イギリスの作家「P・D・ジェイムズ」の長篇ミステリ作品『皮膚の下の頭蓋骨(原題:The Skull Beneath the Skin)』を読みました。
「P・D・ジェイムズ」の作品は、今年1月に読んだ『女には向かない職業』以来なので約1年振りですね。
-----story-------------
二百年前の不気味な伝説が残る孤島コーシイ島。
そこの贅を凝らした壮麗な舞台で演じられる古典劇に招かれ、いま、数人の客が島を訪れていた。
主演女優「クラリッサ」の義理の息子、従姉妹、元愛人……女探偵「コーデリア・グレイ」もそのひとりだった。
頻々ととどく死を暗示する脅迫状におびえる「クラリッサ」の身辺警護のためである。
狷介な女優とそれぞれ思惑を胸に秘めた七人の男女??不吉な雰囲気の漂うなか、開演を目前に、自室で顔を叩き潰された「クラリッサ」の惨殺体が発見された!
ミステリの新女王が現代本格ミステリに新たな地平を拓いた大作。
-----------------------
1982年(昭和57年)に発表された作品で、女私立探偵「コーデリア・グレイ」シリーズの第2作目にして最終作にあたる作品です、、、
前作の『女には向かない職業』は、1972年(昭和47年)に発表されているので、第1作と第2作の間には10年間のブランクがあるようですね。
■第一部 孤島への招待
■第二部 舞台稽古
■第三部 血はしぶきとなって舞い上がる
■第四部 プロフェッショナル
■第五部 月下の恐怖
■第六部 事件の終結
■解説 コーデリアの二つの貌 山口雅也
「アガサ・クリスティ」の名作『そして誰もいなくなった』を彷彿させる孤島モノ… 英国近海の架空の島・コーシイ島を舞台にした推理劇でした、、、
600ページを超える長篇で、最初の事件が発生するのが279ページ、次の事件は470ページですからね… 事件解決に至る終盤は一気読みでしたが、それまでが長い道のりでしたね。
「コーデリア・グレイ」に持ちこまれた依頼は、死を暗示する脅迫文に悩まされる女優「クラリッサ・ライル」を警護するというもの… 「コーデリア」は、「クラリッサ」と彼女の夫「ジョージ・ラルストン卿」、養子の「サイモン・レッシング」、付人の「ローズ・トルガース(トリイ)」、従姉妹の「ローマ・ライル」、元愛人で演劇評論家の「アイヴォ・ウィッティンガム」等、数名の客が滞在する孤島・コーシイ島へ赴く、、、
コーシイ島は不気味な伝説が残る孤島で、数々の歴史を秘めたヴィクトリア朝の美しい城館がたっており、そこには頭蓋骨を蒐集した教会の納骨堂等の珍奇なコレクションとともに、自己の美的世界にこもっている主「アンブローズ・ゴリンジ」が、執事の「ムンター」とその妻、そして雑用係の「オールドフィールド」とともに生活していた… コーシイ島に滞在してからも新たに脅迫文が届いたことから「コーデリア」は警戒するが、その努力にもかかわらず、「クラリッサ」は惨殺され、本土からやってきた警察が島内で犯人探しを始める。
そんな中、次の事件が… 泥酔して「ジョージ卿」を「人殺し!人殺し!人殺し!」と呼んだ「ムンター」が、翌朝、溺死体としてプールで発見されたのだ、、、
犯人は、この中にいる… 「コーデリア」は、「クラリッサ」が生前大切にしていた舞台の評論が掲載された新聞記事に秘密があると察し、その新聞記事を入手するため、本土のスパイマスへ向かう。
しかし、新聞社のバックナンバーは肝心な部分が切り取られており、万事休すかと思われたが… 偶然、個人で新聞記事を所蔵している人物の情報を得て、ようやく、その新聞記事を手に入れる、、、
そこに写っていたのは!? 「コーデリア」は、「クラリッサ」が記事を大切に保管していた理由… そして、それにより強請られていた人物がいたことに気付く。
「悪魔の湯沸かし」という気味の悪い名前のついた、海につながる城の地下の洞窟や、そこで行われた第二次世界大戦中の忌まわしいスパイの拷問・処刑事件… 印象深いエピソードを交えながら、物語は沸点に向かって加速する、、、
序盤はちょっともどかしい感じがありましたが、終盤の盛り上がりと、読み終えたあとのカタルシスが印象的な作品でした… 登場人物や、その相関関係、事件の背景を理解するために序盤の展開は必要なんでしょうが、もう少し軽くても良い感じがしますね。
以下、主な登場人物です。
「コーデリア・グレイ」
女私立探偵
「ベヴィス」
コーデリアの助手
「ミス・モーズリイ」
コーデリアの助手
「クラリッサ・ライル」
女優
「ジョージ・ラルストン卿」
クラリッサの夫
「サイモン・レッシング」
クラリッサの養子
「ローマ・ライル」
クラリッサの従姉妹
「ローズ・トルガース(トリイ)」
クラリッサの付人
「アイヴォ・ウィッティンガム」
演劇評論家
「アンブローズ・ゴリンジ」
コーシイ島の所有者
「ムンター」
アンブローズの執事
「オールドフィールド」
アンブローズの雑用係
「ロバート・バクリイ」
部長刑事
「グローガン」
主任警部
「P・D・ジェイムズ」の作品は、今年1月に読んだ『女には向かない職業』以来なので約1年振りですね。
-----story-------------
二百年前の不気味な伝説が残る孤島コーシイ島。
そこの贅を凝らした壮麗な舞台で演じられる古典劇に招かれ、いま、数人の客が島を訪れていた。
主演女優「クラリッサ」の義理の息子、従姉妹、元愛人……女探偵「コーデリア・グレイ」もそのひとりだった。
頻々ととどく死を暗示する脅迫状におびえる「クラリッサ」の身辺警護のためである。
狷介な女優とそれぞれ思惑を胸に秘めた七人の男女??不吉な雰囲気の漂うなか、開演を目前に、自室で顔を叩き潰された「クラリッサ」の惨殺体が発見された!
ミステリの新女王が現代本格ミステリに新たな地平を拓いた大作。
-----------------------
1982年(昭和57年)に発表された作品で、女私立探偵「コーデリア・グレイ」シリーズの第2作目にして最終作にあたる作品です、、、
前作の『女には向かない職業』は、1972年(昭和47年)に発表されているので、第1作と第2作の間には10年間のブランクがあるようですね。
■第一部 孤島への招待
■第二部 舞台稽古
■第三部 血はしぶきとなって舞い上がる
■第四部 プロフェッショナル
■第五部 月下の恐怖
■第六部 事件の終結
■解説 コーデリアの二つの貌 山口雅也
「アガサ・クリスティ」の名作『そして誰もいなくなった』を彷彿させる孤島モノ… 英国近海の架空の島・コーシイ島を舞台にした推理劇でした、、、
600ページを超える長篇で、最初の事件が発生するのが279ページ、次の事件は470ページですからね… 事件解決に至る終盤は一気読みでしたが、それまでが長い道のりでしたね。
「コーデリア・グレイ」に持ちこまれた依頼は、死を暗示する脅迫文に悩まされる女優「クラリッサ・ライル」を警護するというもの… 「コーデリア」は、「クラリッサ」と彼女の夫「ジョージ・ラルストン卿」、養子の「サイモン・レッシング」、付人の「ローズ・トルガース(トリイ)」、従姉妹の「ローマ・ライル」、元愛人で演劇評論家の「アイヴォ・ウィッティンガム」等、数名の客が滞在する孤島・コーシイ島へ赴く、、、
コーシイ島は不気味な伝説が残る孤島で、数々の歴史を秘めたヴィクトリア朝の美しい城館がたっており、そこには頭蓋骨を蒐集した教会の納骨堂等の珍奇なコレクションとともに、自己の美的世界にこもっている主「アンブローズ・ゴリンジ」が、執事の「ムンター」とその妻、そして雑用係の「オールドフィールド」とともに生活していた… コーシイ島に滞在してからも新たに脅迫文が届いたことから「コーデリア」は警戒するが、その努力にもかかわらず、「クラリッサ」は惨殺され、本土からやってきた警察が島内で犯人探しを始める。
そんな中、次の事件が… 泥酔して「ジョージ卿」を「人殺し!人殺し!人殺し!」と呼んだ「ムンター」が、翌朝、溺死体としてプールで発見されたのだ、、、
犯人は、この中にいる… 「コーデリア」は、「クラリッサ」が生前大切にしていた舞台の評論が掲載された新聞記事に秘密があると察し、その新聞記事を入手するため、本土のスパイマスへ向かう。
しかし、新聞社のバックナンバーは肝心な部分が切り取られており、万事休すかと思われたが… 偶然、個人で新聞記事を所蔵している人物の情報を得て、ようやく、その新聞記事を手に入れる、、、
そこに写っていたのは!? 「コーデリア」は、「クラリッサ」が記事を大切に保管していた理由… そして、それにより強請られていた人物がいたことに気付く。
「悪魔の湯沸かし」という気味の悪い名前のついた、海につながる城の地下の洞窟や、そこで行われた第二次世界大戦中の忌まわしいスパイの拷問・処刑事件… 印象深いエピソードを交えながら、物語は沸点に向かって加速する、、、
序盤はちょっともどかしい感じがありましたが、終盤の盛り上がりと、読み終えたあとのカタルシスが印象的な作品でした… 登場人物や、その相関関係、事件の背景を理解するために序盤の展開は必要なんでしょうが、もう少し軽くても良い感じがしますね。
以下、主な登場人物です。
「コーデリア・グレイ」
女私立探偵
「ベヴィス」
コーデリアの助手
「ミス・モーズリイ」
コーデリアの助手
「クラリッサ・ライル」
女優
「ジョージ・ラルストン卿」
クラリッサの夫
「サイモン・レッシング」
クラリッサの養子
「ローマ・ライル」
クラリッサの従姉妹
「ローズ・トルガース(トリイ)」
クラリッサの付人
「アイヴォ・ウィッティンガム」
演劇評論家
「アンブローズ・ゴリンジ」
コーシイ島の所有者
「ムンター」
アンブローズの執事
「オールドフィールド」
アンブローズの雑用係
「ロバート・バクリイ」
部長刑事
「グローガン」
主任警部
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます