矢追ストアーに強盗が入り、店長を殺害したうえ二千万円あまりを奪って逃走した。
付近の公園で不審な男を見かけた山さん(露口茂)とラガー(渡辺徹)は、任意同行でその男・黒田(辻萬長)を
取り調べる。
ラガーは、公園での黒田の様子から犯人だと決めてかかるが、山さんは黒田の息子・清に会った印象で、
黒田は事件に何らかの関係はあるものの、犯人ではないと考えた。
冷静沈着、ベテランの山さんと猪突猛進、熱血新人のラガー。
あまりに対照的なコンビです。パーマの髪型が唯一の共通点でしょうか。
ラガーが、今回どういうわけか最初から頑なに黒田を犯人と決めつけ、周りが諫めても聞きません。
そんなとき、黒田をみつけた公園からだいぶ離れた河原で被害者の血がついたナイフが見つかり、
目撃者の証言から、ナイフを捨てたのは黒田とは別人らしいと判明、釈放された。
その夜遅く、黒田の息子に話を聞こうとアパートを訪ねたジプシー(三田村邦彦)とラガーは、
ガス中毒で意識不明の親子を発見し救急搬送する。
ジプシー、けっこう強引な…と思いましたが、結果グッジョブ!
アパートの部屋を調べる際は、出したものを丁寧に元に戻して、それを見たラガーが自分の行動を反省しておりました。
言葉でなく態度で示す。良き先輩です。
一命をとりとめた親子。山さんが清に対する接し方が本当に優しくて、すっかり父親の顔でした。
状況から、心中を装った殺人未遂と思われたが、黒田は自分がやったと言い張り、やがて病院を抜け出してしまう。
一方、山さんは黒田が真犯人について口を閉ざす理由を探るうち、清が黒田の実の子ではないという事実を突き止める。
産婦人科医の運転手だった男が出生の秘密を知り、それをネタに黒田をゆすり、強盗に誘うも断られ口塞ぎのために
殺そうとしたのだった。
黒田をわざと逃がして尾行したラガーは、真犯人の柏木をつきとめ逮捕しようとするが、逆に拳銃を奪われてしまう。
間一髪、山さんとロッキー(木之元亮)が駆けつけ逮捕。
ゴリさん(竜雷太)が清を連れてきて、感動の親子の再会…とそのとき!
なんと、柏木が腹立ちまぎれに、清に向かって「お前はもらいっ子だ」と告げる。
ラガーが男に怒鳴って殴りかかってましたが、私もなにすんねん!と叫びました。
清に問われ、口ごもる黒田に山さんが諭します。
「恐れるな、黒田。本当の親子かどうかなど、なぜそこまで気にするんだ!…血のつながりだけが、すべてじゃない!」
厳しくも暖かい山さんの言葉に背中を押され、黒田は清に真実を告げ、清も受け入れた。
同じ年頃で、同じく養子の隆を育ててきた山さんだからこその迫力でした。
今回むすっとしてばかりだったラガーが、ようやくいつもの笑顔になり「サイコー!」と叫ぶ。
あとでみんなから冷やかされてましたが、ラガーだから、そして渡辺徹だから成り立つ一言です。
【本日の瞬間最高視聴率】
カッカして暴走しそうなラガーをドック(神田正輝)がなにかとフォロー。
聞き込み中、一人でどんどん行ってしまうラガーの前にまわり込み、「落ち着けよ、お前」とでも
言っているのか、いつになく厳しい表情で見つめあうも、次の瞬間磁石のようにピタッとくっついて歩くふたり。
並んで歩く後ろ姿が意外なほどよく似ていて、いつもバカ騒ぎしているコンビの意外な、
しかし結局仲の良さがにじみ出ている場面で、私的に最高視聴率達成です。