北海道旅行中に読んでみました。
ブックカバーの折り返しに以下の記載があります。
「1971年8月の「ニクソンショック」に端を発し,狂乱物価,円の暴落,貿易赤字の急拡大という「三重苦」に見舞われ大混乱に陥った日本経済。時の為政者や大蔵省,日銀のエリートは,なぜ事態を防げなかったのか。彼らは何を誤ったのか。歳月を超えて当局者たちが残した膨大なオーラルヒストリーや日記,指針等を独自に入手し,近代経済史に残る一大事件の舞台裏を精密に検証する。我々は半世紀前の失敗から何を学べるのか。」
ニクソンショックは私が中学生だったころのことです。
当時はドルと金の交換を停止するといっても一体何のことやらわかりませんでした。
多くの日本人はその程度だったのでしょう。
それがのちの狂乱物価に繋がっていった。
その過程で為替の自由化に対する適切ではなかった日銀の対応。
そうしたことが詳細に綴られています。
1ドルは360円だって学校で教えていた時代です。
それがスミソニアン協定によっていきなり308円と言われても国民は理解できません。
日銀や政府だって手探りの状態の中,国際社会と渡り合ってきたことがよくわかります。
しかしそれが現在の日銀で行かされているのか。
ニクソンショック後の金融緩和から引締めへのタイミングを誤ったこと,プラザ合意後の長期の金融緩和でバブルを招いたこと。
そうした過去を学ぶことなく黒田総裁はデフレ後のゼロ金利から量的緩和,そして異次元の緩和という失われた10年を招きました。
ニクソンショックから半世紀が経過しましたが,その間の政府,日銀,大蔵省(財務省)での出来事がわかりやすく記載された一冊でした。
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