ボクがこの本を手に入れたのはロシアのウクライナへの侵攻が始まる前ですが,読み始めたのは3月初旬にゼレンスキー大統領がアメリカ議会で行った演説の後でした。
彼の演説は以下の内容でした。
「真珠湾攻撃を思い出してほしい。1941年12月7日,あのおぞましい朝のことを。あなたの国の空が,攻撃してくる戦闘機で黒く染まったときのことを。9月11日を思い出してほしい。2001年のあのおぞましい日のことを。悪があなた方の都市を独立国の領土を戦場にしようとした時のことを。私たちはこの三週間,毎日,毎晩同じことを経験している」。
ボクはこの演説を聞いて違和感を覚えたので,そのことをブログにアップしました。ココ
しかしこの本を読んで自分の勉強不足を痛感しました。
多くのアメリカ人にとっては真珠湾攻撃と9.11は同列だということなんですね。
とても残念なことだけど。
であれば「広島,長崎,東京大空襲」も同列になるのではないでしょうか。
日本人ならそう思って当然でしょう。
しかし,彼らはそうは見なかったのです。
日本人は一般大衆も軍需工場で働く労働者であって,兵士を殺すのと同程度の打撃を与えることができる。
誰もが何らかの意味での戦闘員だとみなしていたのです。
なんと身勝手な解釈でしょう。
このことについて第8章に詳細が記載されています。
そして,読み進むうちに戦争とテロの違いは何かという疑問が生じてきました。
自民党の新藤義孝政調会長代理は、先日のフジテレビの「日曜報道 THE PRIME」の中で,ウクライナで起こっていることは戦争ではなくロシアの一方的な侵略だと述べていましたが,それは言葉の定義であって国民から見れば戦争もテロも変わりはないのではないか。
過去を振り返ればよくわかります。
ブックカバーの折り返しには以下の記載があります。
「自らに都合の良い思考、異論や批判の排除、過度のナショナリズム、敵の動機や能力の過小評価、文化的・人種的偏見――今もなお世界を覆う「戦争の文化」の本質を、真珠湾攻撃から原爆投下、九・一一事件、イラク戦争に至る日米の愚行を通じて描き出す。」
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