Ⅲ)日本は「自然エネルギー大国」になれる条件を備えている
その3 地下資源はまもなく枯渇する
日本の地下埋蔵資源が少ないのは事実だが、地下資源は有限である。このまま使い続けると世界の地下資源は、石油で約50年、最も長い石炭で150年前後、原発燃料となるウランは100年もたないのである。シェールガスに沸くアメリカのエネルギー省でさえ地下資源の枯渇のため、今後、世界の石油、天然ガスの価格が2倍以上上昇する見通しを明らかにしている。
地下資源だけが天然資源ではない。まして地下埋蔵資源の少ない日本は、日照時間、風、森林、水、地熱など世界でも有数の、ある意味では無限の、天然資源に依拠した道に早く踏み出すことが必要だ。
この点で、2012年7月以降の太陽光発電容量は2012年末までで117.8万キロワット、つまり原発一基分の太陽光発電が新たにはじまり、認定を受けた設備容量が523.6万キロワット。認定分と合わせて原発6基分が発電可能となった(資源エネルギー庁2013,3,13発表)。こうして自然エネルギー自給の大きな可能性があることを一年も経たないうちに証明することとなった。
吉井英勝衆議院議員(当時)や日本環境学会などは、日本の国土には再生可能エネルギーの物理的潜在量の多さを訴えつづけてきたが、環境省は原発事故後の2011年4月になって、日本の自然環境は「再生エネルギー大国」の条件を備えていることをやっと認めた。
平和問題研究家 長尾正典