ATE350使用レポート（その４）

　トラブルに見舞われていたATE350がメーカーさんから速攻で戻ってきました。分解は難しいとのコメントはいただいていましたが、結局新品と交換していただきました。原因などの説明はいただいていませんが、迅速なご対応に感謝感謝です。一度、「気が向いたときにいつでも気軽にHF野営運用ができる」という機動性を体感してしまうと、手元にATE350が無い期間が寂しく感じられるほどでした＾＾）。

　２月１０日のトラブル（「ATE350使用レポート（その３）」参照）発生以来、北安曇郡、大町市移動と２回強行運用しましたが、やはり肝心の設営撤収性能にトラブルがある状態での継続使用は困難と判断し、販売店さんとも相談した上でメーカーに返送。中二日で送り返していただき、１９日の岡谷市移動から復活しました。１９日、２２日と２回運用した限り、現在のところまったく問題ありません。トラブルの原因は、何らかの初期不良だったのか、はたまた私の取り扱いの問題だったのか、現在のところ不明ですが、今日まで設営撤収作業を繰り返した中で、いくつか気をつけたほうがよいと思われる点を報告しておきます。

・設営撤収は「やさしく」

　アンテナが、結構厚手のアルミパイプでがっちりできているので、釣竿グラスポールに比べてラフに扱いがちになりますが、接合部のロック機構はかなりデリケートな模様。ロック爪位置を探すときや、爪にはめるときは、やさしくしてあげましょう。

・撤収時の「落下」に注意

　エレメント同士は、かなりスムースに出し入れができます。撤収時、ロックをはずした後にそのまま手を離すと、スト～ンと次の段まで落ちてしまいます。このとき、パイプの中では、アンテナ底部にロック機構下部が激突することになり、変形やバリ誘発の可能性があると思います。また、上部段はまだ伸びた状態ですので、この落下の衝撃が、各段のロック機構にもろにかかることになり、ロック爪の変形など、いいことはなにも無いと思います。

・設営撤収は「垂直状態」で

　エレメントは結構軽量で、かつ伸び縮みがスムースにできるので、斜めにした状態で作業をしてしまうことがありますが、伸縮時に斜め方向の力がかかると、パイプエッジにあると思われるロック機構に無理な力がかかり、これもトラブルの原因を作る可能性があると思います。

 

　その後のATE350での運用状況ですが、（その３）で紹介した、スペシャルエレメント１ｍ延長＋SG-231で、１．９MHｚまでばっちり運用できています。さらに、アマチュア衛星AO-7のAモード受信（２９MHｚ）にも成功し、野営無線運用において、幅広く応用できることが改めて確認できました。写真は１９日の岡谷市移動の時のものですが、諏訪湖畔はかなりの強風で、衛星用の八木設営を断念したほどでしたが、ATE350は、もちろんステーなしですんなり設営できました。耐風速30m/sのスペックは本物です。グラスポールに比べて、細身のエレメント、ワイヤー巻きつけ不要という、受風面積削減効果でしょうか。写真先端（スペシャルエレメント付き）がかなりしなっているのがわかるかと思いますが、大きく暴れることも無く、安心して運用ができました。（グラスポールなら、２０～３０度位は傾き、最悪オートクランクダウンする強さの風です）

 

　これがATU(SG-231)で、写真右側に「アンテナ」端子、左側に「接地」端子、「制御」および「RIG」ケーブルがつながっています。接地系統は、これまた人気のMAT-50を２連でつけ、かつ左手前に伸びているケーブルで、自動車のシステムキャリア固定ボルトに直結。おまけに左右後方に写っている、常設ビニール電線２０ｍｘ４本がつながっています。場合によっては、これに加えてビニール電線を四方に放り投げるのですが、今回はつないでいません。これで、１．９MHｚでSWR１．５前後を確保しています。岡谷市移動では、月曜日であるにもかかわらず、１８時から１９時の約１時間で、１．９MHｚ１５局、３．５MHｚ３２局とQSOしていただきました。時間的に夕方のQRVが多く、１．９MHｚや３．５MHｚがメインですが、以前の１０ｍ長釣竿グラスポール＋ATUとほぼ同等、２．５ｍ長ホイップ＋ATUから考えると、比べ物にならないほど快適に運用できるようになりました。

　ATE350にフォーカスしたレポートはこれでいったん終了しますが、今後も野営運用のレポートの中で、使用感や性能など、引き続きレポートしたいと思います。

<ATE350使用レポート（その３）>　　　<ATE350（その後）>

 

by taniyan 

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