太陽LOG

「太陽にほえろ!」で育ち、卒業してから数十年…大人になった今、改めて向き合う「太陽」と昭和のドラマ

#522 ドックとボギー

2018年07月07日 | 太陽にほえろ!
医大生が相次いで殺される事件が発生。
被害者には同じ大学の遊び仲間で裏口入学しているという共通点があった。

高校の修学旅行でビールを飲んでいたのを、のちに医大に進んだ同級生にみつかり、
先生に告げ口されたのをきっかけに医大生嫌いになったというボギー(世良公則)と、
数年前まで遊び人の医大生だったドック(神田正輝)がコンビを組んで捜査に当たる。




ドックとボギーの上着の色味が被っていてコンビ感が強調されています。
でも、お互い逆の恰好はしないだろうなと。それぞれに合ったスタイルを選んでますね。

被害者と仲の良かった2人の学生たちも狙われる可能性があり、ドックとボギー、
ジプシー(三田村邦彦)とラガー(渡辺徹)のコンビがそれぞれガードする。

学生の身で分不相応に派手な生活を送る彼らに反発を隠せないボギーとラガー。
とくにボギーは、同級生のせいで医大生嫌いになっているため、まったく仕事に身が入らないw
元医大生と知るや、ドックにまで反発する始末。

ガードしていた学生に街中で撒かれ、持久力のなさで逃がしてしまったことをドックに報告され、
それを告げ口だとふてくされるボギー。
入って間もないボギーに、兄貴分のドックを悪く言われてムカつくラガー。
そんなふたりをなだめつつリードするドックとジプシーのお兄さん味がほほえましいです。


捜査していくうちに、被害者を含めた4人グループが、ギャンブルのためにボウガンでウサギ狩りをしていたことが判明。
実験用だと思い、泣く泣く渡したウサギを無残に殺された飼育員の男が彼らに復讐をしたのだった。

普段は医学の進歩のためと割り切って、実験用の動物を育て提供している飼育担当の職員たちが、
年に一度、動物たちへの感謝の祈りを捧げる姿に感銘を受けるボギー。
そんな彼らのプロ意識に接し、ボギーもまた刑事として、私情を抑えて容疑者である飼育員に会いに行く。

とはいうものの、ボギーに計算やテクニックという武器はない。動物を、生き物を愛する者に対し、
ストレートに思いをぶつけるのみ。
子どものころ、飼っていたウサギを炎天下に放置して死なせてしまった自分を今でも許していない、
そういって大粒の涙を流すボギーに、飼育員は「あなたになら捕まってもいい」と自分の罪を告白する。

手錠をかけられ出てきた飼育員を見て、嘲笑するこのふたり…

「太陽」史上、もっとも憎ったらしい被害者といえるでしょう。何度見ても腹立たしい。ぬぅぅぅ!!

ボギーをはじめ一係の刑事たち、そして視聴者の多くが彼らに怒りの拳を振り上げようとした瞬間、
彼らに歩み寄り、胸ぐらをつかんで怒りの言葉を投げつけたのはドックでした。

軟派なだけじゃない、命を大切に思うドックの心情にふれ、今までの非礼を素直に詫びるボギー。
一係に新しいコンビがうまれました。


【アニキといっちゃん】
当時、神田さんと世良さんはラジオのパーソナリティーもやっていました。
(徹さんも番組をもっていて、神田さんと世良さんが揃ってゲスト出演したという
夢のような回もあったようですが、私は残念ながら聴けませんでした)

おふたりがそれぞれの番組にゲスト出演している回のカセットテープを何十年ぶりかで聴いてみました。
「アニキ」「いっちゃん」と呼び合い、お互いはもちろん、太陽の共演者への親愛の情が伝わってきて、
本当にいい現場だったんだなとほほえましいです。

ボギー亡き後にもゲストで出てきた世良さんが、
「アニキにラケットをもらってテニスはじめたんですよね」と楽しそうに語っていて、
アニキの影響力wwと、いっちゃんの柔軟性がちょっと意外でした。

甘やかで柔らかな語り口ながら、案外男っぽさが垣間見えるアニキと、
少ししゃがれ声でぶっきらぼうを装いつつも、優しさと繊細さがにじみ出るいっちゃん。
ドックとボギーに重なる部分と、ご本人の素顔が出る部分と…。
声だけだからこそ感じられる魅力が、ラジオにはあったと思います。