居酒屋~通りすがり~

今の我々に出来る事から始めましょうや。
明日を信じて始めましょうや。小さいことでいいからさ。困った時はお互いさま…ねっ

【三】11年目のオリジナルカレンダー 〜平成最後の年に〜

2018年12月23日 17時16分53秒 | 【三】お通しの小鉢です






ここ数年、記事として上げてはいなかったが…。
『気まぐれな思い付き』から始めたオリジナルカレンダー作りが
今年で11年目を迎えた。

「よくもまぁ、続いたモンだ。」 コレが偽りのない今の素直な感想である。
自分自身で驚いている次第。







最初の2009年(平成21年)版は、2ヶ月区切りの6枚構成で作ったのであるが…
今 改めて見ると『なんとまぁ、稚拙な出来😨』である。
こんなのが人様ん家の玄関やリビングに飾られていたかと思うと…
赤面の至りである。今更ながら、どうも すみませんでした。

だが、こんな「稚拙な出来」であっても心優しき人々におだてられた結果…
調子に乗って作り続けた挙句、今に至るワケで。
そういう意味では『おだててくれた皆さま』に感謝する次第なのである。







さて、そんな11年目のカレンダー作りであるが。
皆さまもご承知の通り、来年4月末に天皇陛下の御退位。そして5月には
皇太子さまの御即位により 『平成』という元号と時代が変わる事となった。
いろんな事があった『平成』だが、31年4ヶ月を持って終わるのである。

そんな節目の年となる『平成最後のオリジナルカレンダー』がようやく仕上がった。
数は少ないのであるが、こんなカレンダーでも待っててくれている
『心優しき「おだて上手な」皆さま』へ向け、今年も懲りずに送らせて頂く所存。
故に、送られた皆さまも懲りずにご笑納下さいます様、切にお願いする次第。







毎年カレンダーを作るに当たり、🏮店主と💋女将でテーマを決めて
写真を選ぶのであるが、今年のテーマは『明るい色彩』
時代も変わる事だし、1年間を通して「ちょっとでも明るい気持ちになれたら」
との願いも込めての事からである。
すっかり腕を上げた💋女将。今回のカレンダーでは『13枚中 6枚』が
彼女💋の作品だが、その出来映えもなかなかのモノなので 、
届いた皆さまに置かれましては是非ともお楽しみに‼️ して頂きたい。😁

そんなワケで…。
来たる新年と新時代もよろしくお願いする次第なのでありました。
新しい年は… 穏やかな年であって欲しいなぁ〜。








🏮店主。


















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【四】ヒコーキ遠足 ふたり旅〜九州 福岡 探訪記〜その3

2018年12月15日 17時00分59秒 | 【四】本日のオススメ!







初めての地を訪れるというのは とてもワクワクする。
そして「初めての人に会う」のはとてもドキドキする。
長年、会いたかった人なら尚更である。
先程、🏮店主と💋女将は無事に福岡県朝倉市の甘木に到着した。
時間はそろそろ15時半。天候は快晴。過ごし易い陽気である。

先程まで乗っていたディーゼルカーの中で前方風景を眺めながら、
『長年のお付き合いなのに 、初めて会うダンナ👮』と どんな初対面を
果たすのか❓ との思いを巡らしてた🏮店主。
もしかしたら…。博多駅と基山駅を出る際、メールを送っておいたので
到着時刻が分かっているダンナ👮は まるで
映画『鉄道員(ぽっぽや)』の駅長 佐藤乙松を演じた「高倉 健」の様に
直立不動の姿勢でホームに立ち、降り立った🏮店主と💋女将に向かい挙手の礼。
そして渋い声で一言。『お待ちしてましたよ』。 そしてガッチリと固い握手。
…みたいな初対面を半分「本気で」夢想していた🏮店主。
まあ、そんな「渋さ」などない事は「よぉ〜く」承知しているのであるが…。







実際、そんな映画みたいにドラマチックな展開になる筈もなく。
ふたり🏮💋は列車を降り、駅の外へ出た次第だが、残念ながら駅前にも
ダンナ👮らしい人影は見当たらないのであった。
見渡すと 駅の横に喫煙スペースがあったので💋女将を促し一服つける。
何せ博多駅で遭遇した「ゆふいんショック」のお陰で、🏮店主は吸い損なった
次第。なので ここでダンナ👮を待つ間に一服つけて様子見である。

火を付けて ふぅ〜と紫煙を吐き、ひと息つく。
ホント、静かでいい街である。そんな感想を💋女将と話していたら、
横の自転車置き場から不意に一人の男性が出てきた。キョロキョロしている。
その男性と🏮店主は一瞬、目が合った。この時ピン‼️と来た🏮店主だったが、
男性はそのまま横を通り過ぎ、駅の出口前に行き やはり「キョロキョロ」。
確信のあった🏮店主は 大きな声で呼び掛けた。『レールマンさ〜ん👮‼️』

ギョッとして振り返る男性。メガネ奥の目ん玉を広げて発した第一声は…
『はっ、あっ…⁉️ あぁ…❓ あれぇ〜ぇ⁉️』であった。
そう。この素っ頓狂な第一声を初対面で披露してくれた男性こそが、
🏮店主のずっと会いたかった『レールマンさん』だったのである。
型通りの挨拶の後、一緒にタバコを吸いながら気付かなかった訳を訪ねると
彼はこう言った。『だって…。髪とヒゲがあるんだもの⁉️』。ふたり🏮💋爆笑‼️

過去、🏮店主は頭をスキンヘッドにしていた時代があった。
眉毛とまつ毛以外、全く「ツルツル」にしてたのだが スキンヘッドというのは
以外と手間が掛かるモノで、今の仕事を始めた頃からヒゲを生やし始めたせいもあり
電動バリカンで髪もヒゲも伸びたら一気に刈るスタイルに変えたのである。
一方でダンナ👮は 相変わらず🏮店主がスキンヘッドにしてると思ってたから、
一瞬 目が合った時「こんなに毛があるハズないなぁ」と思っていたらしい。
逆に🏮店主から見たダンナ👮は 正直全然変わって見えなかった。
本人は老けたと言うが、細面の顔はもとより 髪は黒くボリュームもあり、
髪型にも大きな変化はない。
つまり、ダンナ👮は外見の変化があまりなかったので 🏮店主が気付いた訳だが、
逆に🏮店主は見た目があまりにも変わり過ぎたのでダンナ👮は
「全然分からなかった。」という事なのであった。



そんな初対面の後、歩いて数分 甘木駅すぐ前にあるホテルにチェックインし、
荷物を置いて再びダンナ👮とロビーで合流。これからとある場所に行く予定である。
夜はもちろん賑々しく宴会の予定を立てているのであるが、予約は20時。
まだまだ時間はあるし、九州まで来てまだ陽が高いうちから呑んでいるのは
幾ら🏮店主が飲兵衛とはいえ、余りにも芸がない。
そこで、事前にダンナ👮にある「リクエスト」を出しておいた。
宴会までの時間をその場所で楽しく過ごそうという魂胆なのである。
ホテルを出る前に部屋で、宴会に向けての「仕込み」も用意して準備万端。
ダンナ👮のクルマにふたり🏮💋お邪魔して 16時過ぎ、ホテルを出発。

筑紫野市にある「ある場所」に向かう道中、窓から景色を眺めていた💋女将が
『あれ❓ 🏮店主。外の景色、何だか明るくない❓』と疑問を口にする。
時計は16時半を過ぎている。この時間の成田ならもうすでに薄暗いのであるが、
しかしこちらは まだ陽射しはまだ眩しい位で💋女将の疑問はごもっとも。
だから「成田より西にある福岡は30分位は日没が遅いよ。」と解説。
ダンナ👮も頷く。お陰で外の景色が良く見えた。山の稜線がきれいだ。
因みに この日(11月23日)の日没時刻は成田市が「16:28」に対して、
福岡市の日没時刻は「17:12」であった。


さすが3連休の初日だけあって幹線道路はどこも混雑していたが、
ダンナ👮は裏道を使ってクルマを走らせる。とても安全で安心な運転。
「時間が掛かってしまってすみません。」と謝るのだが 程なくして
その目的地に無事到着。派手な外観の建物の下にクルマを停めた。そう ココが
その「ある場所」。ダンナ👮が良く通っているボウリング場🎳なのであった…。

彼👮は今、福岡で仕事をしているが 出身は同じ九州の宮崎県延岡市で
単身赴任中の身である。高校卒業後は関西の大手私鉄に就職したのであるが、
そんな時に始めたのがボウリング🎳。かなりハマって練習したらしい。
そして福岡で単身赴任の身になった時、再びボウリング🎳を始めたのである。
「マイボール」は元より、競技なら映えるが街中では絶対に着られないであろう
背中にフルネーム入りのトラ柄ユニフォームまで揃えて練習に励む様子を
電話でよく聞いていたので、今回伺う際にそれを見たいと言うのが
今回🏮店主が事前にお願いしておいた「リクエスト」だったのである。

にしても…。ボウリング場🎳に来たのなんて一体何年振りだろうか❓
記憶が曖昧だが、🏮店主は確実に25〜6年は来ていない。
💋女将に至っては「…忘れた。」そうである。
ふたり🏮💋はビジターなので、靴をお借りし 球はボウリング場🎳にある
「ハウスボール」を選んで準備完了。簡単なモンである。
一方、ダンナ👮の支度は大変だ。右手にサポーターの様な物を付けたり、
靴の紐を結んだり、指先をマッサージしたりで結構 忙しい。
マイボールをバックから取り出す。ハウスボールの様にノッペリした単色ではなく
絵の具を流した様なキレイな「マーブル模様」がいかにも…
『この人、上手いんだろうなぁ〜』って期待を抱かせる。知らない人には…。

ところが 🏮店主が一番見たいトラ柄ユニフォームに着替える気配がない。
「忘れたの❓」と問うと、「いえ。下に着てます。」と返答。
「じゃあ、早く見せてよ。」と促すと 彼👮、この後に及んでひとこと。
『最後にお見せしようかと…。なんだか、恥ずかしい⁉️』。おいおい…。
それでもようやく意を決し、シャツを脱いだ下からついに現れたユニフォーム‼️
思わずふたり🏮💋で『おぉ〜‼️👏👏👏』。気恥ずかしそうなダンナ👮。
ホント、胸にトラが吠えている図柄である。背中にはトラ柄にフルネーム。
そうかぁ…。ダンナ👮はコレを着て練習に励んでたのね。
そう思うとなんか感動する。

いざゲームを始めると やはりちゃんと練習している人は「違うな」と思う。
フォームも滑らかだし、ボールのコース取りもきれいに決まる。
たまに狙い過ぎて スペアチャンスを外したり ガーターを叩く事もあるが、
その原因もちゃんと彼👮自身で分析が出来ている。
それに何より投げてる時はとても顔がイキイキしていた。
ボウリング🎳を楽しんでいるその姿が とても嬉しかった🏮店主。
ダンナ👮が我々ふたり🏮💋の「レベル」に合わせて遊んでくれたお陰で
笑いの絶えない楽しい時間を過ごせた事に感謝する🏮店主なのであった。
ホントの実力は…❓『こんなモンじゃないもんね。ねー ダンナ👮』😁



計3ゲームを投げたところで時計は19時を過ぎた。
程よく身体も暖まったし、予約したお店の時間もあるので、
再びダンナ👮の運転で甘木に戻る。陽はもうとっぷり暮れ暗くなったが、
一杯🍶やるにはちょうど良い頃合いの時刻ではある。
お店に向かう前 ダンナ👮の住むアパートに寄ってクルマを置き、3人🏮💋👮で
ブラブラ歩いてお店に到着。お店に着いたのは20時ぴったり‼️ 定刻であった。

明るい声の店員さんに出迎えを受け、靴を脱いで中に入る。
なかなか雰囲気の良い居酒屋さんである。
お店の名前は『焼鳥 鷹陣』さん。ホテルや甘木駅からも徒歩で数分。
店内には軽い感じのジャズなんか流れていて、なかなかお洒落。
このお店がもし成田にあったなら、間違いなく通ってるに違いない。
そんな🏮店主好みのお店であった。さすがダンナ👮、いいチョイス‼️

あちこちで酔客の明るい笑い声が響く一角のテーブル席に案内された。
足元は「堀コタツ」みたいな作りで、足が伸ばせてラクである。
頼んだ「生中🍺」が3つ運ばれてきた‼️ 🏮店主が待ちに待ったこの瞬間‼️

3人🏮💋👮、声を揃えて『カンパ〜イ‼️🍻』
あぁ〜⁉️ うんま〜いぃ‼️
長年の念願が叶った乾杯であった。

ダンナ👮は別の意味でも喜んでいる。『あぁ…。本物のビール🍺美味い😋』
こうしてお互いの顔を見て呑むお酒の美味しさたるや、言葉にならない。
最高だ‼️

ブログで知り合った頃はお互いのコメント欄に足跡を残すくらいだった。
その後福岡に来てから暫くは直接のメール📩交換だったのが、
今はもっぱら電話📞。
酒🍶とツマミをお互い用意して 長い時には2時間を超える事もしばしば…。
「いい歳こいたオッサン同士で、ナニ話してんの❓」と皆さまは思うだろうが、
ノリは居酒屋のそれなのである。ロクな話はしてない。それが楽しいのであった。

「乾杯の儀」が終わったところで、仕込んでおいたネタの披露に移る。
ホテルを出る時からずっと持ち歩いていた赤い生地のバックをダンナ👮に手渡す。
要はお土産の詰め合わせなのだが、この時間まで「敢えて」何も言わずに
引っ張っていた🏮店主。
そこは最近とみに『航空ファン化』しつつあるダンナ👮に向け、
いろいろ吟味した上での『特別仕様』なのであった。
そもそも、渡した赤い生地のバック自体、真ん中に白抜きで「デカデカ」と
JALの鶴丸と「JAPAN AIRLINES 」のロゴ入り。
コレを見て喜んでいるのは、もうすでに立派な「航空ファン」の証なのである。
成田のお土産らしいのは羊羹と落花生くらいなモノで、後はみんな飛行機関連。
これが今出来る精一杯の🏮店主の気持ちなのであった。

この後、店員さんに『もうテーブルの上、一杯ですけど…。』と言われる位
たくさんツマミ頼んで、たくさんお酒おかわりして、そしてたくさん笑った。
外はかなり冷え込んでいたけれど、身体と心はほっかほかに暖かい。
そして嬉しい。
甘木の夜更けなのでありました…。
ホント、美味しいお酒🍶でした。







窓の外はまだ暗く 夜明けまで時間があるのだが、自然と眼が覚めた…。
時計を見ると5時半を少し過ぎた頃。💋女将はすでに起きていた。
目覚ましが鳴る前に眼が覚めるのは、それだけ歳を重ねた証なのだろう。
お互い 顔を見合わせて苦笑い。
まだ暗い窓の前、椅子に座りタバコを吸いながら いろいろ話をし、夜明けを待つ。

今日は福岡訪問の2日目。つまり最終日である。もう終わりか…。

昨夜、楽しく過ごした宴会がお開きになり 部屋に戻った後、
💋女将がボソッとこんな言葉を。『ダンナ👮…。いい男じゃないの。😊』

心根の優しさが💋女将にも伝わったのであろう。実際、そういう人だし。
それだけ優しさのある人だから、時には傷ついて苦しんだ事もたくさんあった。
電話📞やメール📩で そんな胸の内を吐き出す事も長いお付き合いの中で
幾度かあった。逆に🏮店主もダンナ👮に聞いて貰い 幾度も救われている。
そんな時間を共有してきたからこそ、昨日は本当に心底 楽しかったのだった。
そして今日はそんな時間を過ごした福岡を離れる。複雑な気持ちである。

そんな事を考えていると、窓に見える山々の稜線が白み始めた…。
様々な色合いが重なり、混ざり合って刻々とその具合が変化してゆく。
そんな時間を💋女将と過ごしていた甘木の朝であった。

宿泊したホテルには天然温泉♨️がある。朝6時から入れるとの事
だったので、ふたり🏮💋 大浴場で贅沢に朝風呂。
まだ行った事は無いが本当に極楽な気分を味う。脚を伸ばしてノンビリ…。
その後朝食を頂き、部屋に戻って着替え 荷物を整える。
スーツケースが軽い。コレに福岡みやげと「たくさんの思い出」を詰めて帰る。

今日はダンナ👮がクルマで福岡空港まで送ってくれるというので、そのご好意に
甘える予定である。帰りの成田行き「NH(ANA)2144便」は福岡13:35発
でもちょっと寄り道しての空港入りなので、ホテルで9時の待ち合わせ。
それまでちょっと時間があるので、💋女将を誘って外へ出た。

もう一度、じっくりと甘木駅を見て置きたかったからである。







快晴の朝光の中、木造の大きな駅舎が佇んでいる。雰囲気のある建物だ。
中を覗いて見る。待合室や切符売り場の造りはやはり国鉄時代に建設された
木造駅舎だと思わせる箇所がいくつもあった。
子どもの頃の「うっすらした記憶」が浮かんでくる。
今の新しい駅舎の様に鉄骨やコンクリートを多用する作りは丈夫で効率的だろうが、
この様な味わいは無い。この駅舎にはまだ『国鉄時代の残り香』を感じさせる。

8時33分発の基山行きディーゼルカーが発車を待っている。
「もうすぐ出るなぁ」と思っていると、若い女の子が改札口を駆け抜け
ホームに上がって乗り込んだ。駅長が時計を見る。
ホームの静けさを破る様にベルが響く。無機質な音だが、それがいい。
右手に持った赤旗を挙げ合図を送ると、溜息をつく様にドアを閉め
ディーゼルカーは薄い煙を残して出て行った。

鉄道に憧れを抱き、見つめていた子どもの頃の原風景が
「ここには」まだ…あったのだ。
『甘木に来て本当に良かった…。』そう思えた光景であった。



部屋に戻り、荷物を持ってフロントでチェックアウト。『お世話になりました。』
ダンナ👮はすでにロビーで待っててくれていた。
🏮店主は帰りも甘木鉄道のディーゼルカーに乗って帰るのも「アリ」だと思って
いたのであるが、最近とみに「航空ファン化」してるダンナ👮がふたり🏮💋を
「是非、連れて行きたい所がある。」という事でクルマになった次第であった。

駐車場で荷物を積んで乗り込もうとした時、不意にダンナ👮から呼び止められた。
『🏮店主さん…。「コレ」もらって下さい。』と、何かを手に載せ差し出した。
差し出された品物を見て、慌てて『コレは貰えないよ〜。』と断る🏮店主。
ダンナ👮が差し出した品物とは…❓ 「コレ」である。







お分かり頂けるだろうか❓
『懐中時計』である。でもコレは『ただの懐中時計』ではない。
国鉄で使われていた『鉄道懐中時計』なのである。
日本中の国鉄に勤めていた運転士や駅長など列車の運行に関わる数多くの職員が
「コレを見て」安全正確な職務に日々、明け暮れていたのである。
メーカーは『SEIKO』。動力は『発条(ゼンマイ)式』
裏蓋に刻印があり『分 鉄』と記されている。
今で言えば「JR九州 大分支社」となるのだろうが、国鉄時代に於いては
『日本国有鉄道 大分鉄道管理局』となる。「分鉄」とは、その略称である。

ダンナ👮は関西の大手私鉄の後、地元・延岡の鉄道会社に「運転士」
として勤めるのであるが、運転士は国家資格である。
その資格取得を目指し、訓練を重ねていた場所こそが大分鉄道管理局
に属する『大分運転所』
ここでお師匠さんに付き、命を預かる職場ゆえ、厳しい指導を受けながら、
国鉄型の「キハ」。つまりディーゼルカーの運転資格取得へ向け、
共に過ごした「懐中時計」なのである。
こんな貴重で宝物みたいな品物、受け取れる訳がない。
ダンナ👮の今に繋がる全てを見ていた時計なのである。
固辞する🏮店主に彼👮は、一言だけ言った。

『🏮店主さんなら、この時計の価値が解ると思います。
コレは私からの気持ちなんです。』
と。

🏮店主の亡くなった叔父は、北海道で国鉄職員をしていた。職種は信号係。
子どもの頃の🏮店主は この叔父から聞く鉄道の話が大好きであった。
運転士同様、信号係も停車や通過の時刻を正確に把握しないと仕事は出来ない。
その時間の重要性をまだ小学生の🏮店主に「社会の先輩」として力説していた叔父。
その叔父が愛用していたのは、鉄道時計と同じSEIKO製の時計だった。

思い悩んだ末、🏮店主はその時計を頂く事にした。

ダンナ👮の気持ちは、この時計を🏮店主に渡す事で全てを表しているんだと。
自分の苦労や思い出が詰まった品を 幾らなんでも普通は人に譲りはしない。
それを自分の手元から離し、他人に委ねるのは とても勇気のいる事ではないか。
それだけ、彼👮は 🏮店主の事を「友人として」認めてくれたのではないか…。
そう理解したのである。

掌に感じるちょうど良い大きさと重さ。秒針が刻む「チッチッチッ」と小さな音。
ダンナ👮にお礼を述べ、ジーンズの左ポケットに時計を収めた。
『ありがとう ダンナ👮。大切にさせてもらいます。』



快晴の空の下、特に渋滞もない道を快調にクルマは走る。
途中、足早に開店したてのスーパーを覗いたり お金を降ろす為に立ち寄った
コンビニのATMから福岡弁で『よう 来たねー』と挨拶されたりしながら、
ダンナ👮の目指す場所へ向けクルマは走る。
甘木の田園風景から段々と住宅が増え、道路の車線数と共にクルマの数も増え、
頭上に都市高速が走る国道3号の周りがビルだらけになった頃、
ナビの到着予定時刻より20分早く目的地に到着した。
『ハイ、着きましたよ。ココです。』とダンナ👮。

国道3号を右折した先にある広い敷地は高い金網で囲まれている。
その上部には有刺鉄線。その更に上空を高い金属音を立て飛行機が飛んで行く。
そう。お察しの通り、福岡空港である。だがココはターミナルビルではなく
『福岡空港敷地の境界』にある飛行機のビューポイントなのである。
ダンナ👮が案内したかった場所とはココの事であった。







最近『航空ファン化』著しいダンナ👮は、時々ココやその周辺に来て
飛行機を眺めている事があるらしい。今回 福岡にお邪魔する事が決まった時、
ココに連れて来ようと思っていたらしいのである。
我々ふたり🏮💋も 成田空港の事は地元だから分かるけれども、他の空港の外で
飛行機を眺める機会など なかなか無いので楽しみにしていたのであった。

こうして外から福岡空港を眺めると、実に合理的な運用をしている。
国内主要空港の一つである福岡空港だが、滑走路は敷地のド真ん中に1本。
その滑走路を挟んで海側(国道3号側)に「国際線ターミナルビル」があり、
山側には「国内線ターミナルビル」が立っている。
数分に1本のペースで離発着を繰り返す過密運用だが、着陸後の誘導路が
国内線と国際線で別れているので 飛行機の動きが実にスムーズである。
滑走路が直ぐに空くから 離陸する飛行機の進入も早い。
飛行機の写真を撮るにしても、次から次へと飛んだり降りたりするので
これは実に楽しい。航空ファンの為に空港がある訳ではないが、
ファンの立場からしたら 大変ありがたく嬉しい空港だと思うのである。

その証拠に💋女将は来てからずっと、金網からへばり付いて離れない。
真剣にカメラを覗く💋女将を見て、ダンナ👮はただただ驚くばかり…。😨
『💋女将さんって、いつもあんな感じなんですか❓』と問うので、
『そうです。空港とホームセンターでは彼女💋は放し飼いです。』
と答えたら、笑ってたダンナ👮。
こんな感じで福岡での残り時間は流れていったのであった。



そろそろ飛行機の時間もあるのでと、空港の国内線ターミナルに移動。
お昼に近い時間帯でもあり、建物内は旅客と見送り客とで混雑していた。
スーツケースを預ける前にお土産を買っておこうと、2階の物販スペースに
移動し お土産を物色するふたり🏮💋。
24時間前…。あれだけワクワクして到着した福岡空港なのに、もう出発かと
思うと 楽しかった事が山盛りだっただけに寂しく感じる。
そんな想いを胸にスーツケースにお土産を詰めていると、ダンナ👮が
『これ、持ってて下さい。😊』と小さな包みを手渡す。
見ると九州の珍味『カラスミ』である。ええっ⁉️
『そんな…。コレ、高いのに。』と言う🏮店主にダンナ👮は「ニヤッ」として
『お酒に合いますよぉ〜‼️』と、トドメの一言。ありがたく頂戴した。







全日空の出発カウンターで成田行きの搭乗手続きをし、スーツケースを預ける。
その間 ダンナ👮は隣にある『自動チェックイン機』の仕組みや使い方を
眺めて目を丸くしていた。
出発までの僅かな時間、展望デッキに行き飛行機を眺める。
改修工事中でかなり狭い状態だったが、💋女将は成田に来ない飛行機を
見つけて夢中で撮影している。おっさんふたり🏮👮はボンヤリそれを眺めていた。
『今度は是非、飛行機に乗って成田に来て下さい。』と言った🏮店主に
『乗りたいんですけど、私…飛行機怖いんです。』と 彼👮。
そんな会話で笑いながら、最後にふたり🏮👮で記念撮影。

時間が迫って来た。そろそろ保安検査場に向かわないといけない時刻。
展望デッキを降り、2階へ戻る。指定された保安検査場は「北」。
ダンナ👮とは ここでお別れである。名残惜しい。だけど、仕方ない。
いつになるのか分からないけれども、再びお会い出来る事を胸に握手を交わす。

『またお会いしましょう。そしてこれからもよろしくお願いします。』

こうして🏮店主と💋女将は福岡の地を離れたのであった。
たった24時間の滞在だったが、過ごした時間は濃密だったと思う。
💋女将もとても喜んでくれた今回のヒコーキ遠足。言う事なしの旅であった…。

最後に…。成田行きの全日空機で頂いた最高のお土産がコレでした。







長文にお付き合い頂きありがとうございました。感謝します。

🏮店主。






















































































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【四】ヒコーキ遠足 ふたり旅〜九州 福岡 探訪記〜その2

2018年12月08日 17時30分23秒 | 【四】本日のオススメ!








成田空港を離陸したNH(ANA)2141便は順調に西へ向かって飛行中。

関東地方を抜け、中部地方の山岳地帯上空を通過する頃から眼下の風景は
雲が増えてちょっと見難くはなったが、抜ける様な青空と雲海が広がる間を
飛ぶ風景は やはりヒコーキ旅の醍醐味であろう。

この頃にはシートベルト着用サインも消え、CAさんのドリンクサービスなども
始まって機内はリラックスムード。機長さんの挨拶では、通常の飛行高度では
風が強くて揺れるため 少し高度を落として飛行しているとの事。
おかげで久しぶりの空の旅は 非常に快適であった。

成田離陸時、我々🏮💋の前席で若い両親に連れられた3歳くらいの男の子。
大きな声で『降ろせえ〜⁉️ ここで降ろせえぇぇ〜⁉️😭』
と泣き叫んでいたが…。😨
安定飛行に入ってからは落ち着いたのか❓お母さんと仲良くお話している。
CAさんも その様子が気になっていたのか、子ども用の飛行機の玩具を持って
ご機嫌伺い。その様子もまた「ヒコーキ旅の一コマだなぁ。」と思ったりする。

そんな様子を見ていた💋女将がボソッと一言。『いいなぁ〜😗』
🏮店主はてっきり「CAさんの子どもに対する対応」を褒めてるモンだと
思っていたがそうでは無く、CAさんが持ってきた飛行機の玩具が
羨ましくて発した一言だったワケである。
この人💋 飛行機に関してはホンマにお子ちゃまなのだ。
そう言って笑ったが、後にそう言われ笑い返される事態となるのである。

機内大撮影大会を勝手に開催していた我々🏮💋も
一通り落ち着き、CAさんからコーヒー☕️を頂いて 一息つく。
他愛のない話をしながら、福岡に着いたらどうするとかも話す。
前述の通り、我々🏮💋ふたりの福岡滞在時間はおよそ24時間。
今日の宿泊地は JR博多駅からJR鹿児島本線に乗り、基山(きやま)で
甘木鉄道というローカル私鉄に乗り換え30分余り…。
福岡県朝倉市の甘木(あまぎ)である。レールのダンナ👮が暮らしている町。

この全日空機の福岡空港到着予定は12時35分。
地下鉄で移動してJR博多駅から甘木まではおおよそ1時間との事だ。
🏮店主はダンナ👮に甘木には午後4時前後の到着を伝えているから
逆算すると、JR博多駅を午後2時半頃には出発したい。

とすると、だいたい1時間半は福岡中心街に滞在出来るからそれならば
『天神』を覗いてから行こう⁉️という話でまとまった。
JR博多駅周辺は どちらかといえば「ビジネス街」であるのに対し、
「天神」は西日本を代表する歓楽街で、だいぶ賑やかな場所らしい…。
移動も地下鉄で空港から博多へ5分。天神へは15分。
天神から博多は10分であるから移動はラクそうである。
福岡の方からは『そんな短い時間じゃ な〜んもわからん⁉️』
お叱りを受ける事この上ないが、これも弾丸ツアー🚀の悲しい宿命。
次回の福岡訪問時には必ず『天神』『中洲』で呑んだくれてやるぞ⁉️
と心に誓う️🏮店主なのであった。いつになるか定かではないが…。

そんな話をしていたら、「あと20分程で、着陸の準備を始めます。」
と機内アナウンス。えっ もう⁉️ 今更ながら、そんな飛行機の速さに驚く。
西に進む度に眼下の雲が多くなったせいで、下の様子はよく分からない
のであるが どうも山陰地方の上空を飛行している模様である。
そんなこんなしているうちに『♪ポーン』と音がして
シートベルト着用サインが点灯。続いて機内アナウンス。
『当機はまもなく着陸体制に入ります。』

いよいよである‼️ 生まれて初めての九州が射程圏内に入ってきた‼️
全日空機は徐々に高度を下げ始めた。下にあった雲の中に潜り込み、
白く視界を奪われたのも束の間、すぐに空の青が薄く顔を覗かせる。
窓の下には白い砂浜の海岸線。日本海の色は深く濃い藍色。
徐々に高度を落としながら 小さく少しずつ左旋回を繰り返す。
飛行機と陸地を挟んでいた薄雲が取れ始め、再び地上がクリアになる。
💋女将が再び一眼レフを握り、準備を始めた。️🏮店主も同様。

床下から音がする。ランディング・ギアを出したのであろう。
少し揺れが強くなった。件の男の子 今回は大人しい。
我慢してるのかな❓エラいぞ‼️

海では白い航跡を引いて船がゆく。進むに従い、その数が増えてくる。
博多や門司の港が近い事を思わせる。九州はもう目の前だ‼️

ここで今までよりも大きく左旋回をした後、
全日空機は真っ直ぐに体制を戻し高度を下げてゆく。
島影が見えたと思ったら 海を挟んで対岸に陸地‼️

まっ先に🏮店主の目に飛び込んできた建物。
それはあの福岡ヤフー・ドームであった‼️







ついに来たぜ‼️ 九州‼️ 待たせたな‼️ 福岡‼️


福岡の市街地を見下ろしながら 全日空機は順調に高度を下げてゆく。
見える街並みが段々と大きくなる。
米つぶ程だったクルマが豆つぶ程のサイズになってきた。
建物の大きさが段々と見慣れたサイズに戻ってくる。陸が迫っている。

そしていよいよ着陸の瞬間を迎えた‼️少し『ドスン』という感じの接地。
同時に振動とノイズが再び機内を覆う。逆噴射のエンジン音。
エア・ブレーキの板が垂直に立ちながら強烈なスピードを全日空機は
しっかりと抑えこみ ゆっくりとした速度でラン・ウェイを外れた。
着陸後、スポット待ちのため少し待ったがブリッジが付き乗客の降機が
始まった時刻を見ると到着予定時刻であった。
コクピットクルーの皆さま お疲れ様でした。お見事‼️







乗客の大半が降り通路に余裕が出た頃を見計らって、
我々🏮💋も手荷物を持ち出口へ。
お見送りのCAさんに『お世話になりました。』とお礼を述べて
🏮店主は飛行機の外へ。数歩歩いて後ろを振り返ると…
アレ❓ 💋女将が居ない️❓ ナニしとん。
戻って機内を見ると💋女将とCAさんが何やら立ち話。どないした❓
💋女将の話では、急にCAさんに呼び止められたのであるが
それは💋女将が持ってきた『バッグの柄』が原因であった。
それはこんな柄だからである。







お判り頂けるだろうか❓💋女将が持ってきたバッグというのは
飛行機には欠かせない『重要なアイテムの一つ』ではあるが…。
『決してお世話になりたくない。なってはいけない。』シロモノである
救命胴衣の生地を使って作ったバッグだったからである。
CAさんも『まさか⁉️ コレがバッグになるなんて…😱』みたいな好奇心から
つい声を掛けたというのが真相の様である。そりゃ、そうであろう。
この柄につい反応するのは、航空業界の関係者か マニア位だろうから。
💋女将の話では、仕事で空港を歩くと 大抵の航空関係者、特に海外のクルーは
バックを「ガン見」する事もあるそうだ。「どこで売ってるのか❓」と
聞かれる事もあるらしい。
成田空港周辺には 飛行機の離発着を間近に見れる展望スポットがいくつかあるの
だが、A滑走路そばにある『さくらの山公園』にある物販スペース
空の駅さくら館の中に『フライトショップ チャーリーズ』というお店がある。
ここは飛行機に関連したグッズをいろいろ取り揃えているのであるが、
このバックはこのお店のオリジナル。人気商品なのである。
ただ モノがモノだけに作れる数は少なく、いつもある訳ではないので
興味ある方はホームページでご確認を。


こうして我々🏮💋ふたりは初めて九州の地に足を踏み入れた。
成田空港なら自分たちの庭みたいな感覚でどこに何があるのか分かるけれども、
ここは「よその庭」なので トンと見当がつかない。
オマケに現在 福岡空港は改修工事の真っ最中であるから 余計である。
預けた手荷物を引き取ると とにかく上の看板を頼りにキョロキョロしながら
地下鉄の乗り場を探したのであった。
完全なるアウェイ感。お上りさん状態なのである。

車体も車内もきれいな福岡市営地下鉄に揺られて15分。
見慣れぬ駅名をやり過ごしながら機内で相談した通り『天神 』で下車。
降りる人も乗る人もさすがに多い。地上へ上がる。外へ出た。
ふたり🏮💋あ然😨とする⁉️


『大賑わい』なんてレベルじゃない⁉️ 大都会である‼️


高いビルはバンバン。人はわんさか。お姉ちゃんは皆キレイ。すんげぇ〜⁉️
後ろを振り返るとそこは『西鉄 天神駅』と看板の付いたでっかい駅ビル。
道路に目を転じれば 今度は『バス🚌 の波』である。そこら中バス🚌だらけ⁉️
福岡がバス🚌王国なのは「秘密のケンミンショー」情報で知ってはいたが、
これ程走っているモンだとは思わなかった。
やはり何事も百聞は一見にしかず。見てみるモンである。

ところで。我々🏮💋ふたりは今、非常に空腹である。
成田を発つ前に軽くつまんだ以外はコーヒー☕️だけだったからであるが、
せっかくなら「何か福岡らしいもの」を食べてみたいと話していた。
で、中のアーケード街をぶらぶらした結果…。近くに「うどんとそばのお店」
があったのでふたり🏮💋で入ってみる事にした。
1階席はそこそこ埋まって居たが、2階を案内され そこに落ち着く。
出された温かいお茶を堪能していると、「お待たせしましたぁ」と
小柄なおばあちゃんが運んできてくれたのは、ふたり🏮💋が頼んだ
「親子うどん」。鶏肉と溶き卵が餡かけの様に乗った温かいうどんで
香りもよく とても美味しそうである😁

早速、箸を割って お手手を合わせ『いただきまーす‼️』
💋女将は汁から、🏮店主はうどんからすすり始めて
お互いの第一声はこうであった。『あっ…。甘い‼️』
そう、甘いのである。

関東より以北は「醤油文化」なので、濃い味付けを喜ぶ文化だし、
関西圏以西は「出汁文化」なのでカツオや昆布の風味を生かした
味付けを喜ぶ文化である。
九州はそういった点も独特で 「甘みの強い風味」を喜ぶ文化の様である。
関東でも熊本の馬刺しを提供するお店で、拘りのある所は醤油もちゃんと
「九州の醤油」を用意しているのであるが コレがまた美味い‼️
この「九州の醤油」というのがやはりキモで、関東の醤油では ちょっと
味が尖って「ビミョー」だったりするのである。
また うどんのコシも柔らか目で、噛み切り易く 食べやすい。
この辺の情報も「秘密のケンミンショー」情報の受け売りで情け無い限り
なのであるが、🏮店主は大変美味しく頂いた。『ごちそうさまでした』
💋女将にはちょっとだけ甘過ぎたのか❓ 唐辛子をよく振っていたのであった。


時間を見計らい 再び地下鉄でJR博多駅へ移動。鹿児島本線下り方面の
乗り場である5・6番線ホームに立つ。ここで言い知れぬ感情が不意に湧く。
大きく『はかた』と書かれた駅名板が 今、目の前にある。
子どもの頃からこの『はかた』の文字にどれだけの憧れを抱いた事であろうか。
鉄道雑誌を読み漁り、知識を得る度に憧れは募っていったあの頃…。
出来れば、東京発のブルートレインで夜を越え この駅名を見て
下車したいものであったが、時を超えた今となっては
こうしてこの場所に立っているだけで幸せなのであった。

『ホームの門司方に「立ち食いそば」と「喫煙所」がありますよ。』とメールで
教えてくれたダンナ👮のご教示に従い 一服しようかと歩き始めたその時…。
ホームに流れたアナウンスに耳は「ダンボ状態」となった⁉️
すると 🏮店主の中で突然、「あの虫が」目覚めたのである⁉️







『まもなく、5番線に特急「ゆふいんの森」が到着致します。』


なにぃ〜⁉️ マジか‼️ カメラ、カメラだぁ〜⁉️😱軽いパニック状態である。
特急「ゆふいんの森」号はJR九州が誇る観光特急の一つで、
博多と大分の湯布院とを結ぶ 今では数少ないディーゼル特急である。
丸い形に鮮やかなグリーンをまとった車体は それだけでインパクト大。
その存在は知ってはいたが、もちろん実車を見るのは初めてである。
そんな列車が この絶妙なタイミングで すぐ目の前のホームに到着する
というのであるから、コレを「興奮するな」と言われても どだい無理。
スーツケースを「ガラガラ」引きながら💋女将を放置してカメラを向けてた
次第なのである。この時の🏮店主は完全に小中学生であった。
東京駅や上野駅で小さなカメラを特急列車に夢中で向けていた
「あの頃の自分」そのものだったのである…。

すると…。タバコを吸い終わった💋女将がそばに来て一言 のたまう。
『おーおー、🏮店主。ずいぶんと「お子ちゃま」ですこと。』 😨ドキッ⁉️
ここでバッサリ、『成田の仇を 博多で返す』と言わんばかりに
飛行機の中のお返しを受けた次第なのであった…。お子ちゃま夫婦のふたり旅。

気を取り直して「車体の黒い」787系型の特急が発車した後の6番線に並んで、
次の久留米行き快速電車を待つ。
赤にシルバーの配色がきれいな3ドアの近郊形電車が入線してくる。
総武・横須賀線の電車を見慣れている身としては、
これだけでも新鮮で素直に楽しい。
一度 目覚めた「あの虫」は興奮こそ収まったものの 再び眠る気配はない。
そう。これから甘木に至る行程は🏮店主にとって飛行機と並ぶ、
待ちに待った『今回のハイライト』なのである‼️
もっとも、💋女将にとっては電車は寝るモノであって
鉄道には全く興味がないのでふたり🏮💋で盛り上がる事はまずない。
座ったばかりの💋女将の目はもうすでに「トロン」としているのであった。







文字通りの「快速ぶり」で鹿児島本線を飛ばす快速電車。
初めて見る車窓が次々に流れ 🏮店主はそれを目で追うのに忙しい。
忙しいのではあるが それがまた楽しかったりもする。
博多を出て20数分。『まもなく「基山」に到着します。』と車内アナウンス。
寝てはいないが目は完全に「トロン状態」の💋女将に声を掛け 乗り換えを促す。
快速電車は滑らかに右カーブするJR基山駅のホームに停車した。
乗ってきた久留米行きの快速電車を見送ると その陰から隣のホームに止まっていた
1両のディーゼルカーが姿を現した。
濃淡の違うグリーン2色をまとった車体である。







このディーゼルカーこそが、子どもの頃の憧れ以外に🏮店主が九州に行く
強いきっかけを作った鉄道である。第3セクター『甘木鉄道』
旧国鉄「甘木線」である。
そして この甘木鉄道に鉄道員として働いているのが、
これから🏮店主が会いにゆくレールマンさん。つまり「ダンナ👮」。
そんな彼が この8〜9年余りのいろいろな思いを胸に秘めて働く
この小さなローカル私鉄に乗って終点の甘木まで行き、彼とお会いして
美味い酒を酌み交す事を想いながら🏮店主はここまで来たのであった。
このディーゼルカーは そんな彼と🏮店主を結んでくれる最後の乗り物なのである。
基山14時57分発。

跨線橋を渡り、甘木鉄道のホームに立つ。エンジンはアイドリング中。
微かに漂う排気臭がとても懐かしい。車内に入ると関東圏では余り見ない座席配置。
向かい合わせの4人掛けと2人掛けシートが通路を挟んで並び、両端にある
扉の前後はロングシート。して最大の特徴は運転席横にある整理券の機械と運賃箱。
天井には運賃表がぶら下がっている。
そう、運賃に関する機械は全て『バス🚌のそれ』なのである。
この甘木鉄道の車両は全てこのスタイルで運賃の徴収を行なっているのであった。
だから このスタイルの車両は『レールバス』と呼ばれている。
地方ローカル鉄道が経費を掛けずに省力化する観点から この方式は今や
日本中のローカル鉄道で採用されている方式なのである。

祝日 午後の甘木行きの車内は座席の7割方が埋まるくらいの乗車率。
静かに発車を待ってる乗客は 我々ふたり🏮💋を除くと、皆さん地元の方々の
様であった。運転士が車内放送で発車を告げると扉はすぐに閉じられた。
いよいよ 発車である。

扉の閉まった甘木行きディーゼルカーのエンジンが唸りを上げる。
一瞬の間を置いて車体がグイッと前に動き出す。
ゆっくりと加速しながら少し鹿児島本線と並走すると、小さな勾配を上りながら
左に向きを変え 鹿児島本線とはお別れ。
すぐに緩い下り勾配の長い直線をディーゼルカーはゆっくり下って行く。
出発時 ふたり🏮💋で2人掛けシートに腰を下ろしたのであるが、
動き出すともう どうにもこうにも我慢出来なくなり 💋女将に荷物番を頼むと
🏮店主は運転席横に立ち、ひたすら前方を見始めた。それはなぜか❓
事あるごとにYouTubeで甘木鉄道の走行前方風景だけを収めた動画を見ていたので、
それを確かめたかったからなのである







動画を繰り返し見ているから もちろんそのまま見た通りの風景である。
でも 甘木鉄道の社員である「ダンナ👮」から いろいろな駅や施設について
話を聞いていたので、
『あぁ、これがあの話の場所だな。』『これがその件のアレかぁ…。』
と思い巡らしながら見てる前方風景はとても面白くて 楽しくて仕方がない。
その間 またもや💋女将を放置状態。後で聞くと何も覚えてない。爆睡であった。

そんな有り様であったから たちまち時間は過ぎ、ディーゼルカーは甘木の
一つ手前の駅『高田(たかた)』に停車。さあ、あと一駅で目的地の甘木である。
いよいよだ。
高田を発車したディーゼルカーは軽い上り勾配を上がるとそのまましばらく
平坦な直線を進む。前方には四方を山に囲まれた甘木の街並みがもう見えている。
川の上に掛かったガーター橋を軽い音で渡ると左カーブに差し掛かった先にホーム。
ついに来た…。

ディーゼルカー1両では持て余す様な長いホーム。レールと車輪が擦れ合い、
「キーン」と鳴く中 甘木到着を告げる自動アナウンスと共に制動が掛かる。
やがてディーゼルカーは軽いため息をつく様に駅舎に近い位置に停車した。
とうとうここまで来たのであった。終点 『甘木』
寝惚け眼の💋女将を伴い、運賃箱にふたり🏮💋分の整理券と運賃を投じ
列車から降りる。ホームの一部を切り取った造りの階段を下り、
駅舎を潜り抜け外へ出た。作りは古いが なかなか立派な駅舎である。
目の前ロータリーには大きな桜の木。







ところが降りたは良いが、肝心カナメの「ダンナ👮」がいない。あれれ…❓
実はここで『感動のご対〜面‼️』と🏮店主の想像ではなるはずが、
結果はまるでドリフのコントみたいなご対面となったのである…。


てなワケで、すいません。まだ続きます。


🏮店主。















































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【四】ヒコーキ遠足 ふたり旅〜九州 福岡 探訪記〜 その1

2018年12月01日 17時35分10秒 | 【四】本日のオススメ!




『いつか 九州に行ってみたい。』
そんな事を小学生の頃あたりから「うっすらと」思っていた…。
思ってはいたが、血縁も地縁もない九州に行くには手段も知恵も
ましてや、お金もない小学生にとっては「夢のまた夢」であった。

鉄道が好きだった🏮店主は 当時、東京駅から数多く出発していた
九州各地に向かって走る『寝台特急』 いわゆるブルートレイン
に特別な憧れを持っていた。この歳になってもまだ憧れている。

だが、その後大きくなり 働く様になってもなかなか乗る機会も訪れず、
また日々の生活やいくつか訪れた人生のピンチに追われているうちに
「九州に行ってみたい。」という淡い夢もいつしか忘れてしまっていた。
その九州行き寝台特急も時代の流れに逆らえず 、ついに消滅。
この頃はまだ 九州は「夢のまた夢」だったのである。

そんな冴えないひとり暮らしの日々に何か変化や楽しみが欲しくて、
ブログを始めたのは 今から10数年位前の事なのであるが…。
何名か九州の方とコメントのやり取りをしていた中で 一番仲良くなり、
今日に至る長〜い友達付き合いとなる方が出来た。

その方は『妙齢の美魔女』などでは勿論無く…😨
🏮店主と同い年の同性。つまりおっさんなのだが😅、とても気のいい
優しい方で何時しか 「一度お会いしたい」との思いが年々募った結果、
とうとう今年 💋女将を伴って九州へ行く事を決めたのであった。

その方のお名前はレールマンさん
🏮店主は彼の事を「レールのダンナ👮」と呼んでいるのであるが、
根は真面目なのに なかなかお茶目で 時々チラホラとエロかったりする😁
無論、今回の九州訪問は殆ど🏮店主のわがままなので、
💋女将の飛行機代や宿代も全て🏮店主持ちである。
この企てを話したのは 今年の年明けなのだが、彼女 ひとこと…。
『よし 頑張れ‼️ 私はヒコーキに乗れるなら どこでもよい‼️』であった。

こうして年明けに始動した「九州行くぞプロジェクト」
頑張って働いてふたり🏮💋分の旅費を用意し、8月終わりに飛行機の
チケットが取れた事で プロジェクト達成の目処がついた。
とうとう、今年 九州に行けるぞぉ〜‼️😁と、その日を
指折り数えて過ごしてきたのである。


そして とうとう…。待ちに待った日が 遂に ついにやって来た‼️

2018(平成30)年11月23日。金曜日 勤労感謝の日
カーテンを開けると、窓の外は朝から雲ひとつない快晴である。

まるで これからの旅行を祝福するかの様である‼️👍 幸先が良い。
段々と高ぶる気持ちのせいか? 差し込む朝日を見て
🏮店主と💋女将も顔が自然とほころぶ。ニタニタ、ヘラヘラ。

それはそうであろう。ふたり揃っての旅行も久しぶりなら、
飛行機に乗るのは💋女将が3〜4年振り。に対して
🏮店主は、なんと20数年振り⁉️の『ご搭乗』なのである。

あれだけ毎日、日々 飛行機を相手に仕事をしていたクセして。
今も空港で仕事をしているクセして。
ずいぶんとまあ 長い事ご無沙汰していた次第であった。

そして、今回のふたり旅は なんともまぁ 忙しないのである。

一応、仕事は本日を含めて3日間のお休みを頂いたのではあるが…。
予算の都合と 飛行機の時間の都合、それに今回のふたり旅のために
預けたネコの「レオ」の体調やメンタルを考慮して 日程は1泊2日。
そのため、1000キロを飛び越え 初の九州訪問であるにも関わらず
実際の福岡滞在はほぼ24時間😨しかないという
遠足並みの弾丸ツアー🚀と相成った次第であった…。

しかし、それでも全然 我々ふたり🏮💋は大満足なのである。
🏮店主は レールのダンナに会いたいがゆえの旅だし、
💋女将はヒコーキに乗れる事と「姫路より西に行ける事」で満足。
お互い 初の訪問となる九州は福岡への期待を胸にクルマでいざ成田空港へ‼️
祝日の朝なので、スイスイと走って僅か20分で空港着。
さあ、いよいよふたり旅in福岡が始まったのであった‼️






今回の飛行機は往復とも全日空(ANA)さんのお世話になる事にしている。
なので、第1ターミナル 南ウイング1階の国内線カウンターにてチェックイン。
スーツケースを1個預けて身軽になり、搭乗まで暫しの時間 5階展望デッキにて
離発着する飛行機を眺めて過ごした。
いつもと違い、旅行者目線で見る空港の風景は事の外、新鮮で素直に楽しい‼️

時間も近づいてきたので 保安検査場に向かい、手荷物をX線に通すあいだ
🏮店主と💋女将は金属探知器をくぐる。ピンポン鳴る事なく無事通過。
そして 指定された搭乗ゲートの前で案内を待つ。表示板には「福岡」の文字。
でも ゲートの先に見えるのは飛行機ではなく、オレンジ色鮮やかなバス🚌が
並んで待っているのである。さて、なーぜ❓

実は今、🏮店主と💋女将が待っているゲートは『バスゲート』と言って
ブリッジ(搭乗橋)から直接 飛行機に乗るスタイルではなく、
外に駐機されている飛行機までバスで向かい、
横付けされたステップ車(階段付きの車)から飛行機に乗り込む
スタイルのゲートだからなのである。
このスタイルで止まっている飛行機の事を業界用語では『沖止め』
言うのであるが、普段はなかなか入れない空港の中をバス🚌で進み、
ステップ車の階段を登って飛行機に乗るのはなかなか「オツな」もので。
好きモノ故の奥深い喜びが、自然とふたり🏮💋を笑顔にするのであった。

もっとも、周りの人たちには…
「タダの浮かれた🏮おじさんと💋おばさんがはしゃいどる」と
映っただろう故、ニガ笑いを誘ったのは間違いない。どうかご勘弁を…。





バス🚌が止まる。と、目の前には 青空に溶け込む様に
鮮やかな白地にトリトンブルーをまとった機体がドーン‼️
垂直尾翼のANAの文字が眩しく見える。きれいである。
機材は『飛行機界のスーパーカブ』ことボーイング737ー800。
世界中で3000機以上売れている『737シリーズ』で現在 主力を担う機材である。
横付けされたステップ車には 乗客の列。
写真を撮りながら ふたり🏮💋もその後ろへ。
こうして🏮店主と💋女将は晴れて、NH(ANA)2141便 福岡行き
機中に吸い込まれたのであった。

キャビンクルー(CA)さんが笑顔で迎えてくれる。

『空港』という場所で働く我々ふたり🏮💋。
広い意味で共に飛行機を支える仕事仲間として。
そして今日はお客としてお世話になる立場として。敬意を持って
🏮店主と💋女将のクルーに対する挨拶は自然とこうなっていた。

『お疲れ様です。今日はお世話になります。』

乗り込んだ乗客がそれぞれの席に収まり 機内が落ち着き始めた頃、
CAさんは離陸へ向けて安全確認作業をテキパキとこなしている。
笑顔は絶やさないが手荷物入れの扉のチェック、乗客のシートベルトの
装着具合など、素早い目配りで確認するその姿は 正にプロの仕事
改めて、その仕事ぶりには感心しきり。さすがである‼️

ガクンと軽いショックがあって、機体が後ろに動き始めた。
『プッシュバック』の開始である。
飛行機はこの『プッシュバック』の開始を持って出発時刻なのである。
時計を見るとピタリ。オンタイムであった。

バックが止まり、トーイングトラクターが離れる。地上職員は安全地帯に退避。
コクピットクルーは、離陸へ向け機体の最終チェックに慌しい時間帯。
主翼の上のエア・ブレーキがパタパタ動く。そして、エンジン スタート‼️
低い唸り音から 徐々に回転数が上がってゆくと、機体はゆっくり前進を開始した。
地上職員が手を振って見送りする光景は やはり空港ならではのもの。

🏮店主と💋女将も 大きく手を振り返す👋👋👋
飛行機はA滑走路へ向かって ゆっくり進む。離陸へ向け落ち着いた雰囲気漂う機内。





そんな中 機内でも「やはり」落ち着きのないのが このふたり🏮💋。

そらそうである。お互い写真を撮る📸のに忙しいのである。
小さな窓を交互に覗いてはパシャパシャ。
そうそうある出来事じゃないから 出来る限り記録しておきたいし、
あわよくば 『カレンダーのネタ写真も仕込みたい。』などと
邪念もチラチラしてるワケで…。
だから💋女将の一眼レフを覗く表情は真剣そのもの‼️
🏮店主は🏮店主で 愛用の小さいデジカメの他に折角だからと
古いフィルムカメラの『オートボーイ』まで持参したモンだから、
カメラを取っ替え引っ換えに忙しいのであった。

やがて飛行機は滑走路に入る手前で、一旦停止。離陸の順番を待つ。
JALの787が白い機体を滑る様に滑走してゆく。
ジェットスター、バニラ・エアの機体が続いて滑走するといよいよ…
我がANA機の番になった。そろりと進みながら右にターンすると
CAさんから一言アナウンス。『当機はこれから離陸を開始します。』

エンジン音が大きく唸りを上げて回り始める。
機体が『グイッ』と動くと一気に加速。シートに押し付けられる体。
滑走の振動とノイズが機内を覆う。窓の景色がどんどん後方へ…。
4000メートル滑走路のちょうど真ん中辺り、第1ターミナルが見える頃
不意に振動とノイズが消え、窓の景色が斜めになる。一瞬の無重力感。






NH2141便 テイク・オフの瞬間であった‼️ 感動‼️







ANA機はフル・スロットル。成田空港の全景が見える頃、上昇しながらの
右旋回。千葉・九十九里浜から茨城・鹿島灘を見渡せる。眼下には利根川。
やがて機は西に進路を取ると 関東平野を横断した。この間 僅か15分。






こうして 我々ふたり🏮💋の『弾丸ツアー🚀』は始まったのである‼️
『レールのダンナぁ〜‼️ これから行きますよぉ〜⁉️』


以降、後半に続きます。暫し、お時間をくださいまし。


🏮店主。

































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