イギリスの作家「ブライアン・W・オールディス」の長篇SF作品『地球の長い午後(原題:Hothouse、米題:The Long Afternoon of Earth)』を読みました。
「アンディ・ウィアー」の『火星の人』に続きSF作品です。
-----story-------------
〔ヒューゴー賞受賞〕
大地をおおいつくす巨木の世界は、永遠に太陽に片面を向けてめぐる、植物の王国と化した地球の姿だった!
人類はかつての威勢を失い支配者たる植物のかげで細々と生きのびる存在に成り果てていた……。
イギリスSF界を代表する巨匠が、悠久の時の果てにSF的想像力の精髄を展開する名作
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1962年(昭和37年)に出版され、同年、短編小説部門でヒューゴー賞を受賞… 当初は5篇の短篇だった作品を出版時に一冊の長篇にまとめられた作品のようです。
今から数億年先の遥か未来、寿命が尽きかけ膨張した太陽のもと、地球の自転は停止し、地上は永遠の夜と昼に分かれ、熱帯と化した昼の世界では、巨大に進化したベンガルボダイジュが大陸を覆い尽くし、移動できるようになった食肉植物が絶滅の危機にある動物にかわって地上を跋扈… 文明を失った人類は弱肉強食の世界でグループを作り細々と生きていた、、、
という想像を絶する世界での物語… この世界観が、なかなか頭の中で画にならず、ちょーっと苦労して読み始めました、これまで目にしたモノでは『風の谷のナウシカ』に登場する腐海の植物や蟲がイメージとして近いんですかねー 想像力が貧弱で、これ以上の画を頭の中で描くのは難しかったですね。
そんな巨大な温室となった昼の世界では、すっかり変貌したさまざまな植物が、繁栄を謳歌していた… ベンガルボダイジュはひとつの個体が大陸をまるまる覆うほど成長し、月と地球は長く伸びた蔓植物の橋で結ばれている、、、
1マイルもある巨大な歩行植物ツナワタリがその橋を伝い、地球と月の間を自由に行き来する… 頑丈な箱みたいな口を持つヒカゲノワナ。
樹皮に化けて獲物を待つオニクライ… フエアザミ、トビエイ、ハネンボウ、ヨダレギ、ハリリムチ、、、
そうしたジャングル、数人のグループに分かれて世界で細々と生きる退化した人類の末裔たち… そんな中、グループの中で身勝手な行動を繰り返した末、少年「グレン」はグループを追われる。
そこへ現れたのが他の生物に寄生して移動する高度な知的生物(キノコの一種)のアミガサダケ… アミガサダケは、頭をよくするから君に寄生させてくれと言って、「グレン」の頭部に寄生、、、
一種の共生関係を結んだ二人は、少女「ポイリー」とともに放浪の旅に出る… この後は、アミガサダケに意思を支配されつつある「グレン」の冒険譚という感じで、物語の後半が展開して行きます。
物語が壮大過ぎるだけに… ちょーっと着いていけなかったなぁ、、、
好き/嫌いがはっきり分かれる作品だと思いましたね… 世界観は嫌いじゃないんだけど、読み手としての力量が足りなかった、逆に言うと、読み手を選ぶ作品だと感じましたね。
以下、主な登場人物です。
「リリヨー」
この作品の序章における主人公。
部族の長たる勇敢な女性。
序章の終わりで、部族の信仰に従い、他の大人達を率いて月へと旅立つ。
その後、月の持つ不思議な力により鳥人となる。
「フロー」
リリヨーの親友。
リリヨーとともに月へ旅立ち、鳥人となる。
「ヘアリス」
部族で唯一の成人男性。
危急の際には武器を手にするが、普段は「女は男を守り、男は女に守られる」という掟の通り、
外敵に襲われない安全な場所で過ごしている。
後にリリヨーとともに月へ旅立ち、鳥人となる。
「トイ」
リリヨー達が月へ旅立った後の部族の長。
勝気な性格の10歳の少女。
しばしばグレンと揉め事を起こす。
「グレン」
この作品の本編における主人公。
9歳の少年。知恵はあるが、やや捻くれた性格。
男性でありながら幾度もトイに反抗したため、部族から追放される。
その後、アミガサダケと一体化してより高い知能を手に入れるが、代償として身体の自由を失う。
ポイリーやヤトマーとともに地上を放浪する。
「ポイリー」
トイやグレンと同じ部族の少女。
トイの親友であったが、グレンが追放された際には彼に味方した。
その後、部族と訣別してグレンに同行する。
「ヤトマー」
牧人(まきびと)という、グレンとは異なる部族に属す少女。
一人で食べ物を集めていたところを、アミガサダケに操られたグレンとポイリーに襲われる。
当初はアミガサダケに脅されつつ案内人としてグレンに付き従うが、
牧人のもとへ帰れないほど遠くへ行き過ぎてしまったため、正式にグレンに同行する。
グレンとの間にレアレンという名の子を孕む。
「アミガサダケ」
高度の知能を有するキノコ。
知恵と知識は優秀だが、非常に利己的で傲慢。
自ら移動することはできず、他の動物の頭部に寄生し、彼の身体を操ることで生き長らえる。
記憶を共有したまま分裂することができる。
地上で暮らす全ての動物に寄生しようという野心を抱いており、手始めにグレンとポイリーに接近する。
「ソーダル・イー」
ウミツキと呼ばれる部族の王。
イルカのような姿の動物であり、生気を失った人間の従者に自身を運ばせて移動する。
放浪中のグレン一行に出会い、彼らを従えようとする。
全知全能の存在を自称している。
「バンド・アッパ・ボンディ」
月で暮らす鳥人の長。
俘虜(とりこ)と呼ばれる畸形の賢者達の命令に忠実に従う。
月へ舞い降りたリリヨー達を迎え入れる。
「アンディ・ウィアー」の『火星の人』に続きSF作品です。
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〔ヒューゴー賞受賞〕
大地をおおいつくす巨木の世界は、永遠に太陽に片面を向けてめぐる、植物の王国と化した地球の姿だった!
人類はかつての威勢を失い支配者たる植物のかげで細々と生きのびる存在に成り果てていた……。
イギリスSF界を代表する巨匠が、悠久の時の果てにSF的想像力の精髄を展開する名作
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1962年(昭和37年)に出版され、同年、短編小説部門でヒューゴー賞を受賞… 当初は5篇の短篇だった作品を出版時に一冊の長篇にまとめられた作品のようです。
今から数億年先の遥か未来、寿命が尽きかけ膨張した太陽のもと、地球の自転は停止し、地上は永遠の夜と昼に分かれ、熱帯と化した昼の世界では、巨大に進化したベンガルボダイジュが大陸を覆い尽くし、移動できるようになった食肉植物が絶滅の危機にある動物にかわって地上を跋扈… 文明を失った人類は弱肉強食の世界でグループを作り細々と生きていた、、、
という想像を絶する世界での物語… この世界観が、なかなか頭の中で画にならず、ちょーっと苦労して読み始めました、これまで目にしたモノでは『風の谷のナウシカ』に登場する腐海の植物や蟲がイメージとして近いんですかねー 想像力が貧弱で、これ以上の画を頭の中で描くのは難しかったですね。
そんな巨大な温室となった昼の世界では、すっかり変貌したさまざまな植物が、繁栄を謳歌していた… ベンガルボダイジュはひとつの個体が大陸をまるまる覆うほど成長し、月と地球は長く伸びた蔓植物の橋で結ばれている、、、
1マイルもある巨大な歩行植物ツナワタリがその橋を伝い、地球と月の間を自由に行き来する… 頑丈な箱みたいな口を持つヒカゲノワナ。
樹皮に化けて獲物を待つオニクライ… フエアザミ、トビエイ、ハネンボウ、ヨダレギ、ハリリムチ、、、
そうしたジャングル、数人のグループに分かれて世界で細々と生きる退化した人類の末裔たち… そんな中、グループの中で身勝手な行動を繰り返した末、少年「グレン」はグループを追われる。
そこへ現れたのが他の生物に寄生して移動する高度な知的生物(キノコの一種)のアミガサダケ… アミガサダケは、頭をよくするから君に寄生させてくれと言って、「グレン」の頭部に寄生、、、
一種の共生関係を結んだ二人は、少女「ポイリー」とともに放浪の旅に出る… この後は、アミガサダケに意思を支配されつつある「グレン」の冒険譚という感じで、物語の後半が展開して行きます。
物語が壮大過ぎるだけに… ちょーっと着いていけなかったなぁ、、、
好き/嫌いがはっきり分かれる作品だと思いましたね… 世界観は嫌いじゃないんだけど、読み手としての力量が足りなかった、逆に言うと、読み手を選ぶ作品だと感じましたね。
以下、主な登場人物です。
「リリヨー」
この作品の序章における主人公。
部族の長たる勇敢な女性。
序章の終わりで、部族の信仰に従い、他の大人達を率いて月へと旅立つ。
その後、月の持つ不思議な力により鳥人となる。
「フロー」
リリヨーの親友。
リリヨーとともに月へ旅立ち、鳥人となる。
「ヘアリス」
部族で唯一の成人男性。
危急の際には武器を手にするが、普段は「女は男を守り、男は女に守られる」という掟の通り、
外敵に襲われない安全な場所で過ごしている。
後にリリヨーとともに月へ旅立ち、鳥人となる。
「トイ」
リリヨー達が月へ旅立った後の部族の長。
勝気な性格の10歳の少女。
しばしばグレンと揉め事を起こす。
「グレン」
この作品の本編における主人公。
9歳の少年。知恵はあるが、やや捻くれた性格。
男性でありながら幾度もトイに反抗したため、部族から追放される。
その後、アミガサダケと一体化してより高い知能を手に入れるが、代償として身体の自由を失う。
ポイリーやヤトマーとともに地上を放浪する。
「ポイリー」
トイやグレンと同じ部族の少女。
トイの親友であったが、グレンが追放された際には彼に味方した。
その後、部族と訣別してグレンに同行する。
「ヤトマー」
牧人(まきびと)という、グレンとは異なる部族に属す少女。
一人で食べ物を集めていたところを、アミガサダケに操られたグレンとポイリーに襲われる。
当初はアミガサダケに脅されつつ案内人としてグレンに付き従うが、
牧人のもとへ帰れないほど遠くへ行き過ぎてしまったため、正式にグレンに同行する。
グレンとの間にレアレンという名の子を孕む。
「アミガサダケ」
高度の知能を有するキノコ。
知恵と知識は優秀だが、非常に利己的で傲慢。
自ら移動することはできず、他の動物の頭部に寄生し、彼の身体を操ることで生き長らえる。
記憶を共有したまま分裂することができる。
地上で暮らす全ての動物に寄生しようという野心を抱いており、手始めにグレンとポイリーに接近する。
「ソーダル・イー」
ウミツキと呼ばれる部族の王。
イルカのような姿の動物であり、生気を失った人間の従者に自身を運ばせて移動する。
放浪中のグレン一行に出会い、彼らを従えようとする。
全知全能の存在を自称している。
「バンド・アッパ・ボンディ」
月で暮らす鳥人の長。
俘虜(とりこ)と呼ばれる畸形の賢者達の命令に忠実に従う。
月へ舞い降りたリリヨー達を迎え入れる。
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