールの簡単な椅子が一脚あるだけ。
院長にとっては自分の地元でもあり、なんだか寂しさを感じたのもあったよう。
そこで院長、直ぐに行動!
「健康センターの循環バスが停車する、町内全ての場所にベンチを寄付するので、設置するように手配してほしい」
と、町会議員さんに連絡しました。
副町長さんと議員さんは、そのお話で来られたのでした。
私も時々、高齢者がバスを待っているのをお見かけします。
ある日、少し広い駐車場の一画で、急に降ってきた冷たい雨の中、傘もささず立っている方がいました。
車にあった傘を持って、「要らなかったらその辺に置いといてください」とお渡ししたことがあります。
きっと、早めに家を出発されたのでしょう、だから待ってる間に雨が降ってきたのでしょうね。
交通手段がない高齢者の方にとっては、健康センターバスが唯一の足です。
「せめて、椅子に座って待てるように…」という院長の思いを、実現してくださるお話でした。
しかし、現実はなかなか厳しい!
道路交通法とやらで、設置できる場所は限られているとのこと。
道路設置が無理ならば、みんなが少しの場所を提供し合って、
1脚のベンチだけでも、置けるようにしたらどうでしょう?
町中にそのベンチが設置されることで、そこはただバスを待つだけの場所ではなく、
散歩の途中で休む場所、高齢者だけでなく誰もが利用できる、
人が集う、ちょっとしたコミュニケーションの場になるかもしれない、と思ったりします。
TURNS
イタリアの風景
わが町も、人口減少、高齢化が確実に進んでいます。
まずは、高齢者の方たちが、安全に健康センターに通えるようにと!