現在の高校2生は
共通テストまであと1年を切った。
あの英語リーディング問題を
時間内に解き切るには、
1文1文を速く、
正確に読む能力が前提だ。
この能力がない者は
参加資格すらない、
そんな厳しいテストだ。
今回は
この能力を得るための方法を
書いていく。
まずは「単語」について。
高3になるまでに
大学受験レベルを
覚え切ってしまうのが理想。
注意しなければならないのは
中学レベル、高校入試レベルに
大きな穴がある人が
『シス単』『ターゲット1900』に
挑んでも意味がないことだ。
書店で簡単な単語帳を立ち読みして
8割は知っている単語帳こそが、
キミのスタート地点だ。
その「8割」にさえ
覚え間違えていたものもある。
その確認と、
残りの2割を覚えることに
集中しよう。
ここで重要なのは
「穴を埋める」ことだけじゃない。
この段階で
【単語帳の扱いに慣れる】ことも
大切な目的でとなる。
そもそも単語帳は
普通の人が
簡単にやり通せる教材じゃない。
未知語だらけのものなら
ほぼ不可能だ。
やさしい単語帳を使って
キミにとって
持続可能な、
できるだけ楽しくやれる方法を
発見しよう。
1冊やり抜いた満足感を得て
自信をつけよう。
「単語帳では
意味がすぐに出てくるのに、
模試で出会うと
パッと思い出せなくてイライラする
つらい、もういやだ」
といった声を聞く。
ある単語が
「見たことがあるのに
意味は思い出せない」のであれば
キミはゴール目前まで来ている。
「単語帳は意味がなかった!」
と怒らないでほしい。
ここが踏ん張りどころだ。
「単語帳では
意味がすぐに出てくる」というのは
その単語帳のレイアウト、
前後の単語などが
「ヒント」になっている。
だから、
それらがない試験では
思い出せない。
この段階の突破に有効なのは
同レベルの別の単語帳で
記憶のチェックをすること。
取り組んでいた単語帳とは
配列も手触りも違うから、
意味を思い出すのに
意外と苦戦する。
ここで覚え直そう。
「高3になるまでに
大学受験レベルを
覚え切ってしまうのが理想」だが
基本語を覚えていない人には
無理な注文だよね。
現実的には
高3の夏休みの終わり、
そこが「しめきり」だ。
次に、文法の話。
ここで言う「文法」とは
「4択穴埋め問題」じゃない。
「文法をやりなさい」と言われると
4択穴埋め問題集をやる人がいるが
それじゃない。
ここで言う「文法」とは
【英語を理解し、使うために
必要不可欠な知識のまとまり】だ。
共通テスト英語リーディングで
必要な「文法」は、
普段の塾の授業で日々扱っている。
ここまで順調に
勉強できている人であれば
特別な準備は不要だ。
サイン、コサインが
「何分の何」かを
覚えていない状態で
数学の授業を受けていたら、
まったく理解できない。
「英文法用語」を
知らない状態で授業を受け、
参考書を読み、問題集を解くのは
サイン、コサインを知らずに
三角比の勉強をしているのと同じ。
これほど無謀なことはない。
ここで用意するのは
「総合英語」系参考書。
英文法の説明が
ぎっしりと書かれているヤツ。
おそらく高1の時に渡されて
そのままどこかに
埋もれているのではないか。
それを発掘しよう。
これから英語を学んでいく中で
少しでも不明確な点がったら
「総合英語」系で確認しよう。
例えば授業で
「ここは分詞構文ですね」と
さらりと通過されてしまったのに
(分詞構文ってなんだっけ…)
という状態であれば、
ノートの端に
「ぶんしこうぶん」と
走り書きしておく。
そして帰宅したらすぐに
「総合英語」系で
「分詞構文」を調べよう。
例文と解説を合わせて熟読し、
知識の穴を埋めていく。
「名詞」「形容詞」「副詞」の
区別もつかないくらいに
文法用語を知らない人であれば
短期集中で詰め込むほうが
これからの勉強が楽になる。
「共通テストで
文法問題なんて出ないんだから
文法は不要!」
と思うかもしれないが
これから学ぶ授業や教材では
文法の知識が前提だ。
「文法なんかやっているから
日本人は英語ができないんだ」
などと言う人もいるが
無視しよう。
最低限の文法用語すら覚えずに
「勉強のフリ」をしているから
英語ができるようにならない。
「文法ばかり勉強させられたせいで」
のように言う人がいたら、
試しに「形容詞と副詞の違い」
「前置詞と接続詞の違い」などを
質問してみよう。
きっと答えられないよ。
「パス」や「シュート」という
用語すら知らずに
サッカー中継を見ていても
わけがわからないし、
これらの言葉を使わずに
プレーするのは難しい。
これと同じことが
英語教育の場では起きている、
このことこそが問題なのだ。
文法用語を使わずに勉強するのは
固有名詞を使わずに
会話するのと同じくらい無謀。