ミャンマー衝突、バングラへの避難者数が12万人超に 人道危機の恐れも
2017年9月5日 20:14 AFP
【9月5日 AFP】ミャンマーでイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の武装集団と同国の治安部隊が衝突したことを受け、
主にロヒンギャ難民ら12万5000人近くが隣国バングラデシュへこれまでに流入したことが分かった。国連(UN)が5日、発表した。
滞在する避難民の規模が拡大したことで、現地では人道危機の恐れもささやかれている。
国連によると、衝突が発生した先月25日以降、11日間でおよそ12万3600人が、戦闘が起きたミャンマー北西部ラカイン
(Rakhine)州から国境を越えてバングラデシュへと渡ったという。
バングラデシュに駐在する国連の調整官は報告書で、避難民の多くは屋外で寝泊まりしており、安全を求めて数日間歩き続けた
結果、食料および水を緊急に必要としていると述べている。
バングラデシュの著名な人権活動家であるヌール・カーン・リトン(Nur Khan Liton)氏は、「新たな難民が洪水のように押し寄せて
いる結果、現地では大規模な人道危機が浮上している」と指摘。
「人びとは難民キャンプ、路上、学校の校庭、屋外で寝泊まりしている。森を切り開いて新たな居住地をつくる一方、水と食料に関する
深刻な危機が存在している」と語った。
ロヒンギャ数千人がミャンマーから避難 「命がけで逃げた」
ミャンマーとの国境に近いバングラデシュのウキヤで、休息を取るロヒンギャ難民ら(2017年9月4日撮影)
ミャンマーとの国境に近いバングラデシュのウキヤ付近まで避難してきたロヒンギャ難民ら(2017年9月4日撮影)
ミャンマーとの国境に近いバングラデシュのウキヤで、仮設の避難所にとどまるロヒンギャ難民ら(2017年9月4日撮影)
マララさん、ロヒンギャ問題でスーチー氏の「沈黙」を批判
2017.09.05 Tue posted at 12:01 JST CNN
ミャンマーでのロヒンギャ迫害について、マララさんがスーチー氏に対応を呼びかけた
(CNN) 史上最年少でノーベル平和賞を受賞したパキスタン出身のマララ・ユスフザイさん(20)はこのほど、ミャンマーで報告されて
いる少数派イスラム教徒ロヒンギャの人権侵害をめぐり、同国のアウンサンスーチー国家顧問が沈黙を続けていると非難する声明を
出した。
マララさんは声明で、ロヒンギャの「痛ましく恥ずべき扱い」を数年前から非難してきたと振り返り、ミャンマーの事実上の政権トップで
同じノーベル賞受賞者でもあるスーチーさんが「同じように非難してくれるのを待っている」と強調。「ロヒンギャの人々も待っている」と
呼び掛けた。
ロヒンギャの人々の苦難に心を痛めていると述べ、「何世代にもわたり暮らしてきたミャンマーが祖国でないとしたら、祖国はどこにある
のでしょう。生まれた国であるミャンマーが市民権を与えるべきです」と訴えた。
さらに、ミャンマーの隣国バングラデシュがロヒンギャ難民に食糧や避難場所、教育を提供していることを指摘し、「私の母国パキスタン
を含め、他国はバングラデシュを見習うべき」と述べている。
マララさんは、女子が教育を受ける権利を主張してイスラム武装勢力タリバーンの銃撃を受け、奇跡的な回復を遂げた。
2014年にノーベル平和賞を受賞し、先月には英国の名門オックスフォード大学に合格したことを発表していた。