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【九】我が愛車に贈る『感謝と送別の辞』

2018年05月12日 19時41分19秒 | 【九】店主の独り言…




皆さまもご承知の通り、『平成』という時代があと1年少々で終わる事になった。
来年の今頃は 新たな天皇陛下のもと 聞き慣れない新元号での時代が始まるとの事である。


30年前、昭和天皇が崩御された事で…
64年に及んだ『昭和』という時代が終わりを告げ
当時、官房長官だった小渕恵三さんが「新しい元号は『平成』であります。」
とテレビを通じて発表した記者会見を まだつい最近の事と思ってしまう🏮店主。


20代前半にこの時代を迎え、来年54歳という老年期の入口に差し掛かるまでを
🏮店主が過ごしたこの『平成』という時代は、皆さま個々にとっても…
あるいは日本という国そのものにとっても…
根幹を揺るがす出来事が多かった時代ではないだろうか?


新しい元号での時代では、世界は混沌としていて先行き不透明な中ではあるが
少しでも穏やかで平和な世の中になって欲しいと 切に願う次第。


さて そんな今日この頃ではあるが…。
やはりこの『平成』の世に生まれ、🏮店主を含めて3人のオーナーの下
トータル13万7千キロを駆け抜け、車齢19年を迎えた我が愛車を ついに
手離す事になった。

出来る事なら いつまでも乗って居たいと思うほど気に入っていた愛車なの
ではあるが…
それを維持し、コンディションを保つ事が物理的かつ経済的に年々難しく
なりつつあって 本格的に修理しようとすれば、軽の新車が買える程の
金額にまで膨らんでしまうのである。

昨年から 散々悩み、考えた挙句の結論として…
約10年の時間を共に過ごした我が愛車を手離し、新しくクルマを購入する事と
なったのであった。


今回は、そんな去り行く我が愛車に『感謝と送別の辞』を贈ろうと思う。



🚗




🏮店主と共に約10年の時間を過ごした愛車の型式名は
平成11年式『トヨタE-ST215G』 名前をカルディナという。
俗に言う『ステーションワゴン』のボディータイプで、排気量は2000CC。
4速オートマチックトランスミッション、駆動方式は4WDである。

この トヨタ カルディナ。初代デビューは1992(平成4)年 11月。
今の時代は『ミニバン』と呼ばれる背の高い箱型ボディーに3列シート、
7〜8人が乗れるクルマが大人気で 各メーカーもチカラを入れて
販売しているのであるが。

1990年代は、乗用車ベースで荷室を大きくし 走行性能も良かった
ステーションワゴンは大人気だったのである!
そのステーションワゴンが『大きなブーム』になったのは、
スバルが1989(平成元)年に発売した『レガシィ』がその火付け役
なのであるが、その売れ行き好調な『レガシィ』の様子を見て
打倒❗️レガシィと トヨタが送り込んだ刺客こそが
このカルディナなのであった。

当時はトヨタに限らず 各メーカーが競ってステーションワゴンの開発と販売を
繰り広げていたが、卓越した走行性能と充実した装備、それに世間に対する
『ワゴンと言えばレガシィ』とのイメージ戦略が効を奏し、さすがのトヨタも
販売には苦戦したと聞いている。

2000年代に入ると スバルのレガシィこそ人気は高かったモノの…
ステーションワゴンに変わって台頭してきたミニバンに照準を合わせて
各メーカーがミニバンにシフトする一方、ステーションワゴンは
徐々にその売れ行きもボリュームも下降線を辿る運命となった。
カルディナも2回に渡るモデルチェンジを経たのちに、2007(平成19)年3月に
生産を終了し、その役目を終えている。

🏮店主の愛車であるカルディナというクルマは、そうした歴史を
先代2人のオーナーと共に辿り、縁あって🏮店主のもとへ来たクルマ
なのである。

ただ。そんな絶版車となったカルディナではあるのだが、街中では今でも
意外に見かける事が多い…? 様な気がするのである。
年式も🏮店主のクルマとさほど変わらない。5ナンバーサイズだから
狭いスーパーの駐車場みたいな場所での取り回しも割とラクだし、
程よいエンジンパワーのお陰で 街乗りから高速まで特に不満もない。

大きい荷室の使い勝手は「さすがワゴン❗️」と呼べるもので、我が家の
買い出しには大変重宝した。
何せ、ビール🍺も 炭酸水も ミネラルウォーターも毎月 箱でのまとめ買いで
あるし、ちょっとした家具位なら 後部座席を倒せば入ってしまう程 荷室の
使い勝手は良かったのである。



🚗🚗




実は先程の項では書いてなかったのだが、🏮店主のカルディナには
一つ大きな『特徴』と言うか目玉になる装備が付いている。

それは…。後部座席の上まで開く『大型サンルーフ』がそれである❗️
スイッチ一つで クルマの屋根全体の「2/3」まで開く大開口サンルーフの
解放感は本当に気持ち良くて サイコー‼️な装備で、
🏮店主はもとより 上を見上げると「飛行機がよく見える」ってことから
💋女将も大のお気に入りなのであった。
しかもこの大型サンルーフ装着仕様のカルディナは特別仕様で、サブネームに
『エアリアル』という名前が付いている。
その名の通り「風や日差しの気持ち良さ」をリアルに五感で感じる
贅沢なオプション装備なのである。

知り合いだった2代目オーナーから このカルディナを譲り受け
乗り始めてからの🏮店主は 当初、こんなにたくさんの思い出を作るクルマに
なろうとは、夢にも思わなかった…。







それは やはり 💋女将との思い出が一番多い事に尽きる。
大した事はしてないけれども、毎日の生活の中でいつも寄り添っていた片隅に
このカルディナが『名脇役』として居たのだから。

初めての成田オフ会でお越し頂いた「💋女将」と「東大阪のオカン」の送り迎え。

💋女将との初デートの相棒も このカルディナ。

大阪でのオフ会参加の為に その前日から東海道の下道をトコトコと下り…
御前崎の灯台に昇リ、浜名湖のバイパスを渡り、嵐山では大雨に降られ、
大阪ではたくさん笑ったこと。帰りは奈良経由の夜行ドライブ。

飛行機撮影や 空港見学、ジャンク市のお供は必ずコイツ。

買い出しや 天候不順時の💋女将の送迎。ネコの「レオ」を初めて迎えに行って
不安そうにミャーミャー鳴く声が聞こえるクルマもコイツだったっけ。

そして今でも忘れられないのが…
💋女将を 東京から成田に連れて帰る時の事である。8月も終わりに近い夕暮れ時、
成田に向かう利根川沿いの土手道を抜け、田んぼの一本道を後部一杯の荷物と
💋女将のチャリまで横倒しで載せたカルディナが走る。

茜色に染まる空の中を飛行機が降りてくる。稲穂の海が風に揺れていた。
💋女将は何も語らず 頬杖付いて ただ外を見ている。🏮店主も無口。

いろいろな想いと決断の末、ふたりで生活する事になった。
「一緒に暮らせる嬉しさ」と「これからどうなるのか?」って不安の交錯。
その気持ちの混ざりあった中、無口な車内で 陽気な唄とお喋りを流すラジオ。
これから2人には どんな未来が待っているのか…?

🏮店主は この日の光景を… 一生忘れないであろう。
そんなワンシーンの相棒も やはりこのカルディナだったのだから。

それだけ 思い出が「詰まりに詰まった」名脇役の愛車なのである。



🚗🚗🚗

そんな思い出多い愛車であるカルディナを手離す決意をしたのは何故か?
主な理由はふたつある。

まずひとつは経年劣化によるコンディション悪化が挙げられる。

🏮店主のカルディナは 前述の通り『車齢19年』である。
産まれた赤ん坊がもうすぐ成人するほどの時間の流れの中、
動く機械としてのクルマは様々な環境下に晒され傷んでくるわけで。

昨年の段階でリアのショックアブソーバーは油の滲みから機能が低下し
オルタネーター(発電機)は やはり発電能力の低下から電装品の作動が
不安定になり易くなった。
ラジエーターも経年劣化から「いつ壊れてもおかしくない」と
トヨタから言われる始末。上記3点の交換修理だけで31万円の見積り。







外装は更に酷く、ボンネットを中心に塗装が剥がれてきていて
表面のクリア塗装などは 走る度にペリペリ剥がれて勝手に飛んで行く。
その分ボディーはサビが進むから、塗り直しなんぞしたら
いったい幾ら掛かる事やら…。

一時期 真剣に借金してまで修理する事も考えていたのであるが…。
劣化してるであろうゴム製品まで交換となったら更に金額はハネ上がる。
しかもクルマが旧い分、お金掛けて修理しても 次に何処が壊れるのか?
分からないのである。

そこまでの財力は当然無い🏮店主。有ればとっくにやっているワケで。
そんな借金までして修理することは 道楽を通り越して
ほぼ『博打』になってしまうのである。
お気に入りの愛車ではあるが、さすがにそんな『博打』は打てない。
そんな心の葛藤の末に 段々と気持ちは手離す方向に固まってきた次第と
なってきたのであった。







そしてもうひとつは維持するための費用が余りにも高い事
コンディションの件もお金のことではあるが、『費用』って点で言えば
毎年掛かる維持費用の方が圧倒的に負担は大きいのである。
これは、クルマを所有している方ならどなたでも思う事ではないだろうか?

例えば自動車税なんぞ その典型であろう。
自動車税はその排気量によって税額が分かれているが、そもそもの税額設定が
高すぎると思っている🏮店主。皆さまも概ねそう思っているかと。

カルディナの場合、排気量は2000CCだから自動車税は本来なら年39800円。

これでも十分過ぎる程 高いのであるが これは生産年度から12年目までの
クルマに対する税額設定(1600〜2000CC)であって、13年を超えたクルマに
対する自動車税は『15%の増税』が加算され年45400円も支払う事になるのである⁉️😱 こんなアホな制度がまかり通る今の日本。

どうもこの15%の増税の根拠というのが「燃料消費の少ないエコカーへ買い替え促進目的」だそうだが、どうも根拠は曖昧だし 何より旧いクルマを大切に乗ってきた人に対するイジメに他ならないのではないだろうか?
経済活性化のため、もっとクルマが売れるようにしたいのなら メーカーが魅力ある商品を作るのは勿論だが、 同時に国も「クルマは贅沢品」的な発想の税制を止め、買い替えや維持のしやすい税制の構築をしないと早晩 日本の自動車産業はアメリカみたいに衰退するのではないのだろうか?
現に今の若い人はクルマどころか 免許すら要らないという人も多いのである。
大金を投じ、高速道路を整備しても クルマに乗る人が減ればそれは単なる無駄使いにしかならないのではないだろうかと思っている。

ガソリンの二重課税もそう。何でも金取れ的な発想はいい加減やめてもらいたいモノである‼️ 『国 栄えて、庶民貧す』では意味がないのである‼️

そんな貧する庶民の一人である🏮店主。気持ちではそう憤慨しているのであるが、
現実の生活では いくら愛情があってもお金が無くては始まらないのもまた事実。
男女の仲然り。クルマ生活もまた然りである。

そんなふたつの理由から、カルディナとの生活にピリオドを打つ事になった次第。
そう決断し、新しいクルマの購入を決め 既に契約も済ませた。あとは納車を待つのみである。
そういう意味での楽しみは確かにあるが、今の🏮店主の心中は…
正直言って複雑なのであった。



🚗🚗🚗🚗





このカルディナは納車と引き換えに業者に引き取られ 解体される事になる。
機械として生まれた以上 、機械として使用され 役目を終えた後 解体されるのは
「機械の宿命」というもので致し方ないと思っている。

だが、いろいろ記した思い出が詰まっている事のほかに🏮店主がこのカルディナに
想いを寄せるのは 実はそれだけではない。
なんだか、人の人生に近いというか…。身につまされる想いがするからである。

祝福と歓迎のうちに初代オーナーに納車されたであろう新車時代は
人で言えば就職して 期待と不安を胸に働く キラキラして眩しい若い人みたいだ。
🏮店主にも そんな時代があったなぁ…。かなり昔の話だけどね。

新しいクルマに乗り換える為に 初代オーナーがコイツを手離し中古車として
次のオーナーを待つあいだ、コイツには不安や心配は無かったのだろうか?
会社の都合で 退職を余儀なくされ、不安や心配をしながら過ごした経験のある
🏮店主の事とだぶって見える。

そして…。機械として懸命に働くも 少しずつ傷み、不具合や不調が出てきても
それでも懸命に走ってくれるその姿は、老年期の入り口に差し掛かり身体の
衰えや不具合と折り合いをつけながら日々を過ごす🏮店主と変わらない。

かなりセンチメンタルだが、そんな想いもずっとこのクルマにはあって
それがまた手離す事をためらう一因になっていたのであった。

だが、それももう終わりである。

今は もうただただ感謝しかない。労いしかないのである。

思えば、不具合をいろいろ抱えながらも よくここまで無事に走り続けて
くれてたモノだと思う。そういう意味では、やはり日本の自動車メーカーは
部品メーカーも含めて非常に優秀で 高品質なクルマを作るんだという事を
改めて証明をしたのではないだろうか。さすがである。


最後に。我が愛車 カルディナへ…。

この10年、無事に走り続けてくれ、様々な場所へ我々ふたりを運んでくれた事

本当に感謝しています。そして 本当にお疲れ様でした。

あと僅かで 一緒にいられる時間が終わります。正直 今でも残念な想いはあります。

でもこれも仕方のない事です。そこはどうか勘弁して下さい。

今まで ありがとうございました‼️ そして…。さようなら…。



🏮店主。




























































































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