毎日暑いせいか、なぜだか無性にゴリラを観たくなりました。
1989年、石原裕次郎さん亡き後に石原プロが久しぶりに制作した刑事ドラマです。
石原プロの俳優さんの中で、ちょっと異彩を放っていた(と私が思っていた)神田正輝さんが、
いわゆる“軍団”の渡哲也さん、舘ひろしさんらと共演するということで、
ある種の緊張感をもって(謎)観ていた覚えがあります。
渡さんと舘さんの揺るぎない関係のなかに、同じ会社でありながら長らく自社のドラマに出演していなかった神田さんが加わることで、
どういう化学変化が起きるのか。
そのキャスティングは、寄せ集めで結成された劇中の第8班の、それぞれの能力は高くてもお互いをどこまで信じているのかわからない、
チームとしては未知数な雰囲気を出すのに成功していたように思いました。
当時、30代後半だったおふたり。
「あぶない刑事」のタカさんや「太陽にほえろ!」のドックから数年経ち、
ずいぶん大人に(というかおっさんに)なられて…なんて思っていましたが、
自分がその年を追い越してみると、いやいやまだまだ若いですね。
渡さんが、撮影中のケガでわりと前半から戦線離脱してしまった感があり、
あのころ私がゴリラに感じていた違和感は、もしかしたら渡さんがかつての黒岩や大門のような
圧倒的団長感を出していなかったことが原因だったのかもしれないと、今になって思います。
そんなアクシデントや、設定の変化、いろんな突っ込みどころが多いドラマでしたが、
なんだかんだ言っても、アクションシーンにおける石原プロのスタッフの技術やノウハウ、
危険なシーンも自ら演じる役者の技量と心意気が今となっては貴重ですし、
やっぱりカッコいいです。
石原プロの映画に賭ける思いを考えれば無責任に言えることではないかもしれませんが、
「ゴリラ」を連続ドラマではなく映画にしても良かったんじゃないかと個人的には思います。
単純に、石原プロのアクションを大画面で観てみたかったというのもありますし、
この頃がラストチャンスではなかったかと…。
「石原裕次郎」の名を大事にするあまり、自ら時機を逸してしまったとしたら惜しいことです。
逆に言えば、テレビで毎週こんな気合の入ったアクションドラマを観られたというのは贅沢でした。
ほかのどんなコンビよりも観ていて緊張するw舘さん&神田さん演じる伊達&風間を中心に、
時々「ゴリラ」にも触れていこうと思います。
【本日の面変わり】
神田さん演じる風間有悟。ヒゲを蓄えどことなく胡散臭い、つかみどころのない雰囲気で登場。
過去や私生活もよくわからず、本心も見えにくい感じが、いままで神田さんが演じたキャラクターにはなくて新鮮でした。
が、後半のある日、突然ヒゲを剃ってしまいました。誰も劇中で突っ込まないし。
インタビューで「手入れが面倒だから剃っちゃった」と答えていて、それはそれで神田さんらしいなと思いましたが、
風間さんに限ってはヒゲあり押しです。そういう意味でも前半の方が好みでした。
これじゃあ、ただの男前ですやんw