新疆ウイグル自治区に対する習近平の取る政策が注視されているが,実際に何が行われているのか,我々には真実が伝わってきているのか。
ウイグル人に対する人権侵害が本当に行われているのか。
そうしたもやもやとした疑問を抱えていたところ偶然この本に出合いました。
カバーの折り返しには以下の記載があります。
「中国西北部に位置する新疆ウイグル自治区。国土の6分の1ほどの面積に、約2500万人が暮らす。1955年に自治区が成立した当初、中国共産党は少数民族の「解放」を謳った。しかし,習近平政権の下,ウイグル人らへの人権侵害は深刻さを増している。なぜ中国共産党は「教育施設」へ収容するといった過酷な当時姿勢に転じたのか。信教地域の歴史を丁寧にたどり,その現在と未来を考える。」
本書の前半は歴史的な説明に終始していて少々退屈してきましたが,読み進めていき第6章で引き込まれていき,特に最終章は読みごたえがありました。
まさにそこが知りたかったところです。
著者はあとがきで「第三者的な立場から書くように心がけた。また,近現代信教の通史を客観的に論じた」とされています。
確かに,多くの政治家や識者が「ジェノサイド」を結び付けている中,著者は人権侵害について客観的にとらえていることがわかります。
そしてこの問題は香港に置いて2019年に起こった「国家安全維持法」に掛かる民主派の抗議デモに端を発し,台湾との関係に密接に関係することから,さらにややこしさを増しています。
ウイグル自治区に住む民族は全く関係のないことに巻き込まれているということです。
まずは現実を知るところから始めて何ができるのか考えてみたいと思いました。
お勧めの一冊です。
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