ピーターパンシンドローム(PPS)は病名も簡単なら、客観的確認も比較的簡単である。
にもかかわらず、患者がどこにいるかを探すのは、「二つ目の角を右に曲がって、それから朝になるまでまっすぐ」の住所を探し当てるのと同じくらい、むずかしい。
成人男性をPPSかどうか見極める際には、慎重に調査する必要がある。
というのも、一見いかにもPPS風に見えても、まったく違うという”ニセモノのPPS”と、一見PPSには見えないけれど、実はそうだという”ホンモノのPPS”があって、まぎらわしいからだ。
一見、人付き合いが怖そうに見える人でも、人付き合いを上手にやっている人もいるのと同じだ。
それに、もっと面倒なのは、想像力が旺盛であるとか、いつまでも若々しくありたいというPPSの特徴をそなえた、立派に成人した男性がたくさんいるからだ。
彼らを、1,2の特徴が見られるからといってPPSだと判定するのは、意識不明の人間を死亡と診断するようなものである。
第一印象だけで判断してはいけない。
ピーター・パン人間(PPS人間)と断定するためには、日常生活や対人関係に支障をきたしていることが、まずその条件である。
つまり、ただ子どもみたいに振る舞うという程度を超えて、どうにもこうにも子どもっぽいという場合に、PPSの特徴が問題になるのである。
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次に、あなた目の前にいる男性がピーター・パン人間かどうかを判定するテストがある。
すすんでテストを受けようという男性には、これはなかなか有効なテストになる。
ただし、ここで警告したいのは、ホンモノのPPSの場合、このテストを「これほど愚かしく、つまらないテストはない」と感じるだろう、ということだ。
いや、本気で腹を立てるかもしれない。
なぜならば真相を知るのが怖いからだ。
しかもできるなら、そのことに触れないですませたいからだ。
表向きはバカらしいと笑い飛ばしてみせるけれど、内心は怖くてたまらないはずなのだ。