ボクはメルケルさんの首相時代の政治手法そして考え方に共感してきました。
今年の夏に「メルケル 世界一の宰相:カティ・マートン著」を読んでますます素晴らしい政治家だと思い,今回,この演説選集を読んでみたのです。
予想通り,メルケルさんらしい演説です。
派手なパフォーマンスはなく,事実に基づき淡々と語っています。
この本は彼女の演説の中から3編を選んで旧東独の老舗出版社編集長が選集したものだそうです。
表紙カバーには以下の記載があります。
「ドイツ再統一から15年後,アンゲラ・メルケルは初の女性,また初の旧東ドイツ出身者として首相の座についた。学術ではなくあえて政治の道を選んだその当時について,メルケルはかつてこう語った。「ドイツは私を変えた,そしてドイツは私たちのすべてを変えたのです」と。アンゲラ・メルケルは就任から16年,4期にわたる任期を数多くの課題に取り組みながら勤め上げ,ドイツにその確かな軌跡を残し,ドイツを変えた。そして今,メルケルはドイツ連邦首相を退任したが,今後も彼女なりのやり方で民主主義のために尽力していくことだろう。」
メルケルさん自身については前述の「メルケル 世界一の宰相」に綴られているが,ここで少し紹介しておきたいと思います。
ドイツの第8代連邦首相であるメルケルさんは,1954年に旧西ドイツ・ハンブルクで福音主義教会牧師の父と英語教師の母との間に生まれます。
生後間もなく旧東ドイツに移住して,ブランデンブルク州テンプリーンで幼少期を過ごします。
ライプツィヒ大学で物理学を学び,ベルリンの科学アカデミーで働くことになります。
1986年には博士号を取得します。
1989年のベルリンの壁崩壊を受けて政治の世界に足を踏み入れ,ドイツ統一直後の1990年12月の連邦議会選挙でキリスト教民主同盟(CDU)から出馬して当選します。
コール政権で女性・青少年相、環境・自然保護・原発保全相を歴任し,その後2000年にCDU代表に就任します。
そして2005年に女性としてはドイツ初の連邦首相就任を果たします。
その後,ユーロ危機,難民受け入れ,COVID-19流行など数々の難局に対応しながら4期16年にわたる長期政権を維持し,2021年12月に退任、政界からも引退しました。
潔いと思いませんか?
首相引退後も居座る日本の麻生さんなどは見習うべきです。
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