久しぶりに五木寛之氏の作品を読みました。
ボクが初めて五木氏の作品に出合ったのは中学生のころでした。
多くの若者がそうであったように「青春の門」で五木作品にはまりました。
それ以来新作が出るとすぐに読んでいたのですが,いつのころからか五木氏は小説が減り,エッセーなどの作品に力を注ぐようになっていきました。
そうしたこともあり,もう何十年も氏の小説を読んでいませんでした。
今回この作品を読んだのは,たまたま本屋さんで「余命」というタイトルが目に止まったからなのですが,作者が五木寛之さんだったから手に取ってみたのだと思います。
もう90歳になられるということを知ってボクが読む氏の最後の作品にふさわしいなと思いました。
第一章の「幸せとはいえないのが,長寿者の大半」という小見出しのフレーズが現代の長寿社会を直球でとらえていると思いました。
そしてそこに記載されている以下の二行が心に残りました。
「自ら死を選ぶことは,悲劇です。しかし,自らの意思に反して長くいかされることも,決して望ましい人生でない。ふと,そう思うことがあるのです。」
多くの人がそう思っているにもかかわらず,実際には医療器具につながれた状態で意識もないまま生きながらえているのが現状です。
これからは生前に意思表示を残すことができるシステムを導入してほしいと思う。
当然医療費の削減にもつながります。
ボクは常々家族に延命治療をしないように伝えています。
痛さも感じないような状態になっていたとしても,延命治療なんてしてほしくありません。
できることなら死期を悟ったら,像のように自ら最期の場所に行って人生の最期を迎えたい
それはかなわない夢だとわかっているけど。
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