『tokotoko』

Fortune comes in at the merry gate.

『今年はじめての舞台』

2012-01-11 | 立ち直っていく、という時に。
先週、東京・新国立劇場 小劇場で行われている、
『寿歌』を観てきました

それぞれに『問われる』舞台だと、思いました。

公演を行う方も、
観る、ということを選ぶ、私たちも。





作/北村 想

1979年 劇団「TPO師★団」旗揚げ 1982年「彗星 '86」
1986年「プロジェクト・ナビ」2003年解散。
現在「avecビーズ」にて、
年に1作のペースで新作を上演。



ちなみに、俳優の神戸浩さんは、
プロジェクト・ナビ→avecビーズに参加しています。
「ALWAYS 三丁目の夕日'64」「キツツキと雨」などに出演。



1984年「11人の少年」で、岸田戯曲賞、
1989年「雪をわたって...第二稿・月のあかるさ」で紀伊国屋演劇賞・個人賞、
1990年初日通信脚本賞を受賞。

1979年『寿歌』を含む書籍『不・思・議・想・時・記』を、
「名古屋プレイガイドジャーナル社」から、半自費出版で刊行。
岸田國士戯曲賞候補になります。



演出/千葉哲也
演劇企画集団THE・ガジラの中心的な俳優。



演劇企画集団THE・ガジラは、
劇作家・演出家の鐘下辰男により創立。
鐘下辰男さんは、現代アートワークショップ『塵の徒党』も主宰しています。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・京都』
『汚れちまった悲しみに…Nへの手紙』
『tatsuya-最愛なる者の側へ』
『PW-PRISONER OR WAR』ほか、たくさんの優れた演出作品があります。

1993年に上演された『後藤を待ちながら・・・』は千葉哲也さんの原案。



千葉さんは『THEガジラ』の他にも、
様々な舞台に出演しています。

宮本亜門さん演出の『渦巻』
岩松了さん演出の『虹を渡る女』
こまつ座の『闇に咲く花』
自転車キンクリートSTOREの『OUT』
流山児★事務所の『ハイ・ライフ』
『THE OTHER SIDE/線のむこう側』『胎内』では紀伊国屋演劇賞 個人賞を受賞。
劇団☆新感線の『IZO』
デヴィッド・ルヴォー演出の『人形の家』

演出作品のクオリティはかなり高く、
大きな評価を受けています。
『スラブ・ボーイズ』では読売演劇大賞 優秀演出家賞を受賞。
『キレイじゃなきゃいけないワケ』『K2』

『アット・ホーム・アット・ザ・ズー』『Noises Off』は、
かなり印象的な舞台でした



キャスト/

堤真一
戸田恵梨香
橋本じゅん



世界の終わりを目前にしてもなお、
人は果てしのない旅路へと歩み出す。

そして、その行く手に広がる光景に、
”寿歌”は響き渡るのだろうか・・・。



核戦争ですべてが廃墟と化した街に、
リヤカーを引いた旅芸人のゲサクとキョウコがやって来る・・・。

二人の頭上には、まばゆい光を放ちながら核ミサイルが飛び交い、
追いかけてくる低い破裂音が世界の終わりを告げていく・・・。

そこに、どこからともなく、不思議な芸をあやつるナゾの男・ヤスオが現れた。

出会った三人は、あれやこれやの”エエカゲン”な会話を繰り広げながら、
焼き尽くされた滅びの荒野を共に旅することになるのだが・・・。

HPより)



核戦争後、ほとんど誰もいなくなった地球上で、
リヤカーを引き、「エエカゲン」な芸を見せながら、
彷徨い行くゲサク(堤真一さん)とキョウコ(戸田恵梨香さん)。
そこにやってくるヤスオ(橋本じゅんさん)の物語。

物語というか・・・
原爆・ミサイルの残りもんが飛び交う中(まるで花火のように)で、

四季なんかなくなっているのに、
蝉の声を聞いたり、蛍を追ったり、雪が落ちてきたり。



すごく哀しいんだけれど、
やりきれないんだけれど、

それぞれのキャラクターが、充分に、楽しませて笑わせてくれます。
すごく振り幅の大きな舞台です。

すごく笑うんだけれど、
笑っていいのか?楽しんでいいのか?

最後「寿歌」を口ずさむ頃、

雪が降り出すところ、
放射能の灰をおびた汚い雪が落ちて来るところは、
胸が苦しくなって、涙が出ました。



キョウコの「ラジオが入らないから不機嫌で泣いとんのや」のところも。
せつなかった。

本当はもうラジオなんて入らない。
誰もいないんだもの。
リスナーもラジオも、全てはもう存在しないのだから。

戸田恵梨香さん可愛かったです。



堤真一さんのゲサクさんは、
お父ちゃんでありお母ちゃん(割烹着)・・・かな

絶望的な中で「エエカゲン」になること。
ゲサクを観ていたら、その生命力のようなものを、感じました。



ヤスオ(橋本じゅんさん)との、
「なんともいえぬ」空気感が舞台を大きく感じさせました。



死んでしまったあと、
戻ってきたキョウコを迎えるゲサクの表情が、

嬉しいというのか、
せつないというのか、
印象的でした。



「本物の雪や」

原爆の灰の中でも、雪は降る。冷たくて、とける。
人はいなくても、そうやって、地球は再生していくのだという、こと?

リヤカーをひくふたりが、
嬉しそうで、なんとなく幸せそうで、

今、私たちが『置かれている』放射能に対する問題に、
どう向き合うのか、問われている気がしました。



公演は2月のあたままで続きます。
もう一度、この舞台と向き合いたい気がしています。



『書』

2012-01-11 | ことば
先週、『日書展』に行きました



池袋サンシャインシティ
ワールドインポートマート4階/展示ホールA全館



『言葉』の『筆』の力で、心が、
ドルンドルン元気になりました