米海軍が南シナ海で「航行の自由」作戦 トランプ政権発足後初
2017/5/25.14:10 BBC
米海軍は24日、南シナ海で中国が造成した人工島の付近を通過する「航行の自由」作戦を行った。米メディア各社が報じた。トランプ政権発足後初の作戦実施となる。
匿名の情報筋がメディア各社に語ったところによると、ミサイル駆逐艦「デューイ」が人口島の美済(英語名ミスチーフ)礁から12カイリの海域を航行した。
中国は南シナ海のほぼすべての海域を領海だとしており、周辺国の領有権の主張と対立している。
米国は、国際水域はどこでも通行が国際法上認められていると主張している。
米国は南シナ海の領有権をめぐる対立で中立の立場だが、対立の焦点となっている島の近くに海軍の艦船や航空機を派遣している。米国は一連の行動を「航行の自由」作戦と呼ぶ。
米国はさらに、中国政府が戦略的水域における他国の通行を制限しようとしていると批判している。
中国が南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島に人工島を造成し、軍事拠点化を進めたことで、周辺地域に緊張が生じた。
米中両国は、双方が南シナ海を「軍事化」していると批判。世界的に深刻な影響を及ぼすような対立に発展する可能性が懸念されている。
トランプ政権は北朝鮮の核開発の抑止で中国の協力を得たい考えだが、今回の作戦は両国関係の「とげ」になりそうだ。
米軍は今月18日、中国の空軍機が前日に東シナ海上空で米軍機に異常接近したと明らかにした。米軍によると、米軍機は東シナ海上空の国際空域で放射線を計測していた。
これについて中国は反応していない。中国は過去に、米軍機が中国沿岸部近くの水域を偵察飛行したと非難したことがある。