志賀直哉 喜寿(77歳)のころの文です
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/71/d9d72cd2954ef9fdfc94d4a34fb16c2d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/a7/855f43d533969b96fd41a95ffd4fedc7.jpg)
人間というものができて
何十万年になるか知らないが
その間に数えきれない人間が
生まれ、生き、死んでいった
私もその一人として生まれ
今、生きているのだが
たとえて言えば
悠々流れる大河の水の一滴の存在
しかも 一滴の水である私は
後ろにも、前にもこの私だけで
何万年遡っても私はいず
何万年経っても再び私は
生まれては来ないのだ
過去未来を通じ
永劫に、私という者は
現在の私一人なのである
77歳
直哉
2018年6月
笠原 道夫
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人間というものができて
何十万年になるか知らないが
その間に数えきれない人間が
生まれ、生き、死んでいった
私もその一人として生まれ
今、生きているのだが
たとえて言えば
悠々流れる大河の水の一滴の存在
しかも 一滴の水である私は
後ろにも、前にもこの私だけで
何万年遡っても私はいず
何万年経っても再び私は
生まれては来ないのだ
過去未来を通じ
永劫に、私という者は
現在の私一人なのである
77歳
直哉
2018年6月
笠原 道夫