ワタシはラジオを聞くのも,集めるのも,作るのも好きです.
今日はそんな中年男の独り言です.
拙宅のワタシの遊び部屋は6畳の洋間です.この狭い空間に大小取り混ぜて21台の中波放送の聞けるラジオや受信機があります. 一番重たいのは30kgほどあり米軍がベトナム戦争のころまで現役で使用していた軍用受信機です.中に真空管が20本以上入っています. 小さい方は手のひら大のICレコーダー内臓ラジオです.他にもいわゆる無線機に分類されるものが何台か・・・それ以外にも部品の入った箱や資料・文献等々で足の踏み場に苦労する状態です.
最近の秋葉系とは方向性が異なりますがこれも立派な秋葉系オタク状態と自覚しています.
そんな状況ですが,先週きれいなラジオを買いました. (^^)v
ヤフオクに出ているのを見つけて真っ先に応札し落札日が出張中にもかかわらず
そのまま一気にセリ勝ちました.
今はメール転送やネットバンキングを利用することで旅先からでもあまり苦労することなく出品者との連絡設定や決済ができます.仕事は技術系現場のサラリーマンですからこれら文明の利器の世話になることはほとんどないのですが,趣味を満足させるためにフル活用しています.これってネットが本当に生活に浸透してきた証なのかもしれません.
今回購入したものは重量約20kgで業務用ラジオとしては中型の部類に入ります.
写真のように実に上品な風貌です.まるでバーのカウンターの間接照明を思わせる
とは思いませんか.
アマチュア無線 (ハム)という趣味についてはご存知の方も多いと思いますが
こういったクラシックラジオ(受信機)を愛でる趣味というのはハムに飽き足らなくなった好事家達がたどり着く電気趣味の袋小路です.
ネットのおかげで多くの同好の知り合いがいますがここにもたくさん派生系があり軍用受信機一本槍の方や家庭用の真空管ラジオ専門の人,ワタシのように少ない小遣いを省みずラジオとみれば無節操に何でも欲しがったり作ったりするヤツ,いろいろです.
関東にお住まいのさるおふた方はどちらもトン単位の質量の業務用受信機を個人で保有されており,そのコレクションは仲間内のトップクラス. 二人そろってその道向けの著書まであります.ところが貴重な文化遺産でもあるこれらの機械の価値を息子が理解してくれず今後どうするか・・・と嘆きあっていました.
あたりまえか.
この分野で一番きれいな機器群は 1950~1960年代 にアメリカ国内に出回った樹脂製のボディを持つ家庭用ラジオです. 樹脂といっても現在のプラスチックとは異なりベークライトの厚板を整形したものです,これにコンパウンドで磨きをかけるとえもいわれぬ光沢を取り戻します.そのシックなデザインと相まって現代でも音の出るオブジェとして充分通用します.ただし,ワタシ自身はこの分野には手を染めていません.
それから,ベークライトってフェノール樹脂の一種で世界で初めて植物以外の原料から人工的に合成されたこげ茶色のプラスチックのことです.
今回入手したものは1960年代に英国で製造されたもので受信機ではなくぎりぎりの線でラジオと呼べるものです.
非常に高感度な設計で価格も一般向けではありませんがいわゆる無線通信機として必須の回路が装備されていないからです. 株屋さんや放送局のモニタ向けだったと思われます.
でも,前面のデザインを見ていると仕事で使うよりは,深夜ゆったりした気分でブランデーでも舐めながら放送を聞きたくなります.従来から手元にあるものは軍関係やアマチュア無線機器,私自身の自作機,,,とどれもデザイン的に無骨なものばかりでした.今回初めて英国製の機械を入手しそのデザインの繊細さにビックリしたので当ブログをご覧いただいている "かたぎさん" にもご紹介したしだい.
はたしてワタシが感じているこの機械の美しさは一般の方にも通じるものなのでしょうか.
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利島にて