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『空港にて』 村上龍

2018年05月08日 20時40分00秒 | ■読書
「村上龍」の短篇集『空港にて』を読みました。


「村上龍」作品を読むのは、初期の作品以来なので、多分、30年振りくらいだと思います… 実家には当時の単行本が残っているはずだけど、、、

残念ながら、何を読んだかすら思い出せません… 多分、『69 sixty nine』だったような気がするのですが、それくらい久しぶりです。

-----story-------------
四半世紀におよぶ作家人生で、最高の短編小説集!

コンビニ、居酒屋、公園、カラオケルーム、披露宴会場、クリスマス、駅前、空港――。
日本のどこにでもある場所を舞台に、時間を凝縮させた手法を使って、他人と共有できない個別の希望を描いた短編小説集。
「村上龍」が30年に及ぶ作家生活で「最高の短編を書いた」という『空港にて』の他、日本文学史に刻まれるべき全8編。
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それぞれの登場人物固有の希望… 社会的な希望ではなく、他人と共有できない個別の希望を描いた短篇小説8篇を収録した作品です。

 ■コンビニにて
 ■居酒屋にて
 ■公園にて
 ■カラオケルームにて
 ■披露宴会場にて
 ■クリスマス
 ■駅前にて
 ■空港にて
 ■あとがき


コンビニ、居酒屋、公園、カラオケボックス、披露宴会場、クリスマスのホテル、駅前、空港… いずれも、日常生活で目にしたり、行ったりすることのある場所を舞台に、どこにでも居そうな、ちょっとした問題を抱えた人物を主人公に据えて描かれる物語、、、

人間って、ひとつのことを考えているわけではなくて、五感を使って色んな情報をインプットしながら、それぞれにどう対応するかを並列に考え、次の行動を判断しているわけですが… 主人公の一人称で描かれる物語は、独特の文体で周囲の人々の所作一つひとつが再現され、それに対し、自分がどう考えているのかまで描かれており、妙にリアル感があって不思議な感覚で読めました。

人の心を見透かしているような感覚なのかな… でも、独特な感覚はあるものの、扱われているテーマは日常を切り取った感じなので、主人公に感情移入しやすく、共感しながら一気に読めちゃいました、、、

ちなみに、単行本で発行された際のタイトルは『どこにでもある場所とどこにもいないわたし』だったそうです… 短篇集全体を表すタイトルとしてはイイと思うんですが、文庫化に当たり改題されたようですね。




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