猛烈な台風14号、台湾南部で観測史上最大の瞬間風速記録
2016年09月14日 16:57 発信地:台北/台湾 AFP
台湾をスッポリ包んでいる台風14号
9月14日 AFP】今年最大規模とみられる台風14号(アジア名:ムーランティ、Meranti)は14日に台湾南端を通過し、18万世帯以上が停電するなどの被害をもたらしている。
台風14号はグリニッジ標準時(GMT)14日午前2時15分(日本時間同日午前11時15分)現在、台湾最南端の恒春鎮(Hengchun)の南西30キロにあり、最大瞬間風速は73メートル。台湾の中央気象局(Central Weather Bureau)によれば、恒春鎮の観測所は過去120年で前例のない強風を記録した。
台風14号は台湾に上陸はしていないものの、東部と南部は記録的な強風と豪雨に見舞われ、多くの地域では休校や休業が相次いでいる。また、東部沿岸部では電車が運休し、15日から始まる中秋節(Mid-Autumn Festival)で移動する人々の足にも影響を及ぼしている。
中央災害対策センター(Central Emergency Operation Center)によれば、危険地域では1500人近くが避難し、そのうちの半数が仮設の避難所に身を寄せている。
台風14号は台湾海峡(Taiwan Strait)に向かって時速18キロで北西に進んでいる。
<被害状況>
▽南部を中心に停電、断水
台湾電力によると、午後6時までに屏東県や高雄市などを中心に台湾全土で84万戸以上が停電。屏東県の車城郷や満州郷などでは道路沿いに設置された複数の電柱が倒れた。
水道事業者の台湾自来水によると午後4時までに屏東県と高雄市を中心に台湾全土で約71万世帯が断水しているという。ただ、停電の影響を受けているところもあり、復旧のめどは立っていない。
各地で浸水も起きたほか、トタン張りの建物が倒壊する被害も発生。台中市和平区では強風により、リンゴの落果が確認された。けが人も複数出ている。
▽台湾新幹線で一部運転見合わせ 航空便に欠航も
台湾高速鉄路(新幹線)では、午後1時38分頃、高雄市内で架線に強風で飛ばされたとみられる農業用の網が引っかかったため、台南―左営間で運転を見合わせている。
台湾鉄路管理局では南回線と阿里山森林鉄路が終日運休となっているほか、その他の路線でも運転区間の短縮や運休する列車が出ている。また、高雄メトロも高架区間で一時運転を取り止めたほか、高雄ライトレールや西子湾と旗津を結ぶフェリーも運休を決めた。
台湾桃園国際空港によると、午後5時までに72便が欠航。金門空港では台湾本島とを結ぶ36便が欠航したとしている。
河川の増水や土砂災害などの危険性があるとして、通行止めになる橋や道路も相次いだ。
「台湾の国連加盟に支持を」=民間団体、複数の米下院議員に呼びかけ
同会理事長の蔡明憲・元国防部長(国防相)は、下院軍事委員会のランディ・フォーブス氏や外交委員会のイリアナ・ロス・レイティネン名誉委員長など、長期的に台湾への支持を表明する議員らに対して、「台湾の声」を伝えたとしている。
フォーブス氏は下院を通過した国防授権法案に、米軍高官の台湾訪問を可能にする条文を盛り込んだとしたほか、環太平洋合同演習(リムパック)についても台湾の参加を希望すると語ったという。また、複数の議員からも台湾支持の考えを改めて表明されたとしている。