ハミなし頭絡で楽しい馬生活!日本ビットレスブライドル協会

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蹄病を理解するー4 疫学的アプローチ2

2020年02月11日 | 裸蹄管理

 改めてこの図。

 今まであちこちの乗馬クラブと関わっているのだけども、この件については、クラブ同士の言い合いになっている、のも見受けます。例えばクラブホースが別のクラブに引きとられたりすると、あっちのクラブの馬は挫跖だらけでどうなってるんだ?きっと馬場の管理が悪いに違いない、とか文句を言う次のクラブ、とか。うーん、見ているとどっちもどっちっぽいんですけども・・・・。なんとかして、馬の故障を誰か他人のせいにしたいんだろうなあ。。。。。 従って、クラブの管理にせよ、装蹄師にせよ、事態の打開に至らない。もっとまずいのは、これに獣医が関わらないということ。

 でもねえ、大体獣医があてにならない。自分も獣医だから(小動物ですがね)情けない話だとは思うが、あてにならない医者ってのがどれほど飼主にストレスになるか、よく分かる。小動物臨床業界はキビシイんですよ。東大卒だろうがなんだろうがカンケーありません。治せなくちゃヤブ医者で、ヤブ医者には患者が付かない仕組みになっている。小動物業界の問題は、どこもかしこもヤブ医者だらけで、アタリが少ない、と、当院に転院してきた方が後で言うんですよ。当院から転院する気配はないから、ヤブとは認定されなかった、ということか。

 しかし、大動物はさらにヤブだらけ、もしかしてヒモ医者?ものがヒモだけに、引っかかったら死ぬ、という。というか、蹄葉炎です、安楽死しましょう、だもんね。ホント、お気楽でうらやましいよ。

 安楽死という「逃げ」を使えるから、気楽な稼業ときたもんだ。で、そう言われるのが多分嫌だから、皆さんなかなか獣医を呼ぼうとしない、面もあるんじゃないかな。

 当方も、去年の6月に馬の獣医にそういう事を言われて、ホントにむかっ腹が立ちましたがね。悪いけど、蹄葉炎は治しましたから。あんたらなんかに任せられるかっつの。簡単に安楽死言うような輩にね。そうならないように全力を尽くす気が最初からないわけでしょ。で、上から目線でさ。分かってないことをえばるなっつの。

 そう、何が諸悪の根源かというと、蹄病の原因を獣医が全く見つけれられていないこと、これに尽きる。さらに言うと、見つけようともしてないじゃないか。で、それでも商売は成り立つらしいからさあ。馬の獣医が少ないもんで、結局飼主にチヤホヤされて、知ったようなことを言えば金が取れる、んだもんなあ。だからエラソーにできるってわけなんだろうな。やだやだ。

 さて、疫学ですが。どうも変だ、こんなに馬に蹄病が多発しているなら、野生馬なんかとっくに全滅しててもおかしくない、筈なんだけど。。。。シマウマも別に絶滅しそうな気配なし。モウコノウマが絶滅しそうになったのは、蹄病とは関連性がない。オーストラリアの野良馬(あれは家畜馬が野生化したものです)、アメリカのムスタング、も別に絶滅する気配なし、日本の岬馬は増えちゃってどうしようか、という状況のようだ。なのに、家畜になった途端、蹄病だらけってどういうことだ?

 あと、地域として思うのは。沖縄ですが、住んでる馬の蹄の状態は、なかなかよさそうなんです。一番暑くて海にも近い、ムシムシしているのになあ。これは実際に沖縄に行って、一応確認している件でもある。

 沖縄で一つ重要な点。沖縄にはプロの削蹄師がいません。皆さん適当に自分でやってるらしい。そこの馬は蹄の状態がまあOK、こうなると、疫学的に言えることはただ一つなんですよ。

 プロの削蹄が入ると蹄病になる。

 これだけなんです。動物園も、定期的にプロの削蹄が入るんですよ、実は。麻酔かけて削蹄する。ってことは、やっぱり削蹄することが悪いのか?


蹄病を理解するー3 疫学的なアプローチ1

2020年02月11日 | 裸蹄管理

 改めて、この図。

 困っちゃいますよ、本当に。これが表面化しない、というのが一番ヤな感じだな~~。オーナーとしては、馬を預託しているクラブの悪口は言いたくない、下手に文句を言うと、「じゃあ出てってくれ」という結論にすぐなってしまう恐れがある。乗馬クラブ側は、あの装蹄師のせいで馬がダメになった、とか考えてるけど、他に人もいないし、グズグズ。装蹄師側は、あちこちの乗馬クラブを見ているから、あーこのクラブは床がダメ・管理がダメ・不衛生だし、と思いつつ、でも、どこのクラブも大差ないというか。。。。で、連日連夜、落鉄しただの跛行しただので駆けずり回って疲弊する、という。三すくみみたいな状況になっているんです。馬関係者って暗くなりがちなんですが、こういう状況にほぼ例外なく放り込まれちゃうから、というのがあるんじゃないか。激論して大喧嘩になる、方がまだマシですが、問題は、どこから問題に手を付けていいか分からない、という点。

 昔から、蹄病に関わる要因はこうじゃないかといわれています。

1)蹄質:サラはダメだ、と言われてますね。自分の馬はサラなんですけどね。サラは蹄底が薄い・蹄が柔らかい・裸蹄に向かない、と。特にサンデーサイレンス・ディープインパクト産駒あたりの蹄底が薄い、といわれてます。こないだ、どこかの調教師さんが走る馬は蹄底が薄いとかなんとかおっしゃってたそうなんですが、そもそもサンデーサイレンスの蹄底が薄い、その子孫にその遺伝が受け継がれちゃった、けど、走る馬が圧倒的にサンデー系だから、というだけの話です。ディープもサンデーサイレンスの子孫ですしね。

 栄養については、サラの若馬に対する給餌内容はひどいもんで(人間の栄養常識を、全く消化器構造と機能が異なる草食獣の馬に当てはめて濃厚飼料を過給するのは、ほぼ意味ない、どころか、健康被害を引き起こしてオシマイになるケースが多い)、そのせいで胃潰瘍だの蹄葉炎だのが起こる、のはほぼ間違いない。しかし、それは乗馬馬にはあまり関係ないように思うんですけどね・・・・。尤も、濃厚飼料信仰はかなり根強くて、そのせいで馬ががれてるのに気付いてないクラブも多そうなんですけど。金かかるからやめた方がいいですよ。

2)環境:床の衛生状況・敷料・馬場の材質等々。どこも色々工夫しているんですけどね・・・・。じとじとした湿気の多い日本だから蹄病が多発するんだ、という説もあります。推測ですが。

3)削蹄師や装蹄師の技術や見立て:率直に言って、どの方が関わっても、最終的に馬は蹄病になります。どうもそうらしい。装蹄でなんでも治る、と豪語している方もいらっしゃいますけど。。。。言っちゃなんですけど、こういう事を言う方は人の話を聞かないケースが多いから要注意です。

 ところが、この辺がわりとちゃんとしているはずの半野生馬とか、放牧を主体にしているような乗馬クラブでも、実は蹄病は頻繁に起きていて、ちっとも解決しないんですよ。濃厚飼料は慎重に避け、おやつも与えない、広い牧草地に放牧してあまり騎乗もしない、それでも蹄病は発生する。それから、動物園。馬だけでなく、有蹄動物の蹄がとにかく状況悪い。これは多摩動物園に実際に行ってみて気づいたこと。多摩動物園にいる野生馬、蹄葉炎になっちゃってるんですよ・・・・。なんでだよ~~?

 旧来の蹄管理に重要とされる3要素をなんとかちゃんとしようとしているオーナーもクラブも装蹄師も、結局蹄病の発生を抑制できていない。

 では、疫学的な調査をするとどうか?

 疫学という研究分野はこういうもので、要は環境や周囲の状況から疾患について考えようとするもの。馬の蹄病については、その疫学的な考察をどこかの大学が行っていたような覚えがあります。ウマ科学会の学術集会で発表されて、それを聴講した。その研究の結論としては、「疫学的な特徴は認められなかった」だったと思う。それはそうだ、というのはこちらの意見でそれはこれから書いていきます。 

 今は、疫学調査って、うまくするとPCの前に座ってるだけでできちゃったりするんですよ。FBに馬や蹄のグループ・FBぺージが山ほどあって、それをじっくり観察するだけで、疫学調査ができてしまう。そうすると、例えば、寒立馬に蹄の問題が起きていることも拾える。一方、蹄のグループって英語圏に山ほどあって、要は世界中のどの国・地域でも蹄病は起きているし、上の図式みたいな問題が起きている、ことが分かるんです。相談内容は似たり寄ったりで「蹄の状態が悪い、なぜだ?装蹄師が悪いのか?餌が悪いのか?環境のせいなのか?どうすればいいのか?」というもの。世界中の馬の飼主が悲鳴を上げている。疫学的な傾向が全くつかめないように見えるんです。