アメリカの作家「ロバート・B・パーカー」のハードボイルド小説『盗まれた貴婦人(原題:Painted Ladies)』を読みました。
『プロフェッショナル』に続き、「ロバート・B・パーカー」作品… 『初秋』以来、6作連続で「ロバート・B・パーカー」作品ですね。
-----story-------------
17世紀の名画『貴婦人と小鳥』が美術館から盗まれ、身代金が要求される。
事件を内密に処理したい美術館側の意向を受けた美術史教授の「プリンス」が受け渡しに赴く。
依頼を受けた「スペンサー」は護衛として彼に同行した。
だが受け渡しは失敗、「プリンス」は「スペンサー」の眼前で命を落としてしまう。
誇りをかけ、無償での調査を開始する「スペンサー」。
だが事件の鍵は名画の来歴に潜む闇の奥に存在した。
サスペンスフルに展開する注目作。
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私立探偵「スペンサー」を主人公とするシリーズ全39作品のうちの第38作にあたり、2010年(平成22年)に発表された作品です、、、
名画の盗難、名画を取り戻すための身代金の受け渡しにおける爆殺… 護衛として同行していた「スペンサー」が真相解明に挑むという、サスペンスフルな作品で、「ホーク」を始めとする相棒や助っ人が登場せず、「スペンサー」が独りで事件に立ち向かうという、珍しい展開の作品でした。
17世紀の名画『貴婦人と小鳥』が美術館から盗まれた… 犯人からは絵に身代金を払えとの要求があり、美術史教授「プリンス」が受け渡しに向かうことになる、、、
その護衛を務めることになった「スペンサー」だったが、受け渡しは悲惨な失敗に終わった… 身代金受け渡し後、名画が梱包されているはずの箱が爆発し、受け取った「プリンス」は命を落としてしまう。
「スペンサー」は依頼料を美術館に返し、自らの手で事件に片をつけるべく動き出した… 調査の糸口を探し、美術館の顧問弁護士「モートン・ロイド」、絵の保険を受けていた保険会社の請求担当者「ウィニフレッド・マイナー」、さらに「プリンス」の教え子で「ウィニフレッド・マイナー」の娘「ミッシー・マイナー」らに聞き込みを試みるものの、事件の全容は杳として知れない、、、
そんな中、「スペンサー」のオフィスを武装した男たちが襲撃する… 間一髪、「スペンサー」が撃退した彼らの腕には、奇妙なことにアウシュヴィッツの強制収容所でユダヤ人捕虜に彫られたものと同じ刺青が……。
「スペンサー」は調査を進めるうちに、「プリンス」はユダヤ人で本名は「アッシャー・プリンツ」だったことや、「スペンサー」のオフィスを襲撃した二人組がオランダ人の傭兵だったこと等を知る… 盗難された名画『貴婦人と小鳥』を描いた画家はオランダ人の「フランス・ヘルメンゾーン」で、『貴婦人と小鳥』を所有していたオランダの裕福なユダヤ人「ハーツバーグ一家」は第二次世界大戦中の1940年(昭和15年)にナチスのゲシュタポに逮捕され、アウシュヴィッツ収容所に送られ、末息子ひとりを除く全員が死亡したことを知り、オランダ、ユダヤ、ホロコースト、ハーツバーグ、そして美術品が複雑に絡み合った何かが事件の背景にあると推理する、、、
徐々に真相に近付きつつある「スペンサー」が、再び命を狙われる… 自宅に侵入した何者かにより、ベッドに爆発物を仕掛けられていたのだ。
間一髪で助かった「スペンサー」だったが、怯むことなく敵と対峙していく… そして、「ハーツバーグ一家」の末裔である「アリエル・ハーツバーグ」が主宰する「ハーツバーグ財団」による名画盗難や、彼らに真贋鑑定で協力していた「プリンス」が仲違いしていた原因、「アリエル」と「ウィニフレッド」・「ミッシー」母子の関係等を突き止め、真犯人を追い込んでいく、、、
「ハーツバーグ財団」は、ナチスによりユダヤ人から奪われた美術品を回収して正しい保有者に返還するという事業を営んでいたのですが、美術品の回収に資金が必要だったり、どうしても売りたくないという人物の対応で苦慮したりして、誤った方向に進んじゃったんですよね… 成り立ちを考えると、ちょっと哀しい結末になっちゃいましたね。
これまでに読んだ「スペンサー」シリーズの中では、最もミステリ色が強い印象で、伏線として散りばめられた点と点とが、線としてつながる展開が愉しめました… 「プリンス」も、「アリエル」も、彼らの行いから考えると自業自得かな。
以下、主な登場人物です。
「スペンサー」
私立探偵
「スーザン・シルヴァマン」
スペンサーの恋人
「アシュトン・プリンス」
ウォルフォード大学教授、司法鑑定コンサルタント
「ロザリンド・ウェリントン」
プリンスの妻
「マーク・リチャーズ」
ハモンド美術館の館長
「モートン・ロイド」
ハモンド美術館の顧問弁護士
「ウィニフレッド・マイナー」
<ショーマット保険会社>の請求処理責任者
「ミッシー」
ウィニフレッドの娘
「カール・トラクトマン」
オランダ・ルネサンス美術館の館長
「アリエル・ハーツバーグ」
<ハーツバーグ財団>のメンバー
「ケイト・クアグリオーシ」
地方検事補
「リタ・フィオーレ」
弁護士
「エプスタイン」
FBIボストン支局長
「ヒーリイ」
州警察の警部
「マーティン・クワーク」
ボストン市警の警部
「フランク・ベルソン」
ボストン市警の部長刑事
『プロフェッショナル』に続き、「ロバート・B・パーカー」作品… 『初秋』以来、6作連続で「ロバート・B・パーカー」作品ですね。
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17世紀の名画『貴婦人と小鳥』が美術館から盗まれ、身代金が要求される。
事件を内密に処理したい美術館側の意向を受けた美術史教授の「プリンス」が受け渡しに赴く。
依頼を受けた「スペンサー」は護衛として彼に同行した。
だが受け渡しは失敗、「プリンス」は「スペンサー」の眼前で命を落としてしまう。
誇りをかけ、無償での調査を開始する「スペンサー」。
だが事件の鍵は名画の来歴に潜む闇の奥に存在した。
サスペンスフルに展開する注目作。
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私立探偵「スペンサー」を主人公とするシリーズ全39作品のうちの第38作にあたり、2010年(平成22年)に発表された作品です、、、
名画の盗難、名画を取り戻すための身代金の受け渡しにおける爆殺… 護衛として同行していた「スペンサー」が真相解明に挑むという、サスペンスフルな作品で、「ホーク」を始めとする相棒や助っ人が登場せず、「スペンサー」が独りで事件に立ち向かうという、珍しい展開の作品でした。
17世紀の名画『貴婦人と小鳥』が美術館から盗まれた… 犯人からは絵に身代金を払えとの要求があり、美術史教授「プリンス」が受け渡しに向かうことになる、、、
その護衛を務めることになった「スペンサー」だったが、受け渡しは悲惨な失敗に終わった… 身代金受け渡し後、名画が梱包されているはずの箱が爆発し、受け取った「プリンス」は命を落としてしまう。
「スペンサー」は依頼料を美術館に返し、自らの手で事件に片をつけるべく動き出した… 調査の糸口を探し、美術館の顧問弁護士「モートン・ロイド」、絵の保険を受けていた保険会社の請求担当者「ウィニフレッド・マイナー」、さらに「プリンス」の教え子で「ウィニフレッド・マイナー」の娘「ミッシー・マイナー」らに聞き込みを試みるものの、事件の全容は杳として知れない、、、
そんな中、「スペンサー」のオフィスを武装した男たちが襲撃する… 間一髪、「スペンサー」が撃退した彼らの腕には、奇妙なことにアウシュヴィッツの強制収容所でユダヤ人捕虜に彫られたものと同じ刺青が……。
「スペンサー」は調査を進めるうちに、「プリンス」はユダヤ人で本名は「アッシャー・プリンツ」だったことや、「スペンサー」のオフィスを襲撃した二人組がオランダ人の傭兵だったこと等を知る… 盗難された名画『貴婦人と小鳥』を描いた画家はオランダ人の「フランス・ヘルメンゾーン」で、『貴婦人と小鳥』を所有していたオランダの裕福なユダヤ人「ハーツバーグ一家」は第二次世界大戦中の1940年(昭和15年)にナチスのゲシュタポに逮捕され、アウシュヴィッツ収容所に送られ、末息子ひとりを除く全員が死亡したことを知り、オランダ、ユダヤ、ホロコースト、ハーツバーグ、そして美術品が複雑に絡み合った何かが事件の背景にあると推理する、、、
徐々に真相に近付きつつある「スペンサー」が、再び命を狙われる… 自宅に侵入した何者かにより、ベッドに爆発物を仕掛けられていたのだ。
間一髪で助かった「スペンサー」だったが、怯むことなく敵と対峙していく… そして、「ハーツバーグ一家」の末裔である「アリエル・ハーツバーグ」が主宰する「ハーツバーグ財団」による名画盗難や、彼らに真贋鑑定で協力していた「プリンス」が仲違いしていた原因、「アリエル」と「ウィニフレッド」・「ミッシー」母子の関係等を突き止め、真犯人を追い込んでいく、、、
「ハーツバーグ財団」は、ナチスによりユダヤ人から奪われた美術品を回収して正しい保有者に返還するという事業を営んでいたのですが、美術品の回収に資金が必要だったり、どうしても売りたくないという人物の対応で苦慮したりして、誤った方向に進んじゃったんですよね… 成り立ちを考えると、ちょっと哀しい結末になっちゃいましたね。
これまでに読んだ「スペンサー」シリーズの中では、最もミステリ色が強い印象で、伏線として散りばめられた点と点とが、線としてつながる展開が愉しめました… 「プリンス」も、「アリエル」も、彼らの行いから考えると自業自得かな。
以下、主な登場人物です。
「スペンサー」
私立探偵
「スーザン・シルヴァマン」
スペンサーの恋人
「アシュトン・プリンス」
ウォルフォード大学教授、司法鑑定コンサルタント
「ロザリンド・ウェリントン」
プリンスの妻
「マーク・リチャーズ」
ハモンド美術館の館長
「モートン・ロイド」
ハモンド美術館の顧問弁護士
「ウィニフレッド・マイナー」
<ショーマット保険会社>の請求処理責任者
「ミッシー」
ウィニフレッドの娘
「カール・トラクトマン」
オランダ・ルネサンス美術館の館長
「アリエル・ハーツバーグ」
<ハーツバーグ財団>のメンバー
「ケイト・クアグリオーシ」
地方検事補
「リタ・フィオーレ」
弁護士
「エプスタイン」
FBIボストン支局長
「ヒーリイ」
州警察の警部
「マーティン・クワーク」
ボストン市警の警部
「フランク・ベルソン」
ボストン市警の部長刑事
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