終戦の日を前に読んでみました。
実際に密約があったのはボクが中学生の頃の出来事ですが,その後の密約にかかる報道にはショックを受けたことを覚えています。
こうしたことをすべてひっくるめて沖縄が返還されたのだけど,当時の首相だった佐藤栄作氏は緊急時に米国の核兵器を沖縄に再び持ち込むという密約に合意しながら,ノーベル平和賞を受賞したんです。
彼はどんな思いで受賞したんだろうね。
やむを得なかったというべきなのか。
密約などなかったとしらを切りとおしたのですから。
しかし,密約があったことが明らかになった時点でノーベル財団は佐藤氏からノーベル賞の自主返還を求めるべきだったんじゃないだろうか。
政治家は化け物だなあとも思うし,そうでなければ務まらないとしたら,それを子供にどのように説明すればいいんだろう。
密約についての詳細は以下をお読みください。
ブックカバーには以下の解説があります。
「沖縄が米国から日本に返還されてから半世紀。佐藤栄作首相とニクソン大統領が返還に合意した際、緊急時に米国の核兵器を沖縄に再び持ち込むことを日本が認めた密約は,戦後日本の外交・安全保障が抱えるジレンマを今も私たちに突きつける。その密約に関する新たな文書を著者は見つけた。佐藤首相に向けに書いたシナリオで,首相密使を務めた国際政治学者・若泉敬氏の直筆とみられる。若泉氏が過去を告白した1994年の著書にしか記されていなかった密約に至る経緯を,「若泉シナリオ」は濃密に物語る。日本外交史の研究者たちからは一級の史料だと驚く声が相次いだ。本書では「若泉シナリオ」の全文を示し,徹底検証。沖縄返還交渉でのもう一つの密約である費用肩代わり問題を新聞記者として追求した西山太吉氏が,亡くなる前年に応じたインタビューも掲載する。」
とあります。
さて,その「密約」とは何か?
本土並みの返還,すなわち「核抜き」のはずなのに,緊急時には米国の核兵器を再び持ち込むことを日本が認めたことです。
そして,この密約にかかわる新たな文書が見つかったのです。
それは,佐藤首相の「密使」を務めた若泉敬氏の直筆とみられるもので,見つけたのは朝日新聞編集委員の著者です。
本書では,その新文書である「若泉シナリオ」の内容・意味を解明しています。
さらに,もう一つの密約である「日本による費用肩代わり」の問題にも触れています。
外務省の女性事務官とともに逮捕・起訴された西山太吉氏(元毎日新聞記者)へのインタビューは興味深い内容でした。
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