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主夫の徒然なるままに

英語・英語・英語(5) 

「全国学力テスト」の結果が発表された。英語は4年ぶりの実施ということである。特に今回は、スピーキングが導入されたということで問題を解いてみることにした。
 高校受験を経験した生徒にとってはそう難しいレベルではないと思われるが、中3生の1学期に実施されると高得点は難しいかもしれない。多面的な角度から英語の問題を解かせようという意思がありありと感じる。
 
 中3受験生の最終段階では、リスニングや自由英作文、現代的な話題、IT関連の問題などいろいろな角度から問題演習と対策を行うので、戸惑うことは無いと思われるが、中2終了段階では、正答率46%程度であることに納得する。ただし、早い段階で、英検3級や準2級の勉強してる生徒であれば目新しさは少なく高得点ができるのではないかと想像される。

 近年、生徒学生たちの国語力の低下が問題視されているが、この英語テストの問題を見ていると、読解力のない生徒たち、つまり、質問の意味や英語問題が読めても内容が理解できない生徒たちには、難しいテストかもしれないと思った。まずは、設問を理解しているかどうかのパーセンテージを知りたい。けれども、新自由主義的教育方針である現在の教育、つまり、できる子はどんどん伸ばしていこうという雰囲気では、問題を読めない生徒、読解力のない生徒はそのまま置いてきぼりであろうと感じた。

 スピーキングテストの結果は、12、4%の正答率である。ある日突然、英語で意見を言え、それも1分考えて、20秒以内でと言われたらやはり英語環境にいつもいる生徒かその手の訓練をつんだ生徒以外は難しいのは当然であろう。それにしても、生徒全員がICTのおかげで、話す英語の能力を個別に点数化できるのには驚いた。が、採点は、だれがしているのだろうか、AIがするようになるのだろうか。採点基準は、発音の正しさ、流暢さ、文法の正しさ、内容の高度さなど明確であり、それをもとに判定しているのだろうか。個人的に、英語の発音と流暢さでは、私よりはるかにじょうずと思われる生徒がいたが、話している内容が低レベルすぎるという場面も多々あった。昨年度始まった東京都のスピーキングテストでも採点基準の問題は尾を引いているようだが、しっかりと公開してもらいたいものである。イチロー選手の英語を聞いたが、まるで日本語英語だった。しかし、内容はすばらしかった。いったい、彼の英語は、何点として採点されるのだろうか。


 日本人の英語能力を国際語学教育機関「EFエデュケーション・ファースト」(本部・スイス)の順位表で表すと

 2011年 11位   
  → 2015年 30位  
   → 2018年 53位 
    → 2022年 80位 

 英語をこれだけ勉強させられて、112か国中 80位には驚かされる結果だ。しかし、よくデータを見てみると日本人の英語力が下がっているのではなく、世界の国別英語力が上がっているので、相対的に日本の位置が下がっていることがわかる。ただし、日本人の年齢別英語力では、40代以上では、過年度より多少上回っているのだが、30代以下では、過去の英語力よりも下がっている。ゆとり教育が悪いのか、アンチゆとり教育が悪いのか、早期小学生英語学習が問題なのか。検証が必要だと思う。それにしても日本人に英語を強制すればするほど英語嫌いが増えているのかもしれない。

 さて、英語スピーキングテストの悲惨な結果を見て、中学校では、どんな対策をとるのか心配である。塾業界は、これこそチャンスと多額の授業料がみこめる英語スピーキングテスト対策に奔走するのは目に見えてくる。
 
 不思議の国の英語対策。英語のスピーキングできれば、豊かな日本になるのだろうか。英語のスピーキングでお金持ちの家庭を築けるのだろうか。



 

















 
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