大島の空の下で

伊豆大島在住の中年のおっさんのブログです.日々の出来事を綴っていきます.一部は mixiとマルチポスティングしています.

今週読んだもの

2006-08-17 03:38:02 | Weblog
八月の路上に捨てる

ハードなトラドラ家業を黙々とこなすシングルマザー水城絵美とシナリオライターへの夢を捨てきれないハンパ生活のアルバイト助手佐藤敦の一日. 
シングルマザーによる男勝りの肉体労働を描きながら何かを伝えようとする物語をどこかで読んだ気がしていたが,平成十三年下期の芥川賞受賞作品 「猛スピードで母は」 があったことを思い出した. あの小説には世のシングルマザーたちへの応援歌的な読後感があったがこちらの作品もやや重たい人物像ながら好感の待てるシングル振り.ただ,物語半ばまで絵美を痩せ気味のかっちりしたタイプの女性とイメージしていたのだが,取引先のセクハラおやじに「そこのホルスタイン」と呼ばれる場面で初めて作者のイメージと食い違っていることに気付く.読み手の想像力のせいなのか作者の筆力の問題なのか,これから読まれる方はぜひこの点に注意してみていただきたい.

敦は大学内で知り合った編集者志望の女と脚本家志望の男のカップルの片割れ.
お互いの持つロマンに惹かれての結婚だったが立ちはだかる現実を前に二人とも夢から少しずつ後退していく.そこに生じるすれ違い,理由のわからない嫌悪感そして別れ.そのいきさつを車内で語りながら合間に最後の乗務日となった絵美の一日を描写していく.

三人称をまじえて語られる敦のモノローグには破綻しつつある男女の機微が実にリアルに描かれているのに対して,絵美の方はほとんど行動描写なのに彼女の人生がとてもスッキリと見えてくる.表現方法の対比がなかなかニクイ.このところ暴力描写や不条理な感情を描く作品が続いたような気がするので久しぶりに素直におもしろかったと言える芥川賞受賞作だった.

【複合】 昨晩は大島でジャズライブそして…

2006-08-17 00:39:44 | Weblog
8/14・15の2日間,地元大島ででジャズライブがありました.今年で6回目だそうですがワタシは初めてでした.

管の鳴り物が max 4本 (tr×2 sax tb) というにぎやかな編成でスタンダードナンバーを休憩をはさんでタップリ4時間.最前列で聞かせてもらいました.久しぶりに生音を浴びてリフレッシュしました.

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うって変わって今夜は最近入手した骨董品イジリです. 40年以上前に作られた送信機です. 手持ちの資料の中から回路図を発掘できたのでこれを片手に簡単な動作チェックをしました. 
一度だけ パチッ!! という音とともに火花が飛びましたが古い機械にはよくあること.発煙が無ければまず問題ないので意に介さず送信動作の試験を続けました. 周波数は 3.545MHz かねて用意の FT243型水晶で行いました.
鉄製ケースの側面にやや重篤な発錆があるものの出力そのものは定格どうり10Wを安定して出しています.
中学生だった頃は手の届かない憧れの機械ですが今回入手に当たっての送料や振込み手数料を含めた合計金額は10K円をわずかに下回りました.満足 まんぞく (^-^)

考えてみれば子どものころ買えなかったおもちゃを何十年もたってからも追いかけるなんてずいぶんと執念深い趣味です.