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『春嵐』 ロバート・B・パーカー(著), 加賀山卓朗(翻訳)

2018年06月01日 21時04分00秒 | ■読書
アメリカの作家「ロバート・B・パーカー」のハードボイルド小説『春嵐(原題:Sixkill)』を読みました。


盗まれた貴婦人に続き、「ロバート・B・パーカー」作品… 初秋以来、7作連続で「ロバート・B・パーカー」作品ですね。

-----story-------------
【40年におよぶ人気シリーズが、ここに完結】
ボストンで新作映画を撮影中の俳優「ジャンボ・ネルソン」の部屋で、若い女性が変死した。
人気スターのスキャンダルにマスコミは大騒ぎし、誰もが断罪を求める。だが事件を担当する「クワーク警部」は証拠もなしに彼を逮捕する気はなかった。
「クワーク」の示唆を受けた「スペンサー」は、弁護側に雇われる形で調査に乗り出したが、そこで「ジャンボ」の護衛についていた一人の青年と出会う……
圧倒的な支持を受けてきた人気シリーズの最終作。
現代の騎士が挑む最後の難事件!
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私立探偵「スペンサー」を主人公とするシリーズ全39作品の最終作にあたり、著者が2010年(平成22年)に心臓発作で急死した後の2011年(平成23年)に発表された作品です、、、

新たな仲間として「ゼブロン・シックスキル(通称:Z)」を迎い入れて、育成していく展開が中心… タイトル(原題)は、彼の名前「シックスキル(Sixkill)」になっているくらいですから、「ロバート・B・パーカー」が急逝しなければ、本シリーズの準主役くらいを与えられる予定だったのかもしれませんね。


ボストンで新作映画を撮影中の人気スター「ジャンボ・ネルソン」のホテルの部屋で、若い女性「ドーン・ロパタ」が変死した… アクの強い個性でのし上がった「ジャンボ」は決して好感度の高い男ではなく、マスコミは大騒ぎし、誰もが「ジャンボ」を殺人犯であると信じていた、、、

だが、「クワーク警部」は証拠もないまま「ジャンボ」を逮捕する気はなかった… 「クワーク」の示唆で、「ジャンボ」の弁護士「リタ・フィオーレ」からの依頼という形で、「スペンサー」は事件の調査にとりかかる。

だが不愉快きわまりない人格を有する「ジャンボ」とたちまち衝突し、「スペンサー」「リタ」とともに解雇されてしまう… 依頼人がないまま、しかし看過できないものを感じた「スペンサー」は調査を続ける、、、

そして「ジャンボ」とのいざこざの際に、「ジャンボ」の用心棒の一人でネイティブアメリカンの青年「ゼブロン・シックスキル(通称:Z)」と出会った… 人気スターをめぐるスキャンダラスな事件の裏には、さらなる深い闇が潜んでいた。

「スペンサー」は、道を見失いつつあった青年「Z」を心身ともに鍛え上げて泥沼から救い上げる、、、

そして、彼を相棒として「ジャンボ」の影に潜む大きな闇に挑んでいく… ロサンジェルスのギャングによる「ジャンボ」を利用した資金洗浄の仕組みを知ったことから、殺し屋の「ステファノ・デローリア」から命を狙われることになります。

クライマックスでは「スペンサー」「Z」の二人で死地へと乗り込み、「ステファノ」一味との命懸けの瞬間を共有するに至り… 二人の間柄はお互いを認め合うまでに高まります、、、

クライマックスの決闘シーンが淡泊な感じがしたことと、被害者「ドーン」のポン引きのような行動を取っていた父親「トム」へのお灸を据え方がちょっと甘い部分には、やや物足りなさを感じましたが… 初秋での、「ポール」の交流に近い感慨のある作品でしたね。

「Z」「ホーク」とともに、「スペンサー」をサポートしていく物語を読みたかったなぁ… そこだけ残念ですね。


以下、主な登場人物です。

「スペンサー」
 私立探偵

「スーザン・シルヴァマン」
 スペンサーの恋人

「ジャンボ・ネルソン(ジェレミー・フランクリン・ネルソン)」
 俳優

「ゼブロン・シックスキル(通称:Z)」
 ジャンボのボディガード

「アリス・デローリア」
 ジャンボのエージェント

「ニッキー・フェルスクロフト」
 アリスの父親。ロサンジェルスのギャング

「ステファノ・デローリア」
 アリスの夫。ニッキーの用心棒

「ドーン・ロバタ」
 若い女性

「トム」
 ドーンの父親

「バフィ」
 ドーンの母親

「マシュー」
 ドーンの兄

「リタ・フィオーレ」
 弁護士

「マーティン・クワーク」
 ボストン市警の警部

「ヘンリイ・シモリ」
 ハーバー・ヘルス・クラブのオーナー



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