つい最近まで…
『現役』で働いていたJRの特急型ディーゼルカー『キハ181系』が
今度、海を超えミャンマーにかなりの【格安価格
】で有償譲渡される事になったらしい。
この『キハ181系』という特急型ディーゼルカー。
まだJRが『国鉄』だった時代に製造された車両なので、かなりの【老朽車両】である!? (^。^;)
かなりの『車齢』を経た車両であるから、排ガスの事やら 燃費の事やら はたまた車両の寿命の事などを考えると…
【途上国に『使い古し』の車両を送るとは何事だぁ~?(`o´)】
などと 『エコを勘違い』しているニッポン人なら文句の一つも言いそうなモノ。
でも実は この車両譲渡の件…
相手国であるミャンマーからの【熱烈なリクエスト】があって 実現したとの事らしい…。
その理由が何とも『合点がいく
』合理的理由でありまして。
本当に【役に立つ援助】や【エコロジー】というものは こういうことか!?
と 思った
店主。
皆さまはどう お感じになりますでしょうか…?
★
【キハ181系】特急型ディーゼルカーは…
電化されていない幹線用に 開発された特急型ディーゼルカーの『改良型』でして。
山岳地帯を走る勾配(坂道)の多い日本の路線に合わせ、【強力な
】ディーゼルエンジンを積み、スイスイと走るのが特徴の特急型車両であります。
かたやミャンマーの鉄道は? と言えば…
我が国同様に山岳地帯が多く、勾配のキツい路線のあるお国柄ゆえ
【強力な
エンジン】を持つ『キハ181系』は相手国であるミャンマーにとっても【魅力的な中古車だった
】ってのが まず一つ。
そして二つ目が
店主、『もっとも感心した
(◎o◎)』点なのだが…
古いが故、【構造・仕組みが比較的『単純』で自分たちでも『整備がし易い』(^ー^)/】ってトコが ミャンマー側から見て『大変、魅力的だった
』らしいのであります。
『古い車両の方が魅力的
』とは…??
日本人の感覚からすると、『新しい方がいいじゃ~ん!
』と 普通思うンですけど、そこはやはり【相手国の実情】ってモノが絡んでくるワケなんですね…。
★★
日本が発展途上国向けに行なっている【ODA=政府開発援助】で
以前、ミャンマーに対し『ODAの一環』として 新型の鉄道車両を送った経緯があるらしいんですが…。
余りにも【新しい技術】をふんだんに投入したが故、
現地ではそれを『メンテナンス』出来る人材がいなくて 日本からも技術者を派遣したりしてたけども
一回不具合が出ると 現地では『お手上げ
』だったらしいンですな
そこでミャンマー側からは…
【古くても良いから我々が『メンテナンス』し易い車両を
m(_ _)m】
との『リクエスト』から今回の【キハ181系の譲渡】が実現した
というワケなんであります。
古い車両とは言え、JRでは細かくスケジュールを組んで【点検・整備】を繰り返し実施していますから
【車両そのものの状態が正確に把握されている】
って点もミャンマー側からは『好印象
』だったのではないのでしょうか?
★★★
皆さまが毎日お使いの【自動車
】を一つ見てもよく分かると思いますが…
【日本の工業製品】は いまだに『品質』という点に於いて
世界の中でも【トップレベル
】だと言っても過言ではありません
ただ、以外と知られていないのは…
その機械を【メンテナンスする技術】というのも【かなりのレベルにある
】と言う事なんですね。
!(b^ー°)
JRや大手私鉄では…
鉄道車両の平均寿命は製造されてから【おおよそ20年】程度が 一つの目安なんですが
その後、地方の私鉄に譲渡され 未だに活躍している例は日本中にたくさんありますし…
経営危機に陥った日本航空(JAL)が保有する
ジャンボ機(ボーイング747)を売却する際も
【丁寧に整備されていた】事が決め手となり、ジャンボ機の中古市場では『そこそこの価格』で売却出来たと聞いています。
元『JAL』の飛行機たちが所属を変え、装いを変えても 【元気に空を飛んでいる】姿を想像するとき…
『メンテナンスする技術の高さが機械の寿命を確実に伸ばしているんだなぁ~
』と
店主、しみじみ思うんですね。
欧米系の航空会社の機材(飛行機
)に対する根本の考え方は
【道具として徹底的に『使い倒す
』】ですから、ちゃんと必要な整備は行なっているけれども…
【長持ちさせよう
】との感覚は『多少薄い』ように
店主には思えるのであります。
★★★★
どの事例を見ても共通して言える事は…
日本人って やはり長い歴史の中で育まれた
【モノを大切にする事=エコロジーが、どこかしら心に根差している民族なんだなぁ~
】って思うワケなんですよ。
『長い』国の歴史の中で…
【貧しく不便な時代】の方が圧倒的に長かった我が国 日本。
『高度経済成長』を遂げた戦後からの数十年間は【歴史上、例のない】豊かな時代を迎えた事は皆さまご承知の通りです…。
が、同時に【消費は美徳】との掛け声のもと
『まだ使えるモノを棄ててしまう』
『まだ食べれるモノを棄ててしまう』
『まだ生きてるモノを棄ててしまう』
日本人が永年、大切にしてきた【価値観・美徳観】が…
戦後【わずか数十年間の豊かな時代の価値観】だけでモノサシを変えてしまった事で
いろいろな弊害や問題点も出てきてしまったんですね。
資源もなく、長い間貧しい国だった日本とそこに生きる我々、日本人が…
『貧しいが故』培ってきた【モノを大切にする心】が実は一番の【大きな財産
】なのではないでしょうか…?
今回のミャンマーの一件は 単なる『ODAによる車両譲渡』であるばかりでなく、
【日本人のモノを大切にする心】も合わせてに『譲渡』して相手国に喜ばれたいい事例ではないのか?
そう思える
店主なのでありました…。
新しいモノやお金だけじゃない…。
人間のやる事だもの。
やっぱり根底に【ハート
】がないといけませんね
店主でした。