公立美術館協議会とその事務局が入るある新聞社が仕掛けた
「美術館女子」がSNS上で物議を醸している。
「こんな『映えスポット』があるなんて」と美術館の作品を
背景に振り返ったアイドル女子。肝心の絵はボヤけて「可愛い」
女の子の顔が大写し。
よくとれば、若い女性にも美術館に足を運んで欲しいという
企画と思いたいが、美術館などは撮影禁止のはずである。
ま、そんなことは置いておこう。SNSで話題になっている
のは、
・「インスタ映え」のことしか考えていない
・美術館にいる若い女性を鑑賞する男の目線
・見映えのよい若い女性たちが「無知」の象徴とされている
などの批判である。
「~~女子」はもともと女性は苦手だという固定観念のある
分野に使われる傾向がある。しかし、美術館の来館者も学芸員
も圧倒的に女性が多い。
(「美術館女子」には)女性は見られる側という旧態依然の
ジェンダー意識が露骨に表れていると批判するのは、美術館で
学芸課長を務めた経験もある美術の専門家。
また、科学分野でもハードルを下げようとして「わかって
いない役回り」に若い女性を登場させるという安直な発想の
裏にある偏見を指摘する大学准教授もいる。
エッセイストの小島慶子氏は、ものを知らないという役割
を女性に与える企画はマスメディアに共通である。新聞社の
女性記者はわずか2割で視点の多様性に欠けている。
「女性は可愛くて未熟な存在」と典型化することへの批判
が強まっているのにメディアはその感覚に追いついていない、
と厳しく指摘する。
(6/23、朝日新聞「ニュース3Q」)
いやはやメディアでなくとも男としては耳が痛い話である。
散歩から