シアワセ、時々、フシアワセ

人生の折り返しをとうに過ぎた
ワタシの喜怒哀楽

誰かの人生から学ぶこと… Aさん (3の3)

2024-07-18 | 日記

前回の続き

4月に亡くなったインテリAさんのこと

 

今でも夫は亡くなった実感がないと言う

普段の日常、無意識に『この仕事はAちゃんに頼もうか』と頭によぎる

あぁ…もういないんだった、淋しさを感じる瞬間だと…

亡くなる少し前に病室で会ったきり、お別れの場がないまんま

でも、それも致し方ないことなのかもしれません

 

Aさんと歳が変わらない元奥さんはフルタイム勤務と隙間バイトに忙しい

そんな中で看病をし、1人で後終いをしようとしてる

何だか色々な事がお気の毒すぎて…

夫が手伝うと言っても仕事があるので私が

Aさんが独り暮らしていた自宅の遺品整理の手伝いをかって出た、5月のこと

 

初日は・・・

私が手伝えるのは大まかで10時~16時、高速に乗ってナビでたどり着き

元奥さんとはこの時が初めまして

うちの地域とは違って、分別の専用袋を購入しないといけない

そのマンションは業者に委託していて業務用の専用ゴミ袋が必要なんだそう

でもって、うちとは分別にも違いがあると聞き、その地域の市役所で分別ガイドを入手

 

賃貸マンションの1DK

部屋には物が溢れていて、私はキッチンの所の衣服類から取りかかり

大事な物が出て来るかもしれない居室は元奥さんに任せてひたすら袋詰め

分別ガイド片手に調べながらするので時間がかかる

ポールハンガーやカラボ、バラせる物はコンパクトにし、積み重ねて空間を作っていく

営業マン時代の高そうなスーツ類、丁寧に仕舞われてるけど厚い埃がかぶったまま

年代を感じる衣服類、大量のシリカゲルの小袋など、良く分からない物も沢山出て来る

英会話の本やカセットが沢山出て来て、バリバリの営業マンだった頃を垣間見る

この日、元奥さんは5時からしてたそうで

敷地内の小さいゴミBOXはゴミの袋でパンパン、これ以上は無理、早めの解散

たぶんね・・・

元奥さんが私に見せたくなかった物を先に片付け出したんだと

夫が部屋を下見した時に言ってた物などが無かったから察しました

それは、私自身も夫から聞いて知っていたアイドルユニットの推し活グッズ類

Aさんは青春を取り戻したかったのか?日々の生き甲斐だったのか?

長年熱を上げていて、夫にも一緒に行こうとお誘い受けたり

さすがの夫もこの件だけはお断り(^_^; 共感できないAさんの趣味でもありました

 

まだ沢山残る物の片付け、心残りなので次回もまた行くと、夫から伝えてもらう

その当日

元奥さんは自分の車(代車だったみたい)で市の焼却場へと何度も往復

2台でと言うけど、私は市内在住者じゃないから…と上手を言う(持込みできない)

正直、犬達を乗せる自分の車には積みたく無かった(__;)ゴメンナサイ

戻る度に独り言のように小声で、地味~に要望を言い残して出て行くw

元奥さんは運ぶのみ、私は1人黙々と分別しバラして袋の山を作る

お昼ご飯も抜きでひたすら・・・

重要な物っぽいものは見ないようにまとめておく こーゆうのは先に元奥さんにしておいて欲しかった

良く分からないサプリ、水が入った円錐形のクソ重い宗教系の物

神頼みして救われたのか?余命宣告受けたAさんの心情を察し辛くなった

クローゼットから元奥さんの見逃し品

推し活の新品音楽CDが段ボールいっぱい(°°;)、そこは燃やせるゴミ、うちはその他プラ

ケースに入った人妻物Hビデオテープがずらりで爆笑、これもCD同様

外から見えない様に、元奥さんの目に触れないように袋詰め

そりゃぁねぇ

昭和世代の男性ですもんね、ビデオテープのセット物とか、アルアルw

Aさんも、まさか私の目にふれるなんて思ってもなかったでしょう

殿方達、何が起きるかしれないので、こーゆうのは早めに処分しましょうね(^◇^;)

 

この日

全てを袋詰めし山にし、ざっと掃除も出来、後は大型家電を残すのみ

元奥さんが空いた時間に少しずつ焼却場に運んで

大型家電はAさんと夫の共通の知人に無償で頼み軽トラで運んで貰うように手配

状態が悪くて2人とも手が出せなかった風呂とトイレ

退去時にはハウスクリーニングが入るとの事、見て見ぬフリする事で合意;

電気、ガス、水道、携帯、Wi-Fi、その他の会社と契約してる分は郵便物から見当付ける等々

そこら辺は弁護士さんにアドバイスされたようです

これらの事も大事な事ではありますが、生前に聞くのも中々ね・・・難しい所

【元、だからね~】

と、度々言葉にする元奥さんの本心はわかりません

子供の事(遺産と言うよりは負の遺産)さえすれば、知らん顔で済んだ事かもしれません

Aさんが伝えていない、もし何か面倒な事がでてきたら…

存命中に元奥さんは弁護士に依頼し子供達の相続放棄の手続きを進めてたそう

そうしないといけない母心は私にもわかる

息子が1人と思っていたのが本当は2人いて、1人10万円、決して安くはありません

 

何だかんだ言いながら、元夫のことを心配し、元夫の後終いをする

残ってる病院代もそうだし、49日頃に生家の墓に納骨する予定も延期されたまま

売ってお金になるような物は元奥さんが持帰ったTVとパソコン位

65歳目前で年金も貰わず、生命保険も無し、離婚してるから何も残らない

労力を使い金銭的な負担もあり苦労されてるのを感じました

 

大事そうに仕舞ってあった段ボール箱の中からは

子供達の名前が手書きされていた古いグローブ2つとソフトボールの球が1つ

1番捨ててはいけない物の様な気がして

透明なビニール袋に入れて、元奥さんには言わず目に付く所に置いて帰りました

あのグローブには良い時の想い出が沢山あったはず・・・どうされたかな

父親と疎遠だったらしい息子さん達が手に取って何かを感じてくれたらと

これは私の勝手な願いですけどね

 

人が死ぬって・・・

本当に大変な事で、誰かの世話になり、大なり小なり必ず迷惑もかけてしまう

1人の人間が暮らしていた生活用品全てを処分し後終いをするのだって

主がいなくなったのだから当然の事ですが、想像以上の大変さがあり

大切な人のものなら、胸が張り裂ける感情にもなります

日頃から見直したり捨てる作業は誰にでも必要な事かと思います

自分だって、いつどうなるか、なんて分からないですけど

家族にかける迷惑は、最低限にする意識を持ちながら生きていないと・・・

簡単そうで、でも、もの凄く難しい事なのかもしれません

 

来月が百か日、秋のお彼岸頃には墓参りに行けるかなと…夫が待ってるのよね(。・_・)

今日もありがとうございました 

 

我家ではAさん地蔵と呼んでる^^ 多肉植物が蓮みたいに見えて・・・今日も穏やかに笑っています

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