サブタイトルには,「日本最大の企業」の栄光と崩壊と記されています。
しかし,その栄光の時代は長くは続きませんでした。
表紙の折り返しには以下の記載があります。
「1949年に誕生した国鉄は,復旧途上の設備で旅客。貨物輸送を一手に担い,戦後の高度成長を支え,新幹線も作った。「鉄道は国家なり」であった。だが交通手段の多様化でシェアは低下,自律的な経営もままならず,赤字が雪だるま式に増え,労使関係も悪化,ついに1987年に分割民営化された。今,人口減,IT化、コロナ禍を受け,鉄道は再び危機に瀕している。国鉄の歴史に何を学ぶか,JR九州初代社長が明かす。」
とあります。
なかなか興味深いと思って読み進みました。
現在のJRが『国鉄』となる以前は『鉄道省』が業務を管轄していました。
大きな変革があったのはやはり大東亜戦争でしょう。
戦後のGHQの介入も国鉄にとっては迷惑なことでした。
戦後の復員者を大量に雇い,その後の人員整理。
巨大化した組合と労使協議。
ボクが子供のころにはスト権スト,順法闘争などが頻繁に行われていました。
電車が止まった線路を歩いて学校に通ったこともありました。
それが今や組合は弱体化して,官製春闘などと言うことが行われる時代になりました。
時代の流れとはいえ,かつての勢いは何だったんだろう。
勤務時間内に風呂に入ったり,引っ越しを行ったり。
今では考えられないようなでたらめなことが行われていたのは事実ですけど。
でもね,時間に正確で世界に誇れる国鉄は日本の自慢でもあったと思うのです。
これから雪崩のように減り続ける人口にどのように対応していくのでしょうか。
間違いなく切り抜けて発展していくと思うのですが,今最大の問題はリニア新幹線ではないだろうか。
これはは失敗だったとボクは思っています。
途中で撤退するべきでした。
もう一点,文中でボクには理解できない部分がありました。
第8章279Pに出てくる唐突な小見出し『自治体や公的事業体なども似ている「症状」「病状」』です。
これには理解に苦しみました。
現在におけるこれらの団体が国鉄の末期と似たような状況だというのです。
そして,「今のうちに自立改革に着手すれば,再生は十分に可能だ」とも。
確かに国鉄の末期と同じ時期は自治体も同様だったかもしれません。
夕張市の破綻もありました。
しかし,現在の自治体は現在のJRよりもよほどしっかりした経営をしていると思われます。
著者は少し勉強が足りませんね。
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