思わぬ病を得て、いろいろあった百日間でしたが、健康を取り戻しつつある今、神様から与えられた余生を充実させていきたいと思います。( ^_^)/~~~
「御神渡」(おみわたり)は、長野県の諏訪湖をめぐる神事かつ自然現象。
冬、諏訪湖が全面結氷すると南の岸から北の岸へかけて氷が裂けて、高さ30cmから1m80cm位の氷の山脈ができます。
これは諏訪神社上社の建御名方命(男神)が下社の八坂刀売命(女神)のもとへ通った道筋といわれています。
諏訪市の無形民俗文化財に指定されている「御神渡り神事」は古来八釼神社の特殊神事です。
これは諏訪神社上社の建御名方命(男神)が下社の八坂刀売命(女神)のもとへ通った道筋といわれています。
諏訪市の無形民俗文化財に指定されている「御神渡り神事」は古来八釼神社の特殊神事です。
句集「御神渡之夜」 20221224
-100-
・天狼の光に誓う余生かな
・熱燗や禁忌でもなお湯気恋し
・オリオンに願ひし恋や半世紀
・除雪車に厄除け願ふ老女かな
・苦楽経て庭眺めたる冬至梅
・カタールに冬の太陽輝けり
・酔象や世継ぎの願い寒の雨
・柿落葉我散りそびれ枝にあり
・御影堂や門徒も漫ろ御講凪
・赤穂乃士恨みにあらず正義なり
-90-
・ムササビの如く滑空したき夜
・行列や夜鷹蕎麦にも今昔
・食卓も囲炉裏端かなきりたんぽ
・亡き母の温もりのごと行火(あんか)かな
・呼ぶ声は妖厄神か虎落笛
・おでんでは温まらずや関東煮(かんとだき)
・子ら巣立ち寒々し部屋冬一個
・想ひ人恋占ひし古都の冬
・乾風(あなじ)かな悪縁失せよ安井宮
・憶昔(おくせき)す鴨川べりの春の香や
-80-
・鐘氷る悴みもまた命かな
・冬の空人生のごと滑り台
・オリオンや信じた道を諦めず
・亡き人の庭に柿生る哀しさよ
・北風に灯を点すごと紅き薔薇
・歳重ね茶の湯を想ふ亥の子餅
・生かされし命を想ふ日向ぼこ
・湯豆腐の味わい恋し南禅寺
・雄叫びや冴ゆる夜を突く世界杯
・アプリにてカトレア好きの彼来たる
-70-
・松島や小雪の宿人恋し
・勤労の幸せや沁む旗日かな
・木枯らしや再び生きよ父母の声
・小春日やプディングの意味識る男
・帆を上げよ星の入東風確と行け
・神の手に救われし我冬安居
・友と居て勿忘草の花言葉
・古褞袍(どてら)今フリースも季語なるか
・病室の滲み見つめをりやがて冬
・窓の外紅葉狩りにてひと休み
-60-
・晴れた空埋火起こしまた歩こ
・月を喰む影に怯えず寒昴
・立冬や春立つ頃にゃ元気なろ
・病棟の燕帰りて独りぼち
・散ってまた活き活き咲けり紅き薔薇
・我が命糸を手繰りて漫ろ寒
・来し方を顧みし夜上り月
・武士(もののふ)の御魂谺す秋の山
・秋深き色にて佐渡のおけさ柿
・此処も未だ坂の途中か秋遍路
-50-
・次の波神無月とは無体なり
・風流傘縋る人あり花しづめ
・世に嘘と毒多きこと月夜茸
・虫の音のそっと消えたりハローウィン
・見上ぐれば春秋告げる時計台
・秋麗や歌姫めぐり逢ひし夜
・うそ寒や青空に問ふ我が余生
・枳殻の実落つ幻か本願寺
・不知火や禍福の報せ誰に問ふ
・茶の花や不昧の道の朗らかさ
-40-
・嘆くまじ秋をゆく背に神仏
・火祭の鞍馬に出づる後の月
・聖母なるオレンジの花秋の音
・日めくりに心急かされ冬支度
・装束を着る観るも皆古都の秋
・まるめろの実に安らげる日入かな
・弘法や聳えし塔に鰯雲
・紅き実の花水木かな秋惜しむ
・若き日の流行り再び秋の服
・わかれ道どちらにしよか胡桃の日
-30-
・七里より鉄路延びゆく邦の秋
・朝晩の冷えも時節や早生蜜柑
・夢に見し昔の家やカンナ咲く
・風誘ひ気儘なるかな赤蜻蛉
・食ふがため頭も垂れよ枯尾花
・愉快こそ人を助くや策伝忌
・朝風に来る冬想ふ寒露かな
・落鮎の行方知るまい知られまい
・千回の旅巡り終え尾花粥
・万国旗歓声に揺る運動会
-20-
・初秋刀魚味より煙先に立ち
・人知れず百合の萎れて霧深し
・来し方の苦楽弓張月のやう
・秋晴れや法螺貝聞ゆ東山
・小桂の紅葉未だ来と独り言ち
・夏の果てビーチひっそり閑古魚
・錦繍や来し方苦楽編む如し
・半旗にて彼の人送る秋の暮れ
・実の転び葉が枯れ枝も落ちて冬
・釣瓶落つ地球(ほし)の傾き識る日暮
-10-
・秋の暮東北院の母子塚
・秋うらら軒端の梅も惑ふやう
・毒茸か知らぬ顔なりきのこ狩
・秋桜の揺れて映るや風の色
・秋入梅王と妃の墓ひとつ
・曼珠沙華此処へ寄るなと忌報せ
・颱風やあからさまにて御座候
・忍び寄る災いの音大野分
・雛の月道奥の旅照らさうぞ
・歩き来て亦た歩き出す吾亦紅
以上、百句献上。m(__)m