西側メディアは南中国海問題の基本的事実を尊重すべき
2016/6/23 人民日報
最近、西側メディアは南中国海問題の意図的誇張においてまた新たな手管を弄している。
一つ目は中国の南中国海「コミュニティ」を疑問視することだ。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、南中国海仲裁裁判で中国の立場を支持しているのは8カ国しかないと報じた。
二つ目は、南中国海における中国の歴 史的権益への中傷だ。
BBCは海南省の漁民・蘇承芬を訪ねて、彼が保存していた『更路簿』を捨て去ったことを「知った」と報じた。
BBCはあろうことか、 これによって中国は南中国海の領有権主張の「動かぬ歴史的証拠」を失ったとした。
全く常軌を逸している。(文:華益声・国際問題専門家。人民日報海外版コ ラム「望海楼」掲載)
見識ある人なら容易に見抜けることだが、両メディアの報道には明らかなぼろがある。
多くの国や国際組織は南中国海問題における中国の立場を理解し、支持し ている。
これは厳粛な姿勢表明であり、共同声明などの形で発表した国もある。
もし中国の発表した情報が事実とそぐわないのなら、こうした国々は公式ルート を通じて否定するはずであり、
西側の一メディアに代言してもらう必要はない。
また、中国は誠実を重んじる大国であり、中国がどれほどの国々の支持を得てい るのかは非常にはっきりしている。
『更路簿』は南中国海の漁民が南中国海諸島の開発・経営の過程で、海南省の方言で書き、文字と地図によって描いた航海マニュアルだ。
漁民にとってこのマ ニュアルは家宝で、大切に保存し続けてきたのであり、勝手に捨て去ることはあり得ない。
近年、中国政府は南中国海の主権権益に関する証拠を系統的に整理 し、すでに多くの関連資料を収集している。
ましてや『更路簿』は歴史的証拠の一部に過ぎない。
西側の記者がどうしても『更路簿』一書をことさらにあげつら い、南中国海における中国の歴史的権益を否定しようとするのは、
明らかに牽強付会で、全く筋が通らない。
西側メディアは一貫して客観性と公正性を標榜し、何かというとニュースの真実性と信頼性を語り、名声を重んじる姿勢を見せている。
上述の2つのニュースには明らかに欠陥がある。彼らの意図は何か?
一時期、西側メディアは相次いで中国に焦点を定めた世論戦を展開した。
一部の国は西側メディアの「大型拡声器」攻勢の下、中国が「国際法違反」のレッテル を貼られ、孤立し、
最終的に仲裁を受け入れざるを得なくなり、さらには南中国海での活動を停止すると考えた。
だが実際には、中国を公に支持する国は増えて おり、中国も権益維持行動を効果的に実施して、罠にはまらなかった。
この攻勢が期待した効果を得ず、またフィリピン仲裁裁判の結果が近く発表されることから、
西側メディアは急いで「新たな道を切り開き」、新たな世論戦を開 始した。
ウォール・ストリート・ジャーナルは離間を煽り、中国のコミュニティをかき乱し、中国支持勢力を弱めようとした。
BBCが中国の一貫して強調する 歴史的権益を直接のテーマとするのには、中国の領有権主張の根幹を揺るがす狙いがある。
いずれの計略にも陰険な魂胆がある。
だが、目先の功を焦る余り、影響力の大きいこうしたメディアは報道の大きなタブーを犯した。
明らかに偏見を帯びた報道は少数の人々ならだまし得るが、大多 数の見識ある人々はこうしたメディアの権威性に疑念を抱く。
事実を尊重しないこうした西側メディアの報道は、彼らが長年の努力によって築いてきた「名声」 も損なうかもしれない。
中国は西側メディアが南中国海問題を報道することに反対しているわけではない。
だが、それは客観性と公正性を堅持し、南中国海問題の基本的事実を尊重することが前提条件だ。
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中国が批判してる西側メディアの記事
2016/6/19 BBC 抜粋
South China Sea: The mystery of missing books and maritime claims
南シナ海:紛失した書籍の謎や海事クレーム
漁民の蘇氏を訪ねて行った記者が先祖代々伝わる、南沙諸島のサンゴ礁に到達する、正確な航行の指示、
海里数を記録してある書籍(更路簿)を確認しに行った。
ところが蘇氏は「本は重要であったが、それが海水で腐食しボロボロなったので、本は捨てた」と言い
本は存在していなかった。この本は中国が南シナ海の領有権を主張する「鉄壁の証拠」だった。
その証拠はもうありません。・・・・(要約)
2016/6/17 The Wall Street Journal
中国、小国からの支持集めに奔走-南シナ海紛争
「60カ国」から支持を得たとの中国の主張に裏づけはない
【北京】アフリカ南部のレソト王国は南シナ海に明白な利害関係はない。
しかし、中国が自分たちの立場を支持しているとする約60カ国に含まれている。
中国は、南シナ海の領有権を巡る国際仲裁裁判で近く不利な判決が下される可能性をにらみ、けん制を強めている。
アジアから遠く離れたレソトなどの小国が突如関与してきた背景には、
フィリピンが常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)に中国を提訴した裁判の判決が近く下されることを踏まえ、中国が支持集めに奔走していることがある。
しかし、各国は中国が言うほど熱心に中国を支持しているわけではない。
仲裁裁判の裁定に応じる義務はないとする中国の姿勢に公に支持を表明したのは、わずか8カ国に過ぎない。
ウォール・ストリート・ジャーナルと米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)がそれぞれ確認した公式声明によると、
その8カ国とはアフガニスタン、ガンビア、ケニア、ニジェール、スーダン、トーゴ、バヌアツ、レソトだ。
中国を支持してるのは60か国とし国名は発表してません。(報道された国 シエラレオネ、モーリタニア、ガボン、ベネズエラ)
また、反対する国はベトナム・日本・アメリカなどの7,8カ国程度としています。
中国は「支持してる国は多く、反対しているのは少ない」と質ではなく量できてるんですね。
紛争に関係ない国をいくら集めても説得力はありません。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。