とらいさぽーと

なぜ、TEACCHなのか

TEACCHによる構造化は、ASDスペクトラムの人の生活スキルや社会スキルの向上に繋がります。

なぜなら、個々の特性や成長段階、また環境から、より必要な支援を優先的に設定していくことが出来るからです。

構造化には、環境的構造化、視覚的構造化、時間の構造化があり、それぞれが独立しているわけではありません。

対象者が置かれている状況や場面で、優先とされる課題について対処できるように其々の構造化を取り入れます。

支援者は実践していく中で評価を繰り返し、修正点があれば再構造化を繰り返します。

・物理的構造化

その場は何をするところか、本人の特性を考慮して分かりやすく整理します。

聴覚、視覚、嗅覚、触覚、などの感覚の違い、また情報処理の仕方の違いなどを考慮に入れて場面を設定します。

例えば、聴覚過敏であれば様々な雑音や話し声のある場面では、対象者は自分の持つパフォーマンスを発揮することができません。

また視覚的に影響を受けやすければ、一つの部屋で着替えたり食事をしたり、用途の様々なものが置いてあるとその場で何をすればいいのか、分かりづらくなります。

・視覚的構造化

何を求められているのか、何をしていいのか、理解できるように「見てわかる」ように提示します。

ASDの人は視覚優位だと言われていますが、情報処理の仕方も様々なのでその点を考慮に入れて試みる必要があります。

使い方によっては有効なツールになりますが、使い方を間違ってしまうと本人にとって逆効果になってしまいます。人の動きや情報の伝え方にも配慮が必要です。

・時間的構造化

「いつ、どれくらい、終わりは、次は」といった時間の流れを本人が理解できるように設定します。

何をすればいいのか予測できない、把握できないことからくるストレスを軽減するために有効な支援ツールです。

見え方や長さ、伝え方など、どのような形態にするのか、やはり個々の特性により考慮する必要があります。

対象者の必要とする構造化が安定してくると、徐々に自主的な、前向きな行動が増えていきます。

それは人との関り方やルールやマナーを覚えることにも繋がります。

居心地の良い環境で、安心して過ごすことが出来れば、自分のしたいことが出来るようになります。

したいことをするために何をすればいいのか、自分のすることが分かるようになります。

TEACCHの支援はASDに限らず、神経発達症に限らず、だれにでも使える、だれをも傷つけない、当事者に寄り添った支援ツールなので、多くの方々にご理解頂いて実感してほしいと思っています。

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